最強と最強
岩谷とドラゴンの一騎打ち、その決着が今つく
キングバック29話「最強と最強」
ダイヤモンドビートルとドラゴンファクトリーは激突する。
ドラゴンファクトリーがハンマーを振り回すが、これをダイヤモンドビートルは両腕でガードをする。
ーー胸部を攻撃されるのは避けないとな。
岩谷は胸部にヒビが入ったダイヤモンドビートルを見て肝に銘じる。
ドラゴンファクトリーはダイヤモンドビートルのガードを崩すため、ハンマーで腕を下からすくいあげるようにかち上げ、ダイヤモンドビートルは腕を弾かれ仰け反るようにバランスを崩す。
「貰った!」
ドラゴンファクトリーはかち上げた、ハンマーをダイヤモンドビートルの胸部に目掛けて振り下ろす。
しかし、ダイヤモンドビートルは咄嗟にに踏ん張り、振り下ろされるドラゴンファクトリーのハンマーに勢いよく頭突きを喰らわせる。
ダイヤモンドビートルの頭部の角がハンマーに突き刺さり、ハンマーには大きく縦にヒビが入る。
「何! その角、飾りではなかったのか!」
「俺のは指揮官アンテナじゃあ、ないんよ!」
ダイヤモンドビートルはハンマーを両手で掴み、角を引っこ抜く。
「よいしょ! さらにもういっちょ!」
もう一度ダイヤモンドビートルはドラゴンファクトリーのハンマーに頭突きをする。
今度はハンマーに無数のヒビが入った。
だが、さっきのような咄嗟の頭突きではなく、しっかりと地に足をつけた頭突きは角をハンマーに深く突き刺さってしまう。
ダイヤモンドビートルは角が上手く引っこ抜けずあたふたする。
「ぐ、角が抜けねぇ!」
ーーしまった、調子に乗り過ぎた。
「隙あり!」
ドラゴンがそう叫ぶとドラゴンファクトリーは持っているハンマーの持ち手を捻ったあと、スッと引き抜く。
すると、ハンマーの持ち手につながる棒状の中から鋭い刀が現れる。
ドラゴンファクトリーはその刀を持つと、あたふたするドラゴンファクトリーの左横に接近し、ダイヤモンドビートルの左肘を切断する、切られた左腕は宙を舞い、地面に落ちる。
そして切られた拍子に角がハンマーから抜けた。
「くぅ、やられた、なあに、片腕が残ってる、まだまだ終わっちゃいねぇ!」
ダイヤモンドビートルはドラゴンファクトリーに向かって大地を揺らしながら走って行く。
その姿には凄まじい覇気を感じさせる。
「はは、片腕でこの威圧感、ほんとにお前は恐ろしいやつだよ」
その時、ドラゴンは目をつむり少し笑う、そしてパッと目を開ける。
「だが、これが俺の最後の切り札だ、スクラップエンド!」
ドラゴンがそう唱えると、ドラゴンファクトリーはダイヤモンドビートルに向かって手をかざす。
すると辺りに堆積する、ドラゴンカンパニーの残骸、つまりスクラップたちがダイヤモンドビートルに向かって集まり、その身体に引っ付く。
ダイヤモンドビートルの身体にスクラップたちが引っ付いたことで、身体が重くなり大きく動きが制限させる。
「な、なんだこれは!」
ダイヤモンドビートルの動きが突然遅くなったことに岩谷が驚く。
「これで終わりだ」
ドラゴンファクトリーは刀で突く構えをとる。
その狙いはダイヤモンドビートルの胸部である。
「こ、こんなところで」
ダイヤモンドビートルはかろうじて少しずつスクラップを身にまといながらゆっくりと前に進む。
胸部へと狙いすましたドラゴンファクトリーは刀を構えを突っ込んでくる。
