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キングバック   作者: 君子な在る虎
王蟲森林大戦編 ~若輩の女王と燃羽の仮面~
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隠し毒

ホルンにボコボコにされているスティーブ。

このまま負けるのか、それとも何か逆転のカードがスティーブにはあるのか?

 キングバック37話「隠し毒」



 スティーブとホルンは互いにタイマンで戦うことを望み、その望みどうり白熱した勝負が繰り広げられた。

 しかし、勝負とはいくら白熱していても、終わりは突然やってくる。


 やはり小型タイプ最強の名を欲しいままにしているだけあり、ホルンのキングバック、グロウシード・スティッキーホルンは強い。


 スティーブは彼の能力を前に為すすべもなく、サーセイバーは左肩を破壊され左脚に種を埋め込まれる。

 しかし、いくら最強といえ、戦いには流れがある。

 勝負は最後まで何があるかわからないものであり、それが面白い。



 

「ぐ、力が抜ける」

 ホルンは跪くスティーブを見下ろす。

「ははは力が溢れてくるぜ、今度こそお前の負けだ、スティーブ」

「ああ、ホルン、お前は本当に強いな」

 スティーブは皮肉も混じらない言葉でホルンを褒める。

「なんだ? 褒めても何にもでねえぞ」

 ホルンはスティーブの心境に違和感を感じる。


「だが、一個でいいのか? 俺はまだ動けるかもしれんぞ、こっちに来いよ」

 スティーブは汗を流し、少し企んだ表情をする。

「……それこそ、種を埋め込むためにお前に近づくことが一番危険だろうが、遠くからじっくり絞るとする」

「ははは、いいのか? 俺はこれでもかなり強いぞ、一個くらいじゃあ、持ち直すかもしれん、今の内に俺に埋め込んでおいた方がいいとオススメする」

 スティーブはどんどん息を荒くしながら挑発する。


「(……何を考えている? いや着実に削っているはず、ここで長髪に乗るのはバカのすることだ。焦るな、待てば勝てる)」

 ホルンは冷静にスティーブから離れる。


「ちっ、早くこっちに来い! ホルンンンンん!」

 そう叫び終えると、スティーブはついに息切れし、倒れてしまう。


「ふん、焦った行動をしたなスティーブ、お前らしくないあっさりとした幕引きだな」

 ホルンは憐れな者を見る表情でスティーブを見下す。



「く、くく、くくくく、ハハハハハハハ、なんてな♪」

 伏せたスティーブは上体を起こし突然笑い始める。


「なんだ? 正気を失ったか?」

「いや、すまん、勝利を前にするとつい下品になってしまったな、許して欲しい」

「何を言っている? お前はもう指一本動かせないはず、お前のエネルギーはこの俺が全て吸い取った!」

「分からないか?」

「何がだ!」


 するとホルンは急にふらつき始める。

「うっ、な、なにぃ?(目の前がグワン、グワンする……)」

 ついにはホルンは立つことができなくなり、地面に倒れる。

「な、何をした? 俺に、俺の、俺の身体に何をしたあぁ、スティーブ!」


 ふらふらになりながらもスティーブは立ち上がり、ホルンに近寄って座る。

 そしてスティーブは全てのトリックを明かす。

「毒だ」

「ど、毒だと? そんなもの一体いつ? はっ、まさかお前?」

 ホルンは衝撃の受けた表情でスティーブを見上げる。


「ああ、お前が吸い取った俺のエネルギー、あれには毒が入っている」

「くそ、なんてことだ」

 ホルンは僅かな力で地面の土を握りしめる。


「俺はお前戦う直前に、特製の毒を飲んでおいた」

「戦闘中そんな素振りもしなかったではないか」

「俺に毒は効かない、ましてはかつてよく服用させられたものなら、顔色一つ変えることはない」

「……拷問か」

「……それに、本気で戦わないと、お前は怪しむだろ」

「まあな」

「だが、思ったよりホルンに毒が回らなくて焦ったがな」

「だからってあんな挑発の仕方あるか、怪しすぎて近づきたくないだろ、俺の心の中まで覗かれたみたいで気持ち悪い」

 ホルンは嫌な顔をする。


「はは、すまん、というか俺ならあんな挑発、絶対警戒するなって思っただけだ」

 そう言い終えるとスティーブ優しくニコッと笑う。


「……ちっ、そうかよ」

 ホルンはバツが悪そうに顔を伏せる。


「よし、ならちょっと失礼しますよっと」

 スティーブはホルンを抱えて立ち上がる。


「な、何をする⁉ スティーブ!」

 ホルンはあたふたする。


