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フォートリアの建物は、石材のものが多く無骨な印象だが、オーシアナ国はレンガを基調とした街づくりになっており、統一感がとても美しかった。


様々な種類の店もあり、商船でしかみたことがなかったセリアは胸のときめきを抑えられなかった。


整備された道を馬車で走り抜け、郊外へ進むとそこには暗い町があった。実際に暗いわけではないが、その部分だけどんよりとした空気で、住んでる人もピリピリとしていた。

セリアが不思議そうに窓から覗こうとすると、レオンに止められる。


「あまり顔を見せない方がいい。」

「えっ…?」

「ここは…いわゆるスラム街なんだ…」


レオンは苦しそうな声音でセリアに伝える。


「俺や兄王が何度呼びかけても、国のじじいどもは何もしてくれないんだ。一応公爵領地だから無闇に手を出すこともできず…」


「そうでしたか…」


セリアは頭を殴られたような感覚だった。

フォートリアは皆暖かく、1人が困ればみんなで助ける国民性だ。だからなのか、ホームレス等はいないし、孤児院もいつも賑やだ。セリアはそれが当たり前だと思っていた。王族として他国についても学んだが、実感がわかず違う世界の話のように感じていた。己の無知さが恥ずかしかった。


「レオン様、私はもっとこの国を知りたいです。」


遠く離れるスラムの街をじっと見つめ、セリアは拳を握った。

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