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豊漁祭 1日目
祭りの初めに、海の巫女の舞が披露される。
厳かで美しいその舞に、誰も目を奪われる。それはレオンも同じで、瞬きすら忘れていた。
そしてその後、国王から島一番の真珠が入った、美しい装飾の箱を渡される。
セリアはそれを持って、海の方を向き、そっと足を踏み入れた。
海の巫女の大切な祭事、海底神殿に真珠を奉納に行くためだ。
ゆっくりと足を進め、腰、肩、そしてトプンとセリアの姿が消える。
レオンは上がってこないセリアにソワソワとし始める。リドが大丈夫ですよ。と伝えるが初めて催事に参加するレオンには何が大丈夫なのかわからなかった。
セリアは海底神殿につき、祭壇に箱を奉納する。
そして一礼してから神殿から出て海面に上がろうとした時、物陰から男が数人現れた。
真珠を狙った盗賊かと思い祭壇に戻ろうとしたが、男たちの狙いが違うことに気がつく。
急いでその場を離れらように泳ぐが、いくら海の巫女といえど、男の1かきと女の1かきでは進みが違う。男の人の手が、足に触れそうなその瞬間。
大漁の魚がセリアと男たちを分断する。
魚たちは男たちの周りをまとわりつき、どこかへそっと誘導する。
セリアはその間に海面に上がり、
皆がセリアの姿を確認し、拍手の波が広がり祭りの開始の合図となる。
「何かあったみたいだな。」
「そうですね…」
レオンとリドは様子がおかしいセリアをみて、何かを察する。
皆に手を振りながら岸に上がり、タオルで体を巻きながら、セリアは足早に国王の元へ急ぐ。
「お話があります。」
国王とセリア、そしてレオンとリドは城の中に入った