「その毒だと、少なくとも半日は動けない、だから、連れて行ってやるんだよ」

「いや、なぜ敵の俺を連れて行くんだよ!」

「ははは、もう互いにボロボロだ、こうなったら双方にとって無害だろ? そしてお前も結末が気になる、違うか?」

「……好きにしろ」

 ホルンはそう吐き捨てた。

 スティーブからホルンの顔は伺えなかったが、その時のホルンは何とも満足げな表情だった。

「りょーかい、おっと、一瞬お花畑が」

 スティーブはふらっとし、ホルンを落としかける。


「おい! やっぱり降ろせ! お前に連れて行かれるのは不安で仕方ないわ!」

「ははは、大丈夫大丈夫」

 青い顔をするホルンとそのホルンを抱えふらふらと歩くスティーブ、似た者同士の二人は岩谷たちの元に向かって行く。



 一方、ノールとティッカロそしてユラジオは岩谷が到着した、女王の城にたどり着こうと、森を進み、かなり近くまで接近していた。


 しかし、バッタリと黒いスーツを着た男に遭遇する。

「わぁ?! なんだ?」

 ノールは思わず声を上げる。


「マジかよ、うっかり敵に遭遇しちまったぜ」

 黒いスーツの男もこの遭遇に驚いている。本当にただの偶然だったようだ。


「お前ら、この先に行くってことは、女王のとこか……はぁ、仕方ない、任務とは別だか、やるしかないな、ユニコーン様、お許しください」

 黒いスーツの男はユニコーンの名を出す。


「ユニコーン? そいつは誰だ?」

 ティッカロは警戒し、男に訪ねる。


「あ! しまった。ユニコーン様の名を出しちまった……はぁ、けどまあここで全員殺せば、問題ねえよなぁ!」

 すると、黒いスーツの男は突然、凶暴な顔つきに変わり、ノールとティッカロそしてユラジオは背筋が凍り、驚き恐れる。


「行け、マッシュサイド」

 男がそう呟くと、全身真っ黒なスーツと帽子を被ったキングバックが現れる。

 しかし、よく観察すると、一見帽子のように見える物は巨大なキノコでスーツのように見える身体は真っ黒で平べったいキノコが隙間なく、密集したものであった。


「き、キノコの塊だ!」

 ノールは顔を青くする。


「2人とも先に行ってください、私もあとから行きます」

 ユラジオは恐怖で脚をガクガク震わせていたが、勇気を振り絞り、黒いスーツの男を睨む。


「アァ? 逃がすわきゃねぇだろうが」

 マッシュサイドは背中に掛けていた、日本刀を取り出し構える。


「おい、一人で戦うつもりか? 危険だ!」

 ティッカロはユラジオを心配した様子だった。


「ティッカロさん、安心してください、僕だって太陽の国の兵士だ」

 ユラジオの顔つきが変わり、さっきまでの震えがピタッと止む。


「……分かった、今のお前なら、大丈夫そうだな、かましてやれスティーブ仕込みのお前の力!」

「はい! 僕はもう、何も出来ない自分じゃないんだ! 突き動かせ、ムーヴ・ド・Re・マーブル! ティッカロさんナイフを投げると、すぐに行って下さい。僕が奴を抑えます」

「分かった、ここは任せる、ユラジオ!」

 ティッカロの腕は黒くなり、ポケットから、ナイフを取り出し、黒いスーツの男に向け投げる。

 飛んで行った2本のナイフをマッシュサイドは刀で弾き返す。

 その弾き返したナイフをムーヴ・ド・Re・マーブルは片手ではたく。

 すると、ナイフは真っ直ぐ一直線にマッシュサイドに跳ね返って行く。

 跳ね返るナイフに黒いスーツの男は驚き対応が遅れたことで1本のナイフがマッシュサイドの左肩を掠める。


「ぐぁっ、糞が」

 黒いスーツの男が自分の左肩を抑え、怯む。

 ティッカロとノールはこの隙に森の奥に向かって行った。


「あーあー、だりぃことになってんなぁ!」

 黒いスーツの男は明らかにキレた散らかした様子で、ガンガンと地面を強く何度も踏みつける。


「もういいわ、まず、お前を先に殺す。その次はあのガキにするわ」

 マッシュサイドは刀を構える。



このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回はスティーブとホルンの因縁の対決に終止符が打たれました。

ホルンの能力を逆手に取った戦術でした。

明日はユラジオという今までほとんどスポットを当てていないキャラの戦いが繰り広げられます。

いつもことですが、私の今後のモチベーションにつながるので、ブックマーク、評価、感想など是非よろしくお願いいたします。

評価はもう少し下に移動していただくとあるのでよろしくお願いします。

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