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「美味しい…」


思わず口に出てしまい、慌てているとレオンの顔が少し綻ぶ。


「それはよかった。」


その言い方が気になったセリアは、思い切って聞いてみることにした。


「あの…もしかして、こちらの紅茶は王弟殿下が?」


「レオンでいい。紅茶が好きと聞いたのでな。こちらのレモンと合いそうな紅茶を持ってきた。口にあったようで何よりだ。」


一瞬綻んだ顔はすぐな無表情に戻る。しかしぶっきらぼうな言い方だが、優しさがのぞく。


セリアは再度紅茶を飲むふりをして、思考を巡らせる。


(この人はうちを乗っ取りに来たのよね!?なのになんでこんな)


「どうした?」

「キャア!」


気がつくとすごく近い距離にレオンがいて、思わず声を上げてしまった。

その時紅茶をこぼしてしまい、手が少し赤くなっていた。レオンの服も濡らし、セリアが顔を青くなる。


「も、申し訳…」

「誰か!冷やすものを!」


セリアの謝罪はレオンの怒声でかき消され、すぐにメイドたちが水の入った桶とタオルを持ってきた。

レオンはセリアの手を掴み、ドボンを桶の中に自分の手ごと突っ込んだ。


「お、王弟殿下!手袋が…」

「手袋などどうでもいい!あなたの手に傷が残ったらどうする!」


正直紅茶はそこまで熱くなかったのだが、自分よりも焦るレオンを見て、セリアは訳がわからなくなる。


レオンはメイドたちから軟膏と包帯を受け取り、テキパキと処置をする。

そんなことまでしてもらう訳には…と一度拒もうとしたが、俺にやらせてほしい。と懇願する顔面の圧力に負け、セリアはされるがままだった。

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