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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part1.氷結王子エステイト]
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地下水路

タオンに見つかった岩谷たち、この困難(?)をどう乗り越えるのか⁉

 キングバック53話「地下水路」



 少女がキングバックを出して襲い掛かってくる。

 そのキングバックは青い身体で白い渦潮が浮き出たような模様を持つ容姿であり、両手にはこれまた渦潮のように捻じれ巻いた形の斧が握られている。


「いっくぜー! クロス・グリード・X」

 少女はそのいかにもな名前を大きく叫ぶ。


「な、名前⁉ クロスとXは意味被っているだろ!」


 スティーブはそう言いながらサーセイバーを出し、斧を構えて襲って来るクロス・グリード・Xを一瞬で斬り倒す。


「うぎゃああぁぁー」

 少女は叫び、その場に倒れる。



「……案外あっけなかったな」

 岩谷は倒れた少女のほっぺをツンツンする。


「全くもってキングバック初心者だ、ろくに使いこなせていない」

「へぇ、意外と他のウォーターナイトも大したことなかったりして」

 岩谷は笑みを浮かべる。


「そ、そんなことはありません、ウォーターナイトは本来選ばれた者しかなれないはずです」

 ギースがそう言う。


「うーん、どうしようか? この子」

 岩谷は少女に軽くデコピンをする。


「う⁉ うぅ」

 少女は気絶し眠っている。


「放っておこう、連れて行くと目立つ」

「そうか、なんか情報聞けるかと思ったんだけどな」



「おい! こっちが騒がしいぞ!」

 すると、俺たちを探し、街中を巡回していた兵士たちが騒ぎを嗅ぎつけてやって来る。



「囲まれる前に抜けるぞ!」

 スティーブがそう言い、俺たちはその場から離れる。



 しかし、ギース達非戦闘員を連れて兵士たちを撒くことは難しく、俺たちはどんどん追い詰められていった。


「はぁはぁ、もう私はダメです、皆さん先に行って下さい」

 ギースの奥さんは息切れを起こす。


「ダメだ! ここであんたを置いていったら助けた意味がない!」

「仕方ないな、ほら、僕のスナッチズ&ウォーカーに捕まって」

 クラスチェはスナッチズ&ウォーカーを出し、奥さんを背負う。


「ナイスだクラスチェ! このまま逃げよう!」



 しかし、ギースの友人宅まであと少しと言う所でその先の道を兵士たちが塞ぐ。

「仕方ない、迂回しよう」

 スティーブが裏路地を曲がるように言う。


「そ、それが……確かこの先は行き止まりです」

 ギースは冷や汗を流し焦った様子で語る。


「な、何⁉」

「ちっ、仕方ねえ行き止まりで敵を迎え撃つか!」

 岩谷は手を握り指をポキポキと鳴らす。


「あーもう、最悪だ、こういうダーティーなのは僕の分野じゃないのに!」

 クラスチェは嫌そうな顔をする。

「お前も戦うんだよ、クラスチェ!」

「はぁ~」

 クラスチェは大きなため息をつく。


 そして俺たちは行き止まりに辿り着く。



「こっちに逃げたぞ!」

「へへ、馬鹿め、この先は行き止まりだ」

 兵士の声が遠くから聞こえる。

 恐らくあと十数秒もしたら兵士たちはこの行き止まりに到着するだろうと思ったその時。


「こっちだ! 早く来い!」


 行き止まりの端に溢れるゴミの山を押しのけ、地面のタイルが持ち上げられる。

 そこからは持ち上げられたタイルがあった場所から30代前後の男性の上半身が出て来る。


 俺たちは男性の素性を聞く間もなく従い、男が出て来たタイルの入り口に入る。

 男性は俺たち全員が入ったのを確認すると、最後にタイルを元のように戻しながら中に入って行く。


「な⁉ 奴らはどこだ!」

 ゴミがタイルを隠し、兵士たちは俺たちを完全に俺たちを見失う。

 こうして、俺たちは突然現れた謎の男性により、難を逃れたのだった。



 男性はランタンを手にし、その明かりを自分の顔に近づけ顔がハッキリと分かるようにする。

「久しぶりだなギース」

「ゼ、ゼドじゃないか!」

 ギースは男の顔を見ると笑みを浮かべる。


