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「オーシアナ王国の王弟殿下が、この私に嫁いでくる…?」


父であり、国王であるマリノに呼ばれたセリアは、政略結婚の知らせを受け混乱していた。

その強さでも美しさでも名を轟かせるあの海神が、なぜこんな田舎に…と思ったが、海軍大将だからこそだろう。おそらく私の国の地形や砲台など、武力が目的で副産物で特産品の独占券などを狙っているのだろう。あわよくば、王配となってこの国を乗っ取るつもりかも…!


あの時出会った勇敢な青年がまさか王弟とは思わないセリアは、この政略結婚について冷静に考えていた。

立場的にフォートリア側からNOというのは難しいため、承諾するしか道はない。


「こうなったら…婚約破棄大作戦だわ…」


小さな声で不穏なことを呟く王女様を、マリノは不憫な目で見つめていた。


できることなら一人娘には、愛するものと結ばれて欲しかった。しかし立場的に、いつかはこの日が来るだろうことはわかっていた。

政略結婚といえど、願わくば娘に幸せになってほしい。そう思いながら昨年パーティで挨拶した金の瞳を思い出すが、その願いは霧散していった。

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