ただし、イケメンに限る
セイガに作戦がバレた一行、ウィルメリアはセイガを追う。
キングバック62話「ただし、イケメンに限る」
ウィルメリアは逃げるセイガを追う。
「待て! セイガ!」
「それは出来ない相談ね、これが求愛行動ならば大人しく抱かれるのも悪くはなかったのだけれどね。今、あいつらを切って私の愛玩となるのなら許してあげるわ」
「僕は女には興味はない!」
「え⁉ まさか、そっち系の趣味があったの⁉」
セイガは目をまん丸にする!
「え、いや、そういう意味じゃなくて」
「もう! そっちの趣味なのに、私に近づいて来て失礼しちゃうわ!」
「いや、だから」
「それはそうと、受けと攻めどっちなのかしら?」
セイガは少し興味ありげに聞いてくる。
「どんどん、話が変な方向に……」
「いいから、どっちか答えなさい!」
セイガは血走った目で叫ぶ。
「なんだよぉ、結構、興味津々じゃないかぁ」
「うんうん、エステイトとペアの男を飼おうかしら」
何やら、セイガはヤバイことをブツブツ言い始める。
「なんか、物騒な方向になっているんですがぁ!」
ウィルメリアは顔を真っ赤にする。
「決めたわ、やっぱりあなたは私の物にするわ! だけど、今はアデュー!」
そう言うとセイガは湖に飛び込む。
「ちっ、逃がすか! 誤解も解きたいしね」
ウィルメリアは湖に到着すると、セイガを捕まえるため、湖を凍らせ始める。
凍った氷が湖にどんどん侵食していく。
すると、湖の氷に強烈な衝撃が走った。
「な、何⁉」
ウィルメリアは凍らせた湖の氷にピシッと亀裂が入ったと思ったら、氷は一気に粉砕される。
「水の波を扱う能力と聞いてはいたが、こんな芸当も可能なのか⁉ 凍った氷の周囲の水を振動させて、粉砕したのか。これは迂闊に湖に入れないわね」
ウィルメリアはどうやってセイガを追うかを考えていると、唐突に大きい水の波が津波のように押し寄せて来た。
その波はとんでもない大きさで、放置すると街を襲い甚大な被害を起こしかねないほどの規模だ。
「くっ、オールグリッター! 全て凍らせろ‼」
オールグリッター手を地面に着け、一瞬で押し寄せる水の波を一瞬で凍らせる。
「はぁはぁ、これで街は無事なはずだ」
広範囲を凍らせたことで大きく力を使ったウィルメリアは膝を着く。
そのとき、凍った水の波を割りながら、大きい水の刃がウィルメリアに目掛けて飛んでくる。
「オールグリッター!」
ウィルメリアはオールグリッターで凍らせ、攻撃を防ごうと考えたがオールグリッターは氷を生み出せなかった。
「ち、力を使い過ぎたか……」
ウィルメリアは下を俯く。
ーーごめんなさい、みんな、お母さん、お父さん……エステイト
「諦めるのは、まだ早い!」
サーセイバーが膝を着くウィルメリアを抱えると、飛んでくる水の刃を回避する。
飛んでいった水の刃はその先に待っていた岩谷のクリサリスストーンズが受け止める。
勢いの強い水の刃といえどクリサリスストーンズを貫くことは出来ずただの水に戻る。
サーセイバーはスティーブの元までウィルメリアを連れて行く。
スティーブはふらついたウィルメリアを支える。
「大丈夫か!」
スティーブの腕に抱かれたウィルメリアは見上げて、スティーブの顔を見る。
「あ、はい、大丈夫、です」
エステイトを演じているときと違ってウィルメリアとしての乙女の自分が出てきてしまい、思わず裏返った可愛い声で返事をしてしまう。
「なら、良かった」
スティーブは優しく微笑む。
「でも、どうしてここに?」
「それは早く終わったからさ」
スティーブが後ろを指さすと、そこにはセイガの部下をあっという間に制圧したみんな姿があった。
「こんな実戦経験のない奴ら楽勝だったぜ!」
岩谷が親指を立てる。
「だったら、僕を参戦させる必要なかったんじゃないかな?」
疲れた顔をするクラスチェ
「ウィルメリア様! 大丈夫ですの⁉ ちょっと、スティーブ! どさくさに紛れてウィルメリア様にくっついてんじゃないわよ!」
プンプンしたエルフェ。
「ナイスだ、スティーブ殿」
「……良かった」
ノレドとシャルデも安堵している。
「君が無事でみんな安心している。どうか、無茶はしてもいいが、君が傷ついて悲しむ者がいることを覚えていて欲しい」
「わ、分かりました。スティーブさん」
ウィルメリアは反省したように下を向く。
「もちろん、俺も君が心配だ。でも、君は止まらないのだろう? なら、俺が君を守るよ」
スティーブはそう言うと、ウィルメリアの頭を撫でる。
ーーず、ずるいなぁ、そんなこと言われると、私……勘違いしちゃいそうじゃない
ウィルメリアは顔を赤くし、顔をスティーブにうずめて隠す。
しかし、スティーブはそのことに気付かず、まだ頭を撫でる。
助けてもらった後に優しくされればこうなってしまうのは必然であると言える。
PS:ただし、イケメンに限る。 byタオン
ーーお前はどこから見てるんだ!
「いつまでくっついてるんですの!」
エルフェがスティーブとウィルメリアを引き剥がし、ウィルメリアに抱き着き、支える。
「はは、ごめん」
「ぐへへ、じゃなかった、ウィルメリア様に気やすく、くっつくんじゃないんですの!」
そのとき、湖からセイガが顔を出し、この一連の流れを遠くから傍観していた。
「なるほど、あいつが本命か」
セイガはそう言い残すと、再び湖を潜り、その場を去って行った。
このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。
今回から本格的にセイガ戦が始まりました。
次回は逃げたの後をセイガを追う話になります。
いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。
ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。
作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。
Twitterにて今作の絵を載せました。作者名で検索すると出ると思います。
また、第2部分でもタイトル絵を載せているのでそちらの方もよろしくお願いします。
次回もお会いできるのを楽しみにしております。




