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「これまでの無礼を、お詫びさせてくださいませんか。」
セリアはレオンの方を向き、片手でスカートをつまみ深いカーテシーの形をとる。
「私は一方的な決めつけで、貴方に敵意を向けていました。本当に申し訳ございません。」
「いや、セリアの立場であれば私で同じ行動をとっただろう。」
優しいこの人は、こちらが気にしないように言葉をかけてくれる。自分の行いが恥ずかしくなりセリアは唇をグッと噛み締めた。
「今すぐ、その、同じ気持ちを返すのは難しいのですが…いずれは夫婦になりますし、あの、お友達からでも、良いでしょうか!!」
恋愛経験の乏しいセリアは、お互いをもっと知りたかったためこの言葉を選んだ。
同じく恋愛経験の乏しいレオンは女好きの友人から、女が言うお友達からは実質振られたようなもの、と教わっていた。
先ほどのレオンの大声でことの次第をを全て知ってしまったメイド達は、生暖かい目で2人を見守っていた。
この日から、レオンを知ろうとするセリアと、セリアを振り向かせようとするレオンの関係が始まった。