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キングバック   作者: 君子な在る虎
王蟲森林大戦編 ~若輩の女王と燃羽の仮面~
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拾われた者

岩谷のクリサリスストーンズの正体、そしてユニコーンとは何者なのか?

 キングバック47話「拾われた者」



「岩谷、あなたのはキングバックじゃあないんですもの」


「は、はあぁぁぁぁぁぁぁ⁉」

 俺は衝撃の事実に驚きを隠せない。


「それはどういう意味ですか?」

 スティーブはローキットに疑問を問う。


「そのままの意味よ、ヲイルッツァーはそっちの世界へ人間を連れてきて、キングバックの種を植え付け解き放った。その後に岩谷がそちらの世界に向かった。だから岩谷にキングバックが備わることは有り得ない」


「じゃ、じゃあ、俺のクリサリスストーンズは一体何なんだ⁉」

「ああ、それは私の分身よ」

 ローキットはあっさりと事実を語る。


「お前ぇのかよ!」

「当たり前じゃない、丸腰でそっちに行かせるほど無謀なことしないわよ」

「だったらもっと早く言っといてくれよ……」

 岩谷は困った表情をする。


「ダメダメ、今のあなただからこの事実を告げても素直に受け止めるけど、もっと前なら「お前の力なんざ借りるか!」とか言いそうでしょ」

 さすがローキットは岩谷の性格を見抜いている。


「あー言いそうね」

「治なら言いそうだな」

 カレンやスティーブたちはうんうんと頷く。


「う、うぐっ、ま、まあ確かにそうかもしれないけどさぁ」

「ということで岩谷、あなたはその仮面の能力は使えないわ」

「ちっ、仕方ねえな」


「その仮面はとりあえずスティーブが持ってなさい」

「何故俺が? も、もしかして俺のサーセイバーが強力になると言うことですか?」

 スティーブは少し嬉しそうな表情をする。


「あーごめんなさい、私にもそこまでは分からないの」

 ローキットは気まずそうに謝る。

「そ、そうですか……」

 スティーブはあからさまにガッカリした様子だ。


「スティーブ、あなたに任せようと思った理由は大型タイプだと、オリジン化して暴走したとき、周りに対する被害が大きいからよ」

「な、なるほど、分かりました」

「まあ、それに小型の方が暴走する可能性が少ないし、オリジン化してどうなるかは分からないけど、個人的にスティーブならその力を使いこなせそうだしね」

 ローキットはスティーブをフォローする。


「ありがとうございます。ローキット様」


「でもよ、ローキットでもわからないオリジン化先のことを知っているユニコーンって一体何者だ?」

 俺はユニコーンのことが何者なのか物凄く気になった。


「私も何者かはさっぱり」

 女王は首を傾げる。


「やっぱり、こっちの世界の観測者、ヲイルッツァーって奴か!」

 今思いたる存在がヲイルッツァーしかないと俺は考えるが


「その可能性は低いと私は考えている」

 ローキットははっきりとその可能性を否定する。


「何故そう思うのです?」

「ヲイルッツァーでもオリジン化先は分からないはずだからよ」

「マジか!」


「それだけじゃない、私はそっちの世界全体を大雑把だけど常に監視している。個々の判別は付かないが、人間かそうでないかくらいは分かる。いくら姿形を変えようとも観測者自身が動き回っていては私が気付く。向こうも私が監視しているのは認知しているはずだからね」


「ということは人間の協力者がいるってことか」

「おそらくそうだろう。それがユニコーン、オリジン化さえも見抜く男か」

 スティーブ、眉をひそめる。


「そういえば僕が戦った人がユニコーンの名前を出していました」

 参加していたユラジオが有力情報を提供する。


「それは黒いスーツを着た男か?」

 ホルンがユラジオに確認を取る。


「はい、その人だと思います」

「マシューは最近怪しい行動が多かった。お前たちとの戦い中も勝手な行動を取っていたから、今は牢に入っている……そうか、マシューが内通者だったか」

 ホルンは少し悲しそうな表情をする。


「悪いが、連れてきてもらえるか?」

「ああ、分かった」




 そして10分後木の国の兵たちに連れられ、縄で縛られたマシューが俺たちの前にやって来る。

「はっ、殺し損ねたクソどもがいっぱいいるじゃねえか」

 マシューは縄に縛られながらも敵意を剥き出しにしてこっちを睨む。


「お前がマシューだな」

 スティーブはマシューを睨む。

「だったらなんだよ、あぁ!」

 マシューはひるまず睨み返す。


「単刀直入に聞く、ユニコーンとは一体何者だ」

「……んなこと言えるわけねーだろ、クソが!」

「何故だ? 何故彼に協力する?」

 スティーブが諦めずに問い詰める。


「だ、か、ら、言えるわけないっつってんだろ!」


「……彼が今何をしようとしているか分かっているのか! ユニコーンの行為は俺たちだけじゃない、お前を含む人間全てが生きることの否定に繋がる。そこまで分かって加担しているのか!」

 スティーブがマシューから吐かせようと、揺さぶりをかける。


「く、くくく」

 マシューが突然笑い始める。


「何が可笑しい?」

 スティーブは眉をひそめる。


「てめえは何も分かっていない」

「なに?」

「俺みたいな日陰者にとってあの人は光だ! お前たちのような表道を歩いてきた奴には分からねえよ! 生きることを否定されて来た俺に手を差し伸べてくれたのはあの人だ! 俺の価値を認めてくれた人を裏切ることは出来ねえ! たとえその先が破滅だとしてもなぁ!」

 すると、マシューはマッシュサイドを出現させる。


「やるか!」

 スティーブは身構える。


 だが、マッシュサイドはスティーブへ攻撃する素振りは一切なく、刀でマシュー自身の首の頸動脈を切る。

 そしてマシューの首から大量の血が噴き出る。



「おい! 何をしている!」

「マシュー! 俺が今助ける!」

 ホルンはマシューに近づこうとする。

 しかし、マッシュサイドは刀を向け、威嚇する。



「来るなホルン! これが俺の覚悟だ!」

「おい、マシュー、嘘だろ、お前は口は悪くても根は優しい俺たちの仲間だろ?」

 ホルンは悲しい顔でマシューを見る。


「はあはあ、ホルン、先輩、あんたはいつも一人の俺にかまって来て、正直鬱陶しかったぜ」

「マシュー……」


「はあはあ、俺の居場所を作らないで欲しかったぜ、決心が揺らぐからよ……じゃあな、ホルン、せん、ぱ……」

 マシューは喋らなくなる。


「すまん、俺が問い詰めたせいだ」

 スティーブが申し訳なさそうな表情でホルンに謝る。

「……気にするな」



 俺たちの雰囲気は一気に最悪のものに変わってしまった。



 すると、突然俺たちの目の前に、置時計の模様の仮面を付けた男、ユニコーンが出現する。

「悲しいムード中失礼しまーす」

 

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

最近はバトル回が少なく、情報を与える回が続いてしまっています。

ですが、もうしばらくこの感じが続きます、ご了承ください。

次々回、明後日の投稿から新章が始まります。

新章のタイトルは


醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~


に決定しました。

新章がどのような話になっていくか、楽しみにしていてください。


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

是非ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のモチベに繋がり、クオリティがアップするかもしれません。

ブックマークなど関係なく、皆様今後ともよろしくお願いいたします。

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