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キングバック   作者: 君子な在る虎
王蟲森林大戦編 ~若輩の女王と燃羽の仮面~
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最後は一撃で

岩谷らしい奇策がクイーンレイピア・オリジンを襲う。

 キングバック45話「最後は一撃で」



 クイーンレイピア・Oの腹部を攻撃したタンザナイトバタフライ、攻撃によってハチの巣は腹から離れ、真下のクモの巣まで落ちる。

 この状況を望んで作った岩谷、ハチの巣を何故投下させたのか。

 それは今から分かる。



「ハハハハハ、そのハチの巣貰ったぁ!」

 岩谷は嬉しそうに声を上げる。


 そして完全にハチの巣はクモの巣がある地面に落ちる。


 木にナイフで設置していたことで若干地面から浮いていたクモの巣は落ちて来たハチの巣の重量に耐えきれずにハチの巣と地面にサンドイッチにされる。


 木に刺さっていたナイフは重さで引っ張られ一気に抜ける。


 ハチの巣を覆うほどの大きいクモの巣を作り、見事そこにハチの巣を落とすまでは良かったが、これではただ下敷きになっただけである。


 このままではハチたちが出現し、岩谷たちの物語はそこで終わりを迎えるだろう。



 しかし、この現象に意味を持たせるは岩谷、無意味なことはしない男である。


「二段構えだ!」

 そう岩谷が叫ぶと、ちょうどクモの巣とハチの巣の真下の地面から、突然大量のレンガ次々と出現する。

 このレンガはクリサリスストーンズの物とそっくりだ。


 レンガたちはクモの巣を下から大きく包むように動き、ハチたちが巣から旅立つよりも先に、レンガで包み上げる。

 クモの巣はレンガとハチの巣とハチたちとの接着剤の役目を果たす。


 こうして、中身はハチの巣とハチ、その周りにクモの巣が接着剤として覆い、さらにその上をレンガで密封する巨大な団子が完成した。



「な、何これ⁉」

 女王は突然出来上がった巨大な玉に驚きを隠しきれない。


 タンザナイトバタフライは地上に降りると、地面に向かって手を伸ばす。

「奴は何をする気だ!」

 ホルンは以前警戒を続ける。


 タンザナイトバタフライはゴソゴソと地面をまさぐる。


 すると何かを見つけたような感じでその手はまるで何かを掴んでいるである。

「なんだ?」

「ああ、これか? これはノールが作った透明の糸だ。そしてこの糸の続く先はお察しくださいよ」

 タンザナイトバタフライは強くその糸を引っ張る。


 透明の糸は凄まじい強度で、全く切れる様子はなく、巨大な玉はズズっとタンザナイトバタフライの方へ引きずられ始める。


「なんて強度の糸よ! だけど、あの蝶にいったいどこにそんな力があるって言うの?」

「光の一閃か」

 女王は狼狽しているが、代わりにホルンが冷静に分析する。


「ご名答、タンザナイトバタフライは光の一閃によって一時的にパワーが急上昇する。さあ、そろそろフィナーレと行こうか!」

 タンザナイトバタフライは一気に糸を引く。

 巨大な玉は飛び出すように地面から離れ、タンザナイトバタフライの元に行く。

 タンザナイトバタフライは糸を頭の上まで持ち上げたことで飛んで来た玉はタンザナイトバタフライの頭上に向かう。


 そして糸を掴んだ手を頭上でまるでカウボーイが野獣をロープで捕まえるようにぐるぐると回す。

 巨大な玉はタンザナイトバタフライの上で凄まじい遠心力を生み出しながら回転し始める。

 どんどん回転の勢いが強くなったところでタンザナイトバタフライはクイーンレイピア・Oの方を向く。


「飛んで逝けやあぁぁぁ!」

 岩谷の掛け声と共にタンザナイトバタフライは掴んだ糸をクイーンレイピア・Oに向かって放す。



「リリィ! 超音波で防御しろぉ!」

 ホルンは女王に向かって叫ぶ。


「ええ!(最後は攻撃に使うつもりだったけど、仕方ない! 力を振り絞って放つわ!)」

 クイーンレイピア・Oはボロボロの翅で最後の超音波を発射する。


 発射された超音波は見事クイーンレイピア・Oに向かって飛んでくる玉に命中する。

 玉の表面のレンガが粉砕され、その欠片が空中で舞う。


「や、やったわ!」

 女王はぱあっとした笑顔で喜ぶ。


「いや、俺たちの負けだ」

 ホルンは悔しそうな表情で顔を背ける。


「へ?」

 女王は間抜けな表情で巨大な玉の方を見ると、レンガが剥がれた状態の玉が勢いを殺さず、向かって来ていた。


「な、なんでよぉぉぉぉぉぉ!」

 女王は悲鳴のような声で叫ぶ。


「理由は簡単だ、なんで俺がハチを利用したかったかわかるか? それはお前のハチが超音波に対して耐性を持っていたからだ」


 そう二回目の巣の投下の際、太陽圧力(サンプレス)から巣を守るため、クイーンレイピア・Oは自分の巣に超音波を当て、落下軌道をずらした。


 だが、その後形の崩れた巣から出現したハチたちは超音波を受けた後でもピンピンしていた。

 このことから、岩谷はハチに超音波耐性があると考え付いたのである。



 これ以上の防御策を持っていないクイーンレイピア・Oに飛んでいった巨大な玉は直撃する。

 そのまま玉と共に吹き飛んで行き、最終的には巨大な玉の下敷きになってしまった。

 ここから復活することはさすがに不可能である。



「あ、ああぁ負けちゃった、うぅ、私まけちゃったよぉ」

 女王はその場に泣き崩れる。


「俺たちの負けか」

 ホルンは女王と違い、結果を受け入れた様子である。



「……」

 ――これでまた一つこの世界が終わりへと近づいて行く。



 その日の戦争は女王の負けにより、太陽の国の勝利で終わった。


 女王が負けたことで、木の国の兵は戦意を失い、これ以上の戦いが起こることはなかった。大きく疲弊した俺たちは一旦その日はセンドウに帰ることとなる。




このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

とうとうクイーンレイピア・オリジンを倒しましたね、相手のハチたちを利用した一撃、実に岩谷らしい戦法だと思います。

この後、王蟲森林大戦編はエピローグ的な内容がもう少し続きます。

作者の都合により、明日明後日(水曜日木曜日)はお休みさせていただきます。

来週からは新たな章に突入するのでお楽しみに!


いつも見て下さっている皆様にお願いがあります。

是非ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします。作者のモチベーションに繋がります。

既に行って下さっている方はありがとうございます。

Twitterも行っておりますので、作者の名で検索すると出て来ると思うのでそちらもよろしくお願いします。

いつも読んでくださる皆様、次回でお会いできるのを楽しみにしております。

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