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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part2.波音の盗聴者セイガ]
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バカって言った?

何故か喫茶店のウェイトレスをしている、タオンに岩谷たちは遭遇する。

 キングバック61話「バカって言った?」



 ーーこんなところで何してんだ⁉ こいつ?


 岩谷、スティーブにクラスチェ、全員が目を丸くする。


「こんな、こぼして一体どうしたんだ? お客」


 ーーいや、お前こそ、何でここで働いてんだ! お前、本職ウォーターナイトだろ!


 皆、心の中でツッコミを入れる。


 どうやら、タオンは化粧が落とした俺たちの正体には気が付いていないらしい。

 本当にただここでバイトしていただけなのかもしれない。



「こんな、こぼして、お客、やんちゃっ子ですな」

 タオンはそう言うと、テーブルや床を拭きだした。


「あはは、す、すみません」


 三人は顔を合わせ、目で会話する。


 ーーバレてないなら、このまま隠し通そう。

 ーー了解



 するとタオンはピタッと動きを止め、俺たちの顔をじっくりと見る。


「なあ、お客たち、どこかで会ったことないか?」

「そ、そんなことないと思うけどな~」

 岩谷はわかりやすく顔を逸らす。


「う、うーん、どこかで会ったと思うんだけどなぁ~ 俺の勘違いかぁ?」

 タオンは怪しんでいる。


「(バレるだろ、不自然なことすんな! 自然でいろ、自然で!)」

 クラスチェは目で岩谷に訴えかける。


 その目線を受けた岩谷は何か分かったような、閃いたような表情になる。


「(あ、絶対今、ロクなこと考えてんな)」


 そのクラスチェの予想は見事的中。


 岩谷、ついでにスティーブは顔を歪め始める。

 二人とも何とかタオンにバレないようにしようと必死だ。



「(不自然過ぎるだろぉ! てか、何でスティーブもやってんだよ!)」

「(治、一人だと、この後、責められたとき可哀そうだろ)」

 スティーブが心の中の会話に入ってくる。


「(心の中を読むな、怖いわ! てかスティーブ優しいな、おい!)」



「……俺、こんな変な顔の奴知らねぇ、勘違いだったわ、わりぃな、じゃあお客、ごゆっくり~」

 そう言うと、タオンはテーブルから離れて背を向けて去って行く。



「(ふぅ、あいつがバカで助かった)」

 クラスチェが安堵したそのとき。



「今、バカって言わなかった?」

 タオンは凄い速度で振り向き、急に接近して来る。



「(地獄耳過ぎるだろぉ⁉)」

「(お前のせいで、タオンにバレただろうが!)」

 岩谷がクラスチェの心の中でキレる。



「(今のって僕が悪いんか⁉ 僕が悪いんか⁉)」

 クラスチェは焦った表情になる。 


「(今、バカって言った?)」

 タオンもクラスチェの心の中で話し掛けて来る。

「(言ってねえよ、バカ)」


 全員無言だが、何故か会話が成立してしまっている。


「(何で、お前ら全員普通に俺の心の中で喋ってんだよ! 怖ぇんだよ! 俺の心の中は公共機関じゃねえんだよ!)」

「(諦めろクラスチェ、これはギャグパートだ。常識がひっくり返る)」

 スティーブは諦めたような声でクラスチェに話す。

「(ギャグパートが一番の敵だと思うんですが⁉)」



「(そんなことより、今、バカって言った?)」

「(うっせえ、バカ!)」



「(岩谷! そもそも心の中に入れるなら、さっきの俺の指示を聞けよマジで!)」

「(いや、普通心の中に入れるわけないだろ? 何言ってんだこいつ)」

 岩谷は変な奴を見るような顔でこっちを見る。

「(現に今入ってんだろうが! はったおすぞ!)」


「(うん? もしかしてバカって言った?)」

「(もう既に言ってんだよ、バカ!)」



「ああ! この俺をバカって言ったな! バカって言った方がバカなんだぞ、バーカ!」

 タオンは舌をです。

「Oh 特大ブーメラン一丁!」


 やっと俺の心から出て行ったわ。



「もう、キレたぜお客、()()()()()()()、この俺をバカにする奴はただじゃおかねえ! たとえここで暴れてバイト首になっても、ウォーターナイトの仕事がなくて困っていても、悔いはねぇ!」


「ちょっとくらい、躊躇しろよ! 生活かかってんだろ!」

「知らん! 目の前のことだけ考えて生きるのがこのタオン様よ! いっけー、クロス・グリード・X」


 タオンのキングバックがクラスチェを襲う。

「ま、待て、僕は弱いんだ!」

 クラスチェは首をブンブン振る。


 しかし、既にタオンのキングバックの背後にはサーセイバーがいる。

「俺に任せろ!」


 サーセイバーは剣を一振りすると、タオンのクロス・グリード・Xはバタンとその場に倒れ、タオンも気絶し、ぶっ倒れる。


「た、助かった」

「相変わらずあっけないなぁ~」

「ああ、だが見ろ、もっとマズイ事態になっている」

「ん?」


 スティーブに言われて岩谷とクラスチェが振り返ると、セイガがこちらを睨んでいた。

「あ、忘れてた」


 PS:ここからはシリアスだぞ! byタオン



「彼らがこんなところに偶然いるなんて有り得ないわよねぇ、まさかエステイト、あなたがそっちにつくなんて」

 セイガは冷たく鋭い目線をウィルメリアに送る。

「……」


「否定しないということは肯定と取るわよ。でも念のためこの喫茶店にしておいてよかったわ」

「なに?」


「この喫茶店ね、いい水を使うためにわざわざ別の水路を引いてきているの、そしてそれはこのテラスの床の下を通っている」


「くっ、初めから!」

「私がなんの対策もなしにここに来ると思って? まあ、偶然居合わせたバカのおかげで勝手に姿を現してくれたけどね」

 セイガは余裕の笑みを浮かべる。


 ーー今、バカって言った?


「ん? 何か聞こえた気がするけど気のせいね」

 セイガは一瞬キョロキョロするが、すぐウィルメリアの方に向く。


「……だったらセイガ、こちらは7人、そちらはお前を含め、4人だ。この状況も想定し、対策を既に行っていると言うのか!」

 ウィルメリアはセイガに言い放つ。



「・・・・」

 すると、セイガはバツの悪い表情をすると、突然湖の方向へ全力ダッシュをする。



「そこは対策出来てねえじゃねか!」

 岩谷は瞬時にツッコむ

「うるさい! 私だって何でもは出来ないわよ、あなたたち、そいつらを足止めしなさい!」

 そう言い終わるとセイガは全力で湖の方へ向かう。


「僕が追う! 君たちはセイガの部下を頼んだ!」

 ウィルメリアはセイガの後を追って行く。


 セイガの部下はセイガを追うウィルメリアをスルーし、仕方なさそうに俺たちと対峙する。


「まあ、そのなんだ、負け試合だけど、気にすんな」

 岩谷の言葉と同時に戦いは始まる。


 

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回はタオンが再登場した回になりました。運悪く彼女に遭遇したせいでセイガに正体がバレてしまいました。

次回からは本格的にセイガ戦が繰り広げられます。お楽しみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想など是非よろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterもやっているのでそちらもよろしくお願いします。作品に関わる情報を提供するかもしれません。作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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