キングバックの正体
クイーンレイピア・オリジンとの戦いを終えた岩谷たち、彼らは木の国の面々と対面するがそのとき、重要な真実を知る。
キングバック46話「キングバックの正体」
二日後、俺たちは木の国の面々と対面する。
女王は泣くてはいないが、それでも不貞腐れたような様子だ。
「ま、まあ、お互い落ち着いたことですし、今後のことをお話しましょう」
スティーブが話を展開する。
すると、女王はさすがに諦めがついたのか、ため息をしたのちに話始める。
「はあ、分かったわ、さすがにこれ以上拗ねられないわね、私たちの負けよ、勝敗をひっくり返す切り札も使ってこの結果だもの、素直に認めるしかないわね」
「それだ、そのあんた達の切り札って言うか、あの仮面は一体何なんだ?」
俺はずっと気になっていた仮面について問う。
「そうね、その辺りも出来る限り説明もするし、なんならこの仮面もあげるから、私たちの処遇は穏便に済ませて欲しいものね」
女王はそう言うと仮面を俺たちに見せる。
そして俺は意見を伺うようにスティーブを見る。
「そうだな、元からあなたたち木の国を倒したとて、必要以上のことはしないつもりだったが、それであなたのメンツ保たれるのなら、その仮面戴こう」
「ええ、それでいいわ」
女王は了承する。
「交渉成立ということで、お話いただけるかな?」
「そうね、まずこの仮面についてだけど、実はあそこで使ったのが最初だったのよ、だから詳しく知っているかと言われればノーよ」
「なんだよ、それじゃあ俺たちとあんまり変わんねじゃねえか」
「ええ、だけどこの仮面を渡してきた人物が言っていたことがある」
「なんだそれは?」
「この仮面はキングバックの隠された力を引き出すものだって言っていた。何故引き出せるのかは分からないけど」
「……」
――とりあえずローキットにも聞いておくか。
ローキット! 聞こえているか?
――ええ聞こえてるけど、どうしたの?
俺の応答にすぐにローキットは応える。
――だったら、この仮面のこと知ってること教えてくれよ。
――そうね、よしちょっと待っててね、繋ぐから。
「もしもーし、皆さん聞こえてますか?」
ローキット声が俺の脳内に聞こえているが、俺以外その場に居合わせた者たちは突然の声にとてつもなく驚いている。
「い、一体何!」
「な、なんだこの声は!」
その中でも、女王とホルンが最も驚いている。
それもそのはず、木の国の面々はそもそもこの世界の仕組み自体聞かされていないのだから当たり前と言えば当たり前だ。
「あー、説明すると長くなるから、とりあえず、俺たちの協力者の色々詳しい凄い奴ってことで!」
俺はローキットが長くこちらと会話出来ないことから適当に説明する。
「随分と大雑把な紹介だな」
ホルンが顔をしかめる。
「敵ではないのよね?」
女王は少し心配した様子だ。
「ああ、少しウザいけど、敵じゃない」
「ウザいは余計じゃない?」
「うるせえ! ウザいの事実だろうが!」
「二人ともその辺にして、ローキットさん、わざわざ来てくださったのです、説明してくださるのでしょう?」
スティーブがすかさず俺とローキットの間に入り、話を進める。
「ええ、木の国が落ちたことで、話せる時間が増えたけど今回は人数も多いしね、手短にいくわ」
「お願いします」
「まずその仮面自体には大した価値はないわ」
「え! そうなのか?」
「ええ、実際に価値があるのはその仮面の目に埋め込まれている石の方、あくまで仮面はその補助に過ぎないわ」
「こっちが本体か」
岩谷は仮面の石を指で軽くつつく。
「そしてその石、十中八九私とほぼ同じ成分で出来ているものよ」
「おいおい、それってことは」
岩谷はあることを想像し顔を青くする。
「そう岩谷の想像どうり、そっちの世界の観測者の身体の一部よ」
「ちょっと待て、そっちの世界? 話が見えてないんだが」
ホルンは脳内が混乱した様子だが、時間がないため、俺は話を強引に進ませる。
「今お前に説明している時間はない。読者もさっさと進めろ! って思ってるんだから」
「ど、読、者?」
うん、ホルンは放置しておこう。
「でも、何故? 観測者の身体の一部がキングバックの隠された力を引き出すのです?」
まさか、スティーブまでもホルンを放置し、話を進め始める。
「簡単よ、キングバックという存在はそもそもそっちの世界の観測者、名をヲイルッツァー・エイデン、彼が作った分身だからよ」
「な⁉」
ホルンたち木の国は置いて、岩谷たちは突然の真実にショックを受ける。
「俺のサーセイバーが観測者、それも敵の分身だと⁉」
「俺のドラゴンファクトリーもそうだというのか」
「ええ、何故こんな大規模な真似をしたのかは分からないけど、彼の分身であることに変わりはないわ」
「敵の分身を使って何故我々は戦うことが出来るのでしょう?」
スティーブは不安そうな表情で問う。
「それはキングバックの元となる種のような物を植え付けて後は放置したからよ、だから成分こそ、彼と同じだけど、あなた達と共に成長したキングバックは既にあなたの物になっている。そこは安心していいわ」
「そうですか、少し思う所はありますが、それなら安心しました」
スティーブは安心したように胸をなでおろす。
「つまり、我々のキングバックはこちらの観測者から生まれた。だからその観測者の身体の欠片を使うことで、一時的にパワーアップ出来ると?」
「そういうこと、呑み込みが早いわね、ドラゴン」
「恐縮です」
「でも正確にはパワーアップするというより、元に戻ると言った方が正確ね」
「どういうことだ?」
「その欠片を使うことで、祖である、観測者に近づく、つまり原点回帰しているのよ、そしてこれをオリジン化と呼ぶ」
「なるほど」
「ええと、まだよく分かってないのですが、この仮面を渡して来た男は振れ幅があると言っていました、それは一体?」
女王は何とか話について来ている。
「おそらくキングバックにも個人差があるのでしょう、あなたのクイーンレイピアが何倍にも強力になったように」
「へえー、なら俺が使ったらどうなるのかな? これ?」
岩谷は少し子供のように無邪気な表情で仮面を手に取り掲げる。
「ああ、岩谷、あなたには使っても効果はありませんよ」
「は⁉ なんで?」
「だって、あなたのはキングバックじゃあないんですもの」
「は、はあぁぁぁぁぁぁぁ⁉」
――じゃあ、お、俺って一体なんなん?
このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。
今回はキングバックの正体という事でしたが、スティーブたちが使っていたキングバックは敵の分身という衝撃の事実がわかりました。
じゃあ、岩谷は何なのか? それは次回をお楽しみに!
次回は月曜日の投稿になります。今後もよろしくお願いします。
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これらを行ってもらうと、モチベが上がり、作者がゲームの世界から帰還いたします。
「勝手に帰還しろ!」
ええ、そうですね、でも作者は色々な物に追われ現実を逃避したくなってしまうのです。
失礼しました、では今日はこの辺で次回お会いできるのを楽しみにしております。