「静かに! まだ上には奴らがいる。場所を変えよう」

 ゼドはそう言うと、無言で俺たちを案内する。


 入り組んだ地下水路をしばらく進むとゼドは立ち止まり、近くに隠してあった少し汚い棒を手に取ると、地下水路の天井をトントンと押す。

 すると、天井のタイルが浮き上がり、その先からは光が漏れる。


「この先は俺の家だ」

 そう一言言うと、ゼドは棒使って何かを引っ掛けると、ゼドの家の先からロープが降りてくる。


 ゼドはそれをよじ登っていき、さらに梯子を降ろす。

「上がって来い」


 ゼドの助けもあり、俺たちは無事、ギースの友人ゼドの家に到着した。




「ありがとうございます。ゼドさん」

 スティーブはゼドにお礼をする。


「礼はいい、あんたたちの騒ぎは俺も見ていた。ギースたちを守ってくれことは知っている。だから、礼はいい」

「いえ、そんな、それにしても凄い手際の良さですねゼドさん」

 興味ありげにスティーブはゼドに聞く。すると、ゼドは少し答えにくそうに答える。 


「……俺は元レジスタンスだ」

「そ、そうなんですか!」

「……色々あって今は違うがな」

 ゼドは何か意味ありげな表情をする。


「スティーブさん、その話はその辺で」

 ギースがゼドの詮索はよして欲しいとばかりに止めに入る。


「……今お茶を入れる」

 そう言うと、ゼドは奥の方へ行ってしまった。



「スティーブさん、ゼドは過去に色々あったんです、あまり聞かないであげて欲しい」

「分かった、そのようにするよ」


「出来たぞ」

 お茶を持ったゼドが戻ってくる。


 一時はどうなるかと思われた潜入だが、ゼドによって岩谷たちは安心感のある夜を過ごすことが出来た。



 一方その頃兵士の基地にて


「ご、ご報告します、路地裏に逃げた反逆者及び侵入者は一晩中探しても見つけることは叶いませんでした!」

 一人の兵士は岩谷を見つけられなかったことを報告する。


「あーあ、これだから男はダメなのよ」

 金髪に黄色いドレスのような派手な格好改造した制服を着た少女は呆れた様子で首を振る。


「エルフェ、それはエステイト様に失礼よ」

 制服をしっかりと着こなした黒髪ショートヘアーな少女は無表情で言う。


「ごめんなさーい、エステイト様! エステイト様()()は特別ですわ」

「エルフェ、僕は気していないから大丈夫だよ」

 エステイトと呼ばれる青年はキレイな青髪で顔の上半分を覆う仮面が特徴的で中性的な声だ。


「やーん、エステイト様、優しい!」

 金髪の少女は猫撫で声でエステイトに引っ付く。


「こら、人の前だ、やめなさい」

「わーかりまーした」

 金髪の少女は名残惜しく離れる。


「報告は以上だね」

「は、はい!」

「なら下がっていいよ」

 エステイトは兵士に下がるように言う。


 兵士は部屋を出て行く。


「ちっ、男でキングバックを使えるからってすましやがって、クソが!」

 部屋を出た所で兵士は小言で悪口を呟く。


「おい、今のはどういうことだ?」

 すると、兵士の後ろには大柄の長身の美女が立っており、兵士を軽々しく持ち上げる。

「ひぃ、す、すみません、ノレド様!」

「謝るのはエステイト様にだろうが!」

 大柄の美女ノレドはそのまま兵士を投げ飛ばす。

「ぎゃーん」


 床にピクピクして倒れている兵士を無視し、何もなかったようにノレドは部屋に入っていく。


「首尾は?」

「情報は粗方集め終わりました、エステイト様」

「そう、なら僕たちが出ようか」


 青年エステイトは三人の部下を連れ基地を出る。



このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回は新キャラが多く登場しました。

ここからはバトルも増えて行くので楽しみにしていてください。


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想など是非ともよろしくお願いいたします。

クオリティがアップすること間違いなしです。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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