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2人は海沿いのカフェの2階のテラス席に座った。


「ここは、海も見えるし静かでお気に入りの席なんです。」

「…いいところだな」


レオンは立場上、このような無防備な席でお茶を飲んだことはないため少し落ち着かないか、暖かな日差しとのどかな潮風はとても気持ちが良かった。


「すまなかった。」


レオンは目を伏せ、頭を下げる。

セリアは以前のように取り乱したりはせず、微笑んで机上に書いてあったレオンの手にそっと触れる。


「貴方からの贈り物も、嬉しくないわけではありません。しかし、あんな高価なものを一度にたくさんもらっては困ってしまいます。」


「あぁ。」


「それに、貴方は最初に用意してくれてた紅茶や花束は私のことを考えて用意してくれたでのしょう?今回もそうでしたか?」


「…いや」


「それが悲しかったのです。たくさんもらっても、気持ちが無ければ虚しいのです。」


「とにかく、なんでも綺麗なものを、高いものを送れば喜ぶと思っいた。貴方の気持ちや、好みなど考えもせず…」


「それが嬉しい方もいます。絶対に違うとは思いませんが、私は違いました。」


「わかってる…街の子供達が貴方に贈り物をしてるのを見て、それに気付かされた。あの子達にはこんどお礼をしなければ」


真剣に考えるレオンに、セリアから思わず笑い声が漏れる。

あの小さな子達の言葉をきちんと耳を傾けて、お礼まで考えるなんて、この人とても真面目でやさしいひとなんだろう。

やり方が間違っていただけで、セリアを喜ばせようとしていたのは本当なのだろう。


「私、贈り物よりも貴方のことが知りたいの。貴方って渡すだけ渡してどこかへ行ってしまうから…」


「本当にすまない…話が得意ではなく、つまらない男だと思われたくなくて…」


「それでもいいのです。貴方のことを知りたくて、お友達からとお伝えしたのです。」


「……そのことだが、俺は振られたのかと…」


「えっ!?」

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