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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part1.氷結王子エステイト]
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見方によって世界とは美しくも、醜くもなる

水の国に侵入することになった岩谷たち。

美しく栄えるその国は見た目どうりか?

それとも……

 キングバック50話「見方によって世界とは美しくも、醜くもなる」



 俺たちは水の国の国境付近に来ていた。


 そして、あの後さらに続いたクラスチェ講義を思い出す。


「いいですか? 基本的に潜入に慣れた僕の指示に従うんですよ!」

「……」

「返事は⁉」

「分かった」

 岩谷は明らかに嫌そうな顔で了承する。


「それと、僕は一応商人ということになっていますので、その助手としておかしくない態度を取って下さい」

「んなこたぁ、わかってるよ!」

 岩谷はめんどくさそうに頭をかく。


「仕草はともかく喋らせたらボロが出そうですね、基本無口なキャラでいてください」

「おう」

「あと、化粧も厚盛で、表情が変わらないように固定してしまいましょう!」

 クラスチェはニコニコで化粧道具を取り出す。


「なんか俺着せ替え人形みたいになってないか⁉」

「……大丈夫だ、問題ない」

 スティーブは優しい顔でそう言った。


「本当か⁉ その言葉!」




 こうして俺たちは水の国の入国審査までこぎつける。

 馬に荷台を運ばせ、いかにも行商人といった風貌で審査を受ける。



「ふうん、行商人か、パスポートは?」

 検問兵士がクラスチェに話しかける。


「もちろん、用意しております。ご確認ください」


 クラスチェは落ち着いた様子で兵士にパスポートを渡す。

 メイクと落ち着いた物腰でとても18歳とは見えない。プラス10歳は上に見える。


「(さすがプロだな)」

 そう感心している内に会話が進んでいく。


「目的は?」

「もちろん商売です。いや最近砂の国や木の国が建て続けに負けたでしょう? 復興には物資が必要不可欠です」

「なるほどね、だから資源が豊富なうちに用があるってわけだ」

「ええ、この隙に一儲けしようと思いましてね、おっとこの国の商人には内緒ですよ?」

 そう言い終えると、クラスチェはこっそりと兵士に銀貨を手渡す。


「ははっ、欲深い奴だ」

 明らかに機嫌が良くなった兵士は俺たちや荷物のチェックを軽く済ませて、通してくれる。


「(うまい、こういう閉鎖された国の人間は給料が安く、世間に疎い。そこを利用し、興味が湧く話題と金を掴ませ、気を逸らすのと、チェックを緩くさせるのを同時にこなしている)」

 スティーブはクラスチェの手際の良さに感心した。


 クラスチェの手腕のおかげで無事に水の国の侵入に成功する。



 検問所を越え、俺は水の国を見渡す。


 そこは白を基調とした綺麗な建物に街の中を流れる水質の良い川、そのどれをとっても美しい。

 街も大きく栄えており、とても鎖国を貫くとは思えないほど豊だ。

 街の人々が笑顔で暮らす様子が垣間見え、どの国よりも良い国、俺の目からは確かにそう見えた。


 何の前情報がない状態だとこの国は美しく素晴らしい国と言う印象で終わっていただろう。


 そうこの国が美しいのは表側のみ。


 裏には業の深い一人の人間によって支配された国、別名、醜美鎖国水都アルファラス、裏ではそう言われているのだそうだ。



 アルファラス、これはこの国のリーダーの名だ。

 支配が徹底しており、その支配欲から裏では奴の名(イコール)この国のことを指すらしい。




 さらに馬車の中でクラスチェの言っていたことを思い出す。

「まず、向こうに行ったら気を付けないといけないことがあるから今言うね」

「おう」


「アルファラス内では喋ってはいけないNGワードが存在する」

「NGワード? それを言ったらどうなるんだ?」


「僕たちが侵入していることが恐らくバレる」

「はあ⁉ どういうことだ?」


「僕も詳しい原理は知らないけど街全体を常に盗聴している」

「なんじゃそりゃ!」

「謀反を防ぐためか」

 スティーブは苦い顔をして言う。


「そうだよ、徹底的に逆らう奴を潰して回っているんだ」

「なんだよそれ! プライバシーもあったもんじゃねえな」

「ないよ、あの国はない」

 クラスチェは真面目な顔で答える。


「そ、そうか……」

 急なクラスチェの真面目な表情に俺は思わず、戸惑ってしまう。


「以前調査で半年住んでいたことがあったけど正直、どの国よりも息苦しい所だよ」

「それで、具体的にそのNGワードってのはなんなんだ?」

 スティーブがクラスチェに聞く。


「まず一つ目はアルファラスに対する不満や悪口全般だ」

「広くねえか⁉」

 俺は思わずツッコむ。


「ああ正直これがかなりキツイ、だから向こうなら安易にアルファラスの名自体を言わないこと、うっかり流れで悪口を言ってしまうからね」

「それで、二つ目は?」


「うん、これは気を付けていれば問題ないよ、それは予防接種のことさ」

「予防接種? なんでそれがNGワードなんだ?」

 突然出て来た予防接種と言うNGワードにならなさそうな単語に俺は強い疑問を持つ。



「いや予防接種それ自体はNGワードではないよ、ただ街で行われる予防接種への否定的意見や、その中身について触れることはNGだ」

「随分と限定的だな」

「だからこれは気を付けていれば問題ない」

「だが、その予防接種、どうもきな臭いな」

 スティーブが顔をしかめる。



「……そうだね、向こうに行ったら言えなくなるんだ、今の内に言っておくよ」

「ああ、頼む」


「アルファラスの国民は病気が流行らないようにほとんどの国民に幼いうちに予防接種を受けさせるんだ」

「ほう、いいじゃねえか、なんでその予防接種がNGワードに繋がるんだ?」

 俺は話が見えなくなり、疑問を問う。


「アハハ! そんなもの建前だよ」

 クラスチェは小馬鹿にした様子で笑う。


「何⁉ どういう意味だ?」


「その中身は全く別物、これが国民全てを支配するキーになっているんだよ」



このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

これからドンドン醜美鎖国水都アルファラス編が進行していきます。

それと並行して序盤を読みやすくリメイクしていくつもりです。(忙しい!)

内容に関しては一切変わりなく、新規の方向けなので無理して読んでいただく必要はございません。

それと一日のPVが最近急に増えて来ました。原因は分かりませんが、面白いと思う方が増えたのはいいことです。これからもよろしくお願いします。


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

是非ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterも細々とやっているのでそちらもよろしくです。作者名で検索したら出て来るはずです。

どちらにせよ、次回でお会いできるのを楽しみにしております。

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