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キングバック   作者: 君子な在る虎
王蟲森林大戦編 ~若輩の女王と燃羽の仮面~
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紫水晶の蜻蛉

ついに木の国との戦いが今始まる。

 キングバック34話「紫水晶の蜻蛉」



 岩谷たちは決戦場に到着する。

 昨日までさっぱりとしていた決戦場の面影はそこにはなく、木の国との境がわからないほどの森に変貌していた。


「はぁ、マジで木ばっかりじゃないか」

 岩谷はため息をつく

「仕方ねぇじゃねえか、もう諦めろ」

 ドラゴンが岩谷の背中を強く叩く。

「痛い痛い、分かってるさ」

「そろそろスティーブたちが先行して入っている頃だ、俺たちも行くぞ」

「ああ」


「よし、お前ら、今回も俺たちの強さ見せつけるぞ!」

 ドラゴンが鋼の国の兵士たちを鼓舞する。

 あちこちから兵士たちによるやる気のある声が聞こえる。


 土地の有利は向こうにあれど、戦力はこちらの方が圧倒的に上だ。

「はは、今回はなんか、結構楽にいけるんじゃないか?」

 岩谷は今までと違い、仲間が近くにたくさんいることで気が緩んでいる。


 この時の岩谷は最後にとてつもない壁があることをまだ知らない。



 そして、俺たちが森の中を進むと、クラスチェの情報どうり、敵が襲撃してくる。

「あーあ、クラスチェの情報が当たっちまったか」

 岩谷は少し残念そうな表情をする。

「当たってるんだからいいだろうが!」

 戦場でふざけたことを言う岩谷にドラゴンは少し怒る。

「すまん、わかったよ」

 岩谷は少し膨れた顔で謝る。


「お前ら、単純戦力はこちらが上だ! 叩き潰せ!」

 ドラゴンの掛け声と共に兵たちはキングバックを出し迎え撃つ。

 兵士たちはあらかじめ敵の場所が分かっていたことから、精神的余裕を感じているようだ。

 そのこともあり、鋼の国の兵士たちは襲い掛かってくる木の国のキングバックを難なく抑える。


「頼もしいぜ、俺もクリサリスストーンズ」

 岩谷もクリサリスストーンズを出し、近くにいた木の国のキングバックを殴り飛ばす。

 殴り飛ばされたキングバックはピクリとも動かなくなる。

「押せ押せ!」

 勢いをつけた俺たちは敵をどんどん倒し、前に進む。

 戦況はどう見てもこちらが優勢だった。



 影からこの様子を見ていたスティーブたちは

「これなら、予定よりも早く終わるかもしれないな」

「そうっすね、案外すぐ、降参してくるかも」

 ティッカロが気の抜けた表情で言うと、聞き覚えのある声が聞こえる。


「それは困るな、だが、今ここでお前を倒せば、決着がつく」

 森の奥から、ホルンが姿を現す。


「乱戦の中にお前の姿がないと思ったら、端から俺が目的ってわけか」

「そうだ、お前もこの俺と再戦になることは想像していただろう?」

「出来ればそうありたくなかったがな」

「……俺に用があるのはスティーブだけだ、他は失せろ」

 ホルンは鋭く目つきでティッカロたちを睨む。


「怖っ」

 ティッカロは思わず後ずさる。

「だ、そうだ、先に行っててくれ、すぐ追い付く」

 スティーブはティッカロたちに先に行けと指示をする。


「じゃあ、先に行くっす」「どうか、御無事で」「頑張って下さい」

 ティッカロたちは先を急ぐ。


「今回は以前と違ってサシだ、俺は負けんぜ」

 ホルンはこいと指をくいっとする。


「前と違うこともある。お互いに手の内を晒しているんだ、結果はどうなるかは分からんぞ」

「だったら俺の対策くらい考えて来たんだろうなあ!」

「ああ、中間テストのようにはならんさ」

 スティーブは微笑んで見せる。

「ハハッ一夜漬けじゃあ、俺には勝てねえぜ!」

 互いにキングバックを出し合う。

 そして、両者が睨み合い、スティーブとホルンの勝負が今始まろうとしていた。



 一方、岩谷たちはどんどん森の奥に進むが、しばらく敵と遭遇していなかった。

「……敵がいないな」

「もしかしたら、こっちが配置を知っているのに気付いて撤退したのかも?」

 カレンはそう言う。


「その可能性はおおいにある、お前ら、警戒しろ!」

 ドラゴンがそう叫び、楽勝ムードが流れていた、俺たちに一気に緊張が走る。

 そうして、俺たちは少しゆっくりと森の奥に進む。


 すると、突然、地面から木の根っこが大量に伸び出て、急に襲い掛かって来る。

 それとほぼ同時に隠れていた木の国の兵士たちのキングバックが出現し襲い掛かって来る。

 俺たちは突然襲撃になんとか反応し迎え打つ。


 森の奥のほうから、女の子の高笑いが聞こえ始める。

「アッハッハ、ちょっと調子に乗ってたんじゃない? この私がいるのよ、もう女王の元には行かせないんだから!」

 どんどん根っこが鋼の国の兵士のキングバックを襲う。

 これは以前戦った木を操る少女チイラだ。

 ホルンに次いで厄介な奴がまだ出てきていないことを忘れていた。 


「くそ、数が多い!」

 クリサリスストーンズで何とか応戦するが、根っこの勢いは止まらない。


「さぁ、岩谷、いるんでしょ? さっさとこの間の能力を使いなさい! そうしないと、どんどん戦力が減っていくわよ!」

「ちぃ、こうなったら脱皮させて光の一線を使うしかないか?」

 俺がクリサリスストーンズに脱皮の指示をしようとすると、ドラゴンが俺の手を止める。


「待て、今はまだ温存しておけ、今使えば奴らの思う壺だ」

「何⁉」

「ここは奴らのフィールド、以前の時とは違い、木を生やす奴には強力なバックアップがここにはあるはずだ、お前の能力には時間制限がある以上、疲弊させられるのがおちだ」

「だ、だが」

「フッ、ここは年長者たるこの俺を頼ってくれよ」

 ドラゴンは自分の胸を張る。


「ドラゴン……」

「ここは俺に任せて先に行け、女王を倒してこい」

 その時のドラゴンの顔はとても凛々しいものだった。

「ドラゴン…… 」

 --ベタなセリフだが、何故かカッコいい


「カレン、お前もついていってやれ」

「だけど、ドラゴン、大丈夫?」

 カレンはドラゴンの身を案じる。

「俺は大丈夫さ、こういった相手は得意だ、さあ、2人とも行け!」

「ああ、分かったここは頼む」

 そして俺とカレンは先に進もうとすると、根っこが邪魔をする。


「そう簡単に行かせるわけないでしょ」

 何処かはわからないが遠くから、チイラの叫び声が聞こえてくる。


「いや、行かせる、ドラゴンカンパニー!」

 ドラゴンがそう叫ぶと地中に埋った、岩や金属などの瓦礫がドラゴンのキングバック、ドラゴンファクトリーに集まって行き、そして巨大な竜の姿に変身する。

 そして、俺に襲い掛かってきた根っこをドラゴンカンパニーは身を挺して受け止める。


「ドラゴン! 大丈夫か?」

「俺は大丈夫だ、さあ、行け岩谷! 」

 ドラゴンの目からは俺に対する強い信頼を感じる。

 ただ、スティーブとは違いその絆には父のような暖かみを感じた。


 そのとき、俺の中で何かがはじけたような感覚がして、頭の中で聞き覚えのある声が響く。


「岩谷治、貴様はドラゴンとの絆を今ここに確立した、これは貴様にとって紛れもない成長の証である。さすれば今の貴様に何が出来るか、自分の心の内に問うがいい」

「ああ、来い!」

 クリサリスストーンズから光が溢れ、レンガが剥がれ落ちる。


 中からスリムで金属質な身体に大きな旅客機のような翼を背中に四つ持ち、お尻から尻尾のような物が生えており、それはまるでトンボの腹のような形状であった。


 そして、その特徴的な翼の中央には一つずつアメジストのように深く紫色の美しい宝石のような物が付いている。


「美しく、慈愛に満ちた宝石アメジスト、よし、お前の名はアメジストドラゴンフライだ」

 そして、アメジストドラゴンフライはしゃがみ、左手を差し出す。


「カレン、乗るぞ」

 岩谷は先にアメジストドラゴンフライの左手に乗ってカレンへ手を差し伸べる。

「え、ええ」

 カレンは少し驚いた様子だったが、差し出した手を引っ張り引き寄せる。

 岩谷とカレンはアメジストドラゴンフライの左手に乗ると、翼は下に向き、翼に内包されたブースターに火が入り、アメジストドラゴンフライを浮かせる。

 そして、そのまま森のの上空まで空を飛んで行く。


「何よ、あれ! あんなので空飛ぶなんて、反則よ、反則!」

 下でチイラが叫んでいるのが聞こえる。

 すると、既に生えてる何本かの木がにょきにょきと伸び、先を邪魔する。

「邪魔だ、アメジストドラゴンフライ、切り落とせ!」

 そう岩谷が叫ぶと、アメジストドラゴンフライは腰に下げている、サーベルを引き抜き、右手に持ち、根っこに立ち向かう。

 邪魔する木を切り落としながら森の上空を飛び、女王がいるであろう、城の方に向かって行く。

 アメジストドラゴンフライの空を飛ぶ速度は凄まじく、生える木はアメジストドラゴンフライを追いかけることは叶わず、飛び去っていった。


「もぉー、何よあれ! チートよ、チート!」

 チイラがギャアギャアと騒ぐ。


「お前も十分チートな部類だと、俺は思うがな」

 ドラゴンが騒ぐチイラに悟らせるように話しかける。


「うるさい、あんたに言われたくないわよ!」

「……まあ、そりゃそうだ、だかそろそろこっちを気にしないと、まずいんじゃないか?」

 ドラゴンカンパニーがゆっくりだが森の蹂躙する。


「もう、さっさとあんたを倒して、女王の元へ助けに行くんだから!」

 大量の動きまわる木とガラクタの竜、化け物同士の戦いが始まる。


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回はクリサリスストーンズの新たな脱皮先、アメジストドラゴンフライが出てきましたね、因みにアメジストの石言葉は愛情、高貴、誠実などです。

特に愛情なんかはドラゴンに合っていますね。

また、最近章管理と言うものを使い始めて、章を区切り始めました。

今後もこのように読みやすいように変更などを行いますのでこれからもよろしくお願いします。

いつもことですが、私の今後のモチベーションにつながるので、ブックマーク、評価、感想など良ければよろしくお願いいたします。

特に評価などは4.0以上に戻りたいので評価お願いします。

あと、Twitterフォローも良ければお願いします。

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