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プロローグ

勝負には努力や感情を超えた、何か必然を感じる瞬間が時々ある。

緊張が極限状態まで高まったとき、言葉では説明できない、運命みたいなものがふらっとやってくるのだ。


10、9、8、、、カウントは減り、奥歯がギシギシと音を立てるのを感じる。

俺は今、敵を追っている。

世界大会を懸けた戦いは、延長戦まで縺れ、この1ラウンドに勝敗は任せられていた。

延長12ラウンド目、互いに倒し倒されの状況で、敵五人は一人になり、味方四人は全滅、残されたのは俺と敵一人。

あと、この一人を倒せば俺たちは夢見た大舞台へ上がることができる。

 頭の中を、なにか重いもので押しつぶされそうな感覚がする。

敵が隠れているであろう場所を、味方の情報をもとに一瞥する。

いつでもマウスの左クリックを押す準備はできている。

7、6、5、、、しかし、敵の姿は見つからない。

俺は飢えた獣のように、敵に反撃されることなど考えもしなかった。

キーボードのW,A,S,Dは、カチャカチャと音を立てて敵を追う。

マウスを握る手は少しこわばっているが、画面に写された標準は点と点を繋ぐように素早く、正確に移動していた。

4、3、2、、、

しかし、秒数が進むにつれ、脳は悲観に襲われる。

これから起こるであろう出来事が、放心させていく。

まるで自分じゃない誰かがこのキャラクターを操作しているように思える。

残り僅かな感情が指を動かす。

1、


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