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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part2.波音の盗聴者セイガ]
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氷結女王の刑城

タオンを裏切り、そして逆に裏切り返されたセイガ、このままセイガに勝たせてくれるのだろうか?

 キングバック65話「氷結女王の刑城」



「この、私を敵に回していいと思っているわけ! アルファラスが黙っていないわよ!」

「そんなの知るか! 目の前のことだけ考えるのがこのタオン様よ!」


 そういうと、タオンはセイガに滲みよる。


「ひぃっ、こ、こっちに来ないで!」

「てめえのキングバックなんて、水がなければ、ただの接近戦なら俺の方が強い!」

 

 するとクロス・グリード・Xはアクア・クエイクの右肩から左腰に目掛けて切りつける。


「ぎゃあああぁ!」

 セイガは痛みで倒れる。


「そら立てよ、まだてめえのキングバックは生きてんだろうが!」


 タオンはぶちキレた様子でセイガに近づく。


「でも、まだそこがバカなのよ」

 倒れた状態でセイガはそう呟く。


「何ぃ!」

「くらえ!」


 すると、セイガは倒れたとき、拾った石で自分の右手を切り、出血させると、その血をタオンの目に目掛けてピンポイントに飛ばす。


「め、目が⁉」

「あはは、人間にも水は含まれてんのよ! バカが、余裕で勝てると思って近づいてさぁ!」


 セイガはタオンの頭を掴む。

 すると、タオンは口から泡を噴きだし、その場に倒れる。


「はぁはぁ、バカが、この私に盾突いて、あんたじゃあ、私に勝てないのよ! アハハ!」

 セイガは高笑いし、倒れたタオンの腹を蹴る。



「そいつはバカなんかじゃねえさ」


「⁉ そ、そんな」


 セイガが我に返って振り返ると、そこには既に岩谷たちが小島に辿り着き、そこにいた。


「少なくとも、権力に従って何も疑わず生きる奴なんかよりはそいつはバカじゃねえよ」

「き、貴様ら」

 セイガは下唇を噛み、血が滲む。


「セイガ、あなたはもう終わりよ」

 ウィルメリアは前に出る。


「エステイトぉ! お前が、お前さえ、アルファラスを裏切らなければ、私がこんな目に会わなかったのよ!」

「……」


 すると、ウィルメリアは付けた仮面を外し、素顔を見せる。


「あ、あなた、そ、それは」

「私の名はウィルメリア、女よ」


「は、はは、ははははははは、そう、はじめっから、そうだったのね」

「ええ、私は初めからそちら側ではない、あなたみたいにアルファラスに心を売っていない」


「く、くく、随分と茶番劇に付き合わされたものね」


 すると、セイガは右手から血を大量に噴き出させ、血で作った水の刃をウィルメリアに向けて飛ばす。


「無駄よ」

 ウィルメリアは飛んで来た水の刃凍らせ止めようとするが、その直前にその水の刃は爆散し、ウィルメリアの視界を奪う。


 その隙に、セイガは必死に湖まで走り、こけるように飛び込む。


 しかし、セイガは逃げるために湖まで逃げたのではない。 

 なぜなら腕の傷の深さから、ここから向こう岸まで逃げるまでに出血多量で死は免れないからだ。



「あ、あはは、ここまで来たら、一人では死なないわ。お前らが変な正義感を持っていたとしてもねぇ、そんなちっぽけな物、圧倒的な権力の前には無駄なのよぉ、くだらないんだよぉ! お前たちはアルファラスの部下、たった一人のウォーターナイトに全滅させられる! ふふふ、この小島ごと地図から消してやるよ」

 

 そう言い残すと、セイガは気を失う。


 すると、辺りから凄まじい音が鳴り始める。


「な、なんだ⁉」

「や、ヤバイ! 周りが津波で囲まれてるぞ!」


 そう言われ辺りを見ると、津波がこちら側に押し寄せてきている。


 セイガは能力を出し切り、津波を生み出した。

 それもこの小島の周囲を覆い、確実に俺たちを殺すためにほどの規模だ。



「私に任せて」

 ウィルメリアはそう言うと倒れたセイガに近づく。

 

「ウィルメリア、いくら君でもこの津波全てを凍らせることは不可能だろう?」

「大丈夫、今から使うのはただの氷ではないの」


「……」

「でも、凄くしんどいから、支えてくれる?」

「ああ」


 ウィルメリアは目をつぶり、スティーブはウィルメリアが倒れないように支える。

 そしてウィルメリアは詠唱を始める。



「これは汝を詰める混沌の氷、奮い穿つは我が槍城(そうじょう)。しかしてこれは生かして殺す判別の刑槍(けいそう)。砕けて命じろ! 氷結女王(フリージング)刑城(プリズンキャッスル)



 ウィルメリアが唱え終えたその瞬間オールグリッターは砕け散る。

 すると、セイガの周りから多数の氷の槍が生え、セイガはその槍に巻き込まれる。


「こ、これは⁉」

「私が唯一使用できる概念能力、氷結女王(フリージング)刑城(プリズンキャッスル)よ」


 すると、氷の槍は砕け、消え去る。

 そこには意識のないセイガが取り残されていたが、セイガの身体にはセイガが自分で付けた傷以外の外傷はなかった。


「あれほど槍がセイガを襲っていたのに、槍による外傷がないだと⁉」

「この氷の槍に包まれた者を傷つけるかどうかは私が決める。罪が多い者ほど、私が命令できることが増えて行く、そういう能力よ。だから、命令をしてセイガ自身にこの津波を止めさせた」


 そのとき、確かにこの小島を襲おうとしていた津波は無くなっていた。


「凄いな」

「そんなことないわ、そもそも罪がない者には意味がないし、それよりも使用すると、私のオールグリッターが砕けてやられてしまうから……」

 

 ウィルメリアはフラッと倒れそうになり、支えていたスティーブは抱き支える。


「おい! 大丈夫か!」

「ええ、このように使用したら、私が再起不能になってしまうのが最大の弱点よ」


「そうか、確かに使いどころが肝心だな、だが助かった、ありがとう」

「ふふ、でもまだまだよ、セイガが言っていたように、私たちの敵は多い」


「ああ、だが、俺もこの戦争に勝つためじゃない、個人的にアルファラスを引きずり下ろしたくなった」

 スティーブはそう言うと微笑む。


「ありがとう、とても心強いわ」


 二人は見つめ合い、互いに微笑む。



「……これに割って入るのはヤボってもんだな」

 そう言うと、岩谷は割り込みたくてうずうずしているエルフェの肩をポンポンと叩く。


「……そう、ですのね、でもさりげなく肩を触ってんじゃないですの!」

 そう言うと、エルフェをどつく。


「ご、ごめんって!」


 

 こうして、セイガとの戦いに終止符が打たれた。


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

やっと、敵の一人のセイガを撃破しましたね、彼女はかなりの強敵でした。

しかし、水がないと能力が使用出来なかったり、接近戦が弱いなど、弱点も多く、それを補える仲間がいれば彼女はもっと強くなれたでしょう。

セイガの最大の弱点は他人を信用しなかったことでしょうか?

このように、この醜美鎖国水都アルファラス編はこれまでの編と違い人として重要な何かが欠落した者や壊れたキャラがたくさん登場します。

次回は超大物が登場します。お楽しみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterもやっており、作品に関する情報を提供すると思います。

作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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