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キングバック   作者: 君子な在る虎
王蟲森林大戦編 ~若輩の女王と燃羽の仮面~
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数の力

クイーンレイピア・オリジンの腹の下に巨大なハチの巣のような物が生える。

この歪な姿に岩谷たちは恐怖感を抱く。

 キングバック42話「数の力」



「うふふ、最強のキングバックとは何か今教えてあげる」

 

 腹から下に生えるハチの巣はどんどん肥大化する。

 重みに耐えられなくなったのか、クイーンレイピア・Oの腹の下に付いたハチの巣のような物が、切り離され、地面に落ちた。


 落ちたハチの巣はぐしゃっと形が崩れる。

 ただ見た目がハチの巣の物を作ったのだけでは芸がない。もちろん、その中からは30cm程度の蜂が大量に湧き出て来る。


「おいおい、これ結構ヤバいんじゃないか?」

「ああ、パッと見ただけで、100以上はあるな」

 ドラゴンは苦笑いをする。

「も、もしかして、あれ全部キングバックじゃないでしょうね」

「そうじゃないと嬉しいが、こういうときって一番最悪のケースだったりするんだよなぁ」

「無駄口叩いてないで、とにかく数減らせ」

 スティーブのサーセイバーは迫りくる蜂を相手にし、次々と切り伏せる。


「スクラップエンド! ってあんまり巻き込めなかった、クソ」

 ドラゴンのドラゴンファクトリーがスクラップエンドで蜂を巻き込み攻撃をするが、蜂はすり抜けてあまり多くは巻き込めなかった。


「大型タイプではこのサイズの蜂共を相手するのは非効率のようですね、それよりもあっちをお願いします」

 スティーブはクイーンレイピア・Oを指さす。


「ああ、分かった、行くぞ、カレン、岩谷」

「ええ」「分かった」


「ユラジオ、ティッカロ、ノールお前たちもこっちに集まれ、でないとサーセイバーはお前たちを守れない」


 岩谷たち能力者は一か所に集まり、迫りくる蜂たちをサーセイバーとユラジオのムーブ・Re・マーブルが何とか応戦する。

 ティッカロとノールもサーセイバーを援護しているが、蜂の猛攻をなんとか抑えるのが精一杯だった。


「ちっ、あの小型剣士なかなかやるわね」

 女王はサーセイバーの攻撃速度と精度に舌打ちをする。


「よそ見してんじゃねえよ、お前の相手は俺たちだ!」

 クリサリスストーンズたちはクイーンレイピア・Oに再び戦いを挑む。

 そのときのクイーンレイピア・Oの帽子についているオブジェである羽は1/3ほど燃え尽きていた。


「ふん、数が足りないのなら第2波を用意すれば問題ないわ」

 すると、クイーンレイピア・Oの腹から下にまた新たなハチの巣が生成され始める。



「第2波はマズイ、これ以上出される前に倒せ、治!」

「ああ、分かってる」

 クリサリスストーンズはクイーンレイピア・Oに殴りかかるが空を飛び、軽く攻撃を避ける。空振った拳は近くにあった木をなぎ倒す。

「アハハ、何処狙ってんのよ、この鈍間」


「その木貰った、スクラップエンド!」

 ドラゴンファクトリーがクリサリスストーンズがなぎ倒した木を使ってスクラップエンドを発動し、クイーンレイピア・Oを追い詰める。


「邪魔くさい!」

 クイーンレイピア・Oは超音波を発生させ、スクラップエンドで襲い来る木を次々と吹き飛ばす。

「ふん、このくらいでどうにかなると思った?」

 女王は憎たらしく声を上げる。


「でも、強力な超音波の後はしばらく使えないでしょ!」

 女王がスクラップエンドを防いでホッとした瞬間を狙ってクイーンレイピア・Oの背後からホワイトブレイドは飛び斬りかかる。


「な、なによ!」

 クイーンレイピア・Oは咄嗟に振り返りかぎ爪でガードするが、その瞬間ホワイトブレイドは空中で大剣に変形する。


「今よ、ドラゴン!」

「ああ! その片腕で貰った!」

 ドラゴンファクトリーが空中でホワイトブレイドの変形した大剣を掴み、振るい切ると、クイーンレイピア・Oのかぎ爪ごと左腕を切り落とす。

「きゃあああ!」


 地面に着地したドラゴンファクトリーは大剣を手放すと大剣は変形し、元のホワイトブレイドに戻る。


「ふぅ、これでもまだまだ、かかりそうだな」

「ええ」

 カレンは岩谷に目配せする。

 ――ああ、準備は完了だ。


 女王は冷や汗を流す。

「か、片腕を持って行っただけで、誇らないことね、ほらもう第2波の準備が出来たわ! 今だ、投下してやる!」

 成長したハチの巣がクイーンレイピア・Oの腹から切り離されて投下される。



 ――リリィ、その行動は焦りすぎだ!



 今までの一部始終を見ていたホルンは女王リリィが焦りを感じてしまっていることをこれまでの経験により察するが、ホルンの口より先に既にハチの巣が切り離されてしまっていた。


「リリィ! 岩谷が撃って来る!」

「え⁉」

 女王は驚いた表情でホルンを見る。



「ちっ、ホルンにはバレてたか、だがもう遅い、クリサリスストーンズ! 太陽圧力(サンプレス)

 クリサリスストーンズが手を掲げると、疑似太陽から太陽圧力(サンプレス)がハチの巣に目掛けて放たれる。


「超音波をハチの巣に使え!」

 ホルンの大声は辺りに響き、女王は頷く間もなく、クイーンレイピア・Oに命令を下し、超音波はハチの巣を狙い撃つ。


 超音波を受けたハチの巣は少し形を崩しながら軌道を変え、太陽圧力(サンプレス)の直撃を避ける。


 少し掠っただけでハチの巣の半分ほどは消え去ってしまったが地面に落ちたハチの巣からは数こそ減っているものの第1波の時のように、元気にハチが飛び出始める。


「クソ、軌道をずらしやがった」

 これまでの連戦と太陽圧力を使ったしたことによる反動から、クリサリスストーンズはその場に膝を着く。


「大丈夫⁉」

 カレンが俺を心配する。

「脱皮の連続使用に、太陽圧力、正直キツイ、次太陽圧力を使ったら俺はもうリタイヤだ」

「……そう」

「岩谷、少し休んでろ、カレン俺たちで時間を稼ぐ」

「ええ」

「ただし、休むの身体だけだ、岩谷、お前はこの状況を打破する策を考えろ」

「……分かった」


 その時のクイーンレイピア・Oの帽子に付いている羽が2/3ほど燃え尽きていた。



「さっきは上手くやってくれたわね、だけど、そっちもそろそろ限界のようね、うぐっ⁉」

 すると、女王は突然胸を抑え、膝を着く。


「なに? これ?」

「リリィ!」

 ホルンが女王の身を心配する。


「はあはあ、大丈夫、少し疲れただけ、まだいける、私まだいけるわ!」

 女王はしんどそうに、立ち上がる。



 ――向こうもかなり限界が近いということか?

 さっきからハチの巣を使用する度に、帽子の羽の燃え方が大きく進行している。

 これは次のハチの巣がラストだと言うことだろう。


「スティーブ、第3波はどうにか出来そうか?」

「何を言っているんだ! 既にもう限界だ! 次はない」

 現在スティーブは必死にサーセイバーでハチの対応に追われている。

「そうか、わかった」



 ――……冷静に今までのことを考察しろ



 ……そうか! 



 岩谷は何かに気付いた様子だ。

「(治が何かに気付いた、これは案外どうにかもしれないな)」

 岩谷を見たスティーブは微笑む。


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

どんどんクイーンレイピア・オリジンとの戦いが進んで参りました。岩谷は何かに気付いたようですが、ここからどうやってクイーンレイピア・オリジンを倒して行くのでしょうか? 次回をお楽しみに!

面白い、今後の展開が気になる! と思った方はブックマーク、評価、感想などお願いします!

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