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こんなんでええの?

作者: 氷室吾郎

あれからどれ程の年月が経ったのだろう


僕の初めての彼女は今は何をしているだろう


普通に結婚して普通に子供を産んで普通の暮らしを送っているだろうか


きみから「さよなら」を告げられたのはクリスマス間近の雪の振る寒い夜だったね


僕は君の気持ちなんて知らずに呑気にクリスマスの予定を考えていたよ


誰が言ったのか思い出せないけど


女性が背中を向けたら後を追い掛けてはいけないらしい


そんなつまらない事を思い出し君の背中を追い掛けられず涙をこらえていたあの夜


雪が静かに僕の代わりに涙を流してくれるよう手のひらに舞い降りてきた


あれから僕もそれなりに恋愛は経験したよ


でもどうしても君と比べてしまうんだ


また今年もあの日がやって来る


もしも願いが叶うなら一目でいいから君の姿をみてみたい


だけどあれから随分と時間が過ぎてしまった僕に君の顔を見分けられるかな


君の顔や君の声君の仕草をどんどん忘れていく


記憶は消えていくのに君への想いだけは強くなる一方だ


仕事の帰り道ふと君の事を思い出し


「今でも好きだよ」


呟いた息が白く染まる


友達に言われた言葉が頭をよぎる


「お前はこれからずっと彼女に片思いをしたまま生きて行くんだろうな」


今年も大嫌いな冬が始まる


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