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「友人が、女性の友達からは遠回しなお断りと…」
「な、なんですかそれ…言葉のままの意味ですよ!」
セリアは顔も知らない友人を恨みつつ、慌てて否定した。
勘違いから暴走していたらしく、セリアの言葉を聞き安堵の笑みを浮かべた。
「では、俺は振られていないと?」
「そうですよ!いずれは…夫婦になるわけですし…」
段々と言葉尻が小さくなり赤面するセリアが可愛くて、添えられていた手をぎゅっと握りしめた。
「あ、あの…手を…」
「…嫌か?」
不安そうに確認されると、嫌とは言えなくなる。
整った精悍な顔が眉根が下がるだけで、まるで子犬のような愛らしいものに変わる。
(だめだわ…私、本当にこの人の顔が好きみたい。)
もちろん不器用で優しいとこも好ましいが、何よりもこの顔がドストライクなのだ。
「これからは、毎日お茶を飲まないか。短い時間でも構わないから…セリアのことを、たくさん教えてほしい。」
「い、いいですね!殿下のこともたくさん教えてください!!」
恥ずかしさを隠すため声が大きくなるセリアの手を、レオンはさらに強く握る。
「レオンと、呼んでほしい。」
「レ、レオン…様」
「様もいらないんだけどな」
呼び捨てはハードルが高く今は呼べないが、お互いのことをたくさん知ることで、そう遠くない未来には呼べそうな気がする。
レオンは帰り道に子供達が遊んでるところに声をかけ、本当に先ほどのことを感謝していた。なんのことかよくわからないけど、お礼をしてくれるとのことで、レオンは子供達から肩車や腕にぶら下がって遊ばれていた。
そ、そうではなく…と最初は困ってたらレオンだが、セリアがじゃあ私も!と子供達と遊びだしたので、まぁいいか、とその後は全力で子供達と遊び、2人はお城へ帰った。