クマさんとおえかきちゃん
18時間くらい寝てる間に見た夢を書き起こして、私の趣味に味付けした作品です。
「じゃまたあしたー」
「ういーまたあしー」
彼女らは別の道へ私は踏切が上がるのを待つ。
いいね。これって凄くエモーショナルだよね。
なんて可愛い女の子なんだろう。最高。
人間の可愛さに酔いしれていて、踏切の遮断機が上がった事に気が付かなかった。
「いかん、いかんいかに幼気なjkといえども踏切前で恍惚としていては」
私は急いで踏切を渡り線路の上に立つ
そして「どんがらがっしゃーん」
「なんちて」
相変わらず暗いなこっちは、ひとっこひとり居ないんだから。最近はあっちにずっといるヤツも増えてより静かで誰もいない。
「親が哀しむよ〜、親なんかいないけど」
そんな独り言を言いながらホームに向かう。
すると
「あら珍しい、誰かいる」
私の体より2倍はおっきいもやもやの黒いクマさん。
「えぇうそ珍しぃ」
のんびりしたしゃべり方だこと、やっぱり同じ事を思うよね。
「その感じで話通じる感じなんだ」
「失礼しちゃうなぁ、キミこそ、その見た目でボクらと一緒なの」
「ごめんごめん、でもほらjkはハッキリもの言うものでしょ」
「ふーんよく分かんないけど、キミも待ってるの電車?」
「ううん、私はここだからここにいるの、てかここ電車なんか通ってたっけ」
「通ってない」
なんだコイツ。
「ねえどうせ暇でしょ。通ってない電車待ってるなら話さない?無視?、、っていないし」
まいっか、こっちじゃいつも1人だし。ここが私の場所で、私もこの子も俯く場所だ。
静かで退屈で音もない。なんで私はここで、なんで私は今もここにいるんだろう。
?かすかにホームの階段から音が聞こえる。降りてくる足音だ!しかもこれはjkの足音!
「珍しいこともあるもんだね!」
「ってあれ?」
降りてきたのは子供の書いた絵みたいな奴だった。多分制服を着た女の子jkなのかな。
「ソレ、ほントウのヤつダ、ヒトダひトフフふ」
あーまあ大半はこんなのだったよね。私はソイツと距離を急速に縮めの右頬をぶん殴る。
ソイツはホームの階段に叩きつけられる。
「一つだけ聞くんだけ「ホシイホシイホシイホシイイイ」「だよね。あげない」
私はソイツと逆のホーム階段まで距離をとる。
ソイツは踵を起点に立ち上がり、目と口が半月状にうねり顔の輪郭に収まっていない。
「やっぱり子供の絵みたいだね。名前をあげる君はおえかきちゃんだ」
ジリジリと距離を詰める。おえかきちゃんもこちらと距離詰めつつ右手を体躯より大きなハンマーに変える。
「ういーめんどおそ」
「アハハはハ」
おえかきちゃんの右腕が伸び私の左側からハンマーが来る
身を伏せ攻撃を躱す。ハンマーは轟音をたて柱を砕き、ホームの下に落ちる。
「あっぶなー、くらったらまずめかも」
形が変わるならそら腕も伸びるよね。
「オもい」
だけどおえかきちゃんは腕から伸びたハンマーを手元に戻せてない。変化は自在でも腕の力はなんかしら制限があるみたい。
「ひとまずもう一発いくね」
私は走りヤツと距離を縮め勢いそのままで腹に蹴りを浴びせ吹っ飛ばす。
おえかきちゃんは後ろに飛ばされながら
「おモイ、イラナい」
左手を包丁に変え右腕を切断する。
「え、すご。凄いけど蹴られる前にやんなきゃ」
私はヤツが体制を立て直すより早く頭を踏みつける。
「死んだかな?」
何となく動いた気がしたので3回ほど追加で踏んだ。
「あれ?空っぽだ」
砕けて中身が出てくるかと思ってたら外側だけだ。風船みたいな?
「こういうときは大抵」
右目の端にハンマーが見える。
「これはよけられない。ごめん」
私は右腕を変化させる。人の体を使っているから、出せる力には限界がある。だけど姿を形だけでも、一部分だけでも私に近づければ出せる力は跳ね上がる。
「でもこれグロくて嫌いなんだよ」
可愛くないし、ごめんね借りてるのに。言ってしまえば単なる右腕の巨大化なんだけど、皮膚も筋肉もちぎれるし、血も本当ならダラダラこぼれちゃう。それを全部私が繋いで形だけを取り繕ってる。
「可愛くないほんとに、早めに終わらせてね」
手早くハンマーを砕き、背後のおえかきちゃんを右手で潰す。
「さっさと本体を探そう」
おえかきちゃんの戦い方は少なくともどこからか私を見てないといけないはず。私を見てるなら私からも見える位置にいるはず。
「っと、本体を探す行動をし始めたら同時に出してくるのね」
1、2、3多分まだまだ出してくるよね。今の状態なら倒すのは大丈夫だけど、右腕側以外から受けるのは良くない。しかも本体も探さなきゃいけない。
「どうしようかなあ、私以外に誰かいたら楽なんだけど」
そんなこと言っても仕方ないか。おえかきちゃんを潰しながらとりあえず高いとこでも登ろっかな。
ガタンゴトンガタンゴトン
「あれ電車だ」
私がここで、ここにいてから電車なんか一回も来たことないのに。おえかきちゃんも動きを止めてる。想定外なのかな。
「話の途中でいなくなるのは失礼じゃないかなあ
あ」
「クマさんじゃん!てかいなくなったのはそっちね。」
「違うよいなくなったのはそっちさあ」
「いやいなくなったのはそっちだってば」
「じゃあ君はそこかい?」
「そうだよ。私はずっとここでここにいたんだよ」クマさんが言っている意味が分からない。私はずっとここで、ここにいたのに?
「てか、クマさんここいま危ないよ!」
「危なくないよ、君がいる、それに僕も」
「でも今の私じゃクマさん守りながら戦う余裕ないよ?」
「守ってもらう必要も無いし、戦いにもならない。」
「それってどういう、あぶなっ」
くまさんの後ろからおえかきちゃんのハンマーが迫る
「危なくない。」
ガゴンと鈍い音がなりハンマーが砕ける。
「うへえ強いんだねクマさん」
「うん」
おえかき食べながら答える
「ヒントあげるよお。」
そう言ってクマさんは電車を指さす
「ここは君がいた場所で、電車は通ってない」
「でも今電車でクマさんきたじゃん。あっ」
そうか分かった単純だ。
「ここは私がいた場所じゃない」
「正解だよお。じゃあどおする?電車で帰ることもできる。倒して帰る?」
「手伝ってくれるなら倒して帰る。おえかきちゃん任せていい?」
「おえかきちゃん?いいよお」
そう言ってクマさんはおえかきちゃん達をなぎ倒す。
「つっよ。クマさんがおえかきちゃん達を引き付けてる間に本体を探さないと」
ここはおえかきちゃんの本体が作った世界で、多分おえかきちゃんが最初ホームから降りてきたとき、私がjkの足音に舞い上がってて引き込まれたんだ。
「普段ならあの場所にいて私が気が付かない訳ないのにjk恐るべしだね」
おえかきちゃん本体の場所、私たちと複数体のおえかきちゃんの操作、遮蔽物を無視して広く見える場所じゃなきゃ無理だ。 となれば本体の場所はひとつ。
そしてここは私の、というかこの子の悪夢だ。
「早くこんな悪夢終わらせてあげるからね」
空を見上げる
「見つけた」
月にお絵描きちゃんと同じ半月状のうねった口と目が付いている。
「俯いてちゃ気づかないね」
私は跳びあがった。月までの距離はとても短かった。
「やっぱりここは子供の悪夢の中だ。恐怖が際限なく迫り、空が沈み、世界に笑われる。」
右腕に力を込める
「そんなの最っ高に可愛くない!」
私は月に最大限の力で殴り叩き割った。するとおえかきちゃんの世界は割れて元の暗い私のいた世界に戻った。
「月を殴ったんだ。そりゃ高いよね。夢の中ってなんであんなにめちゃくちゃなのに起きるまで気づけないんだろう。」
久しぶりに頑張り過ぎた。右腕は元に戻ってるし、着地どうしよ。夢から覚めたら布団の上でしょ普通
「おつかれさまあ」
ふわふわの腕に抱えられる
「ありがとクマさん。ところでさクマさん何者?」
「もう朝になるよお」
「また明日ってことね。いいよ今日のところは夢って事にしてあげる。」
「そうそう。ゆめゆめ。だから起きて学校行ってらっしゃい」
「はいはいじゃ行ってきます。放課後絶対説明してもらうからね」
正直今聞きたい事が沢山あるけど、無断欠席する訳にはいかないからね。
「どんがらがっしゃーん」
「なんちて」
この夢の続きを見たら次のエピソードを書くかもしれない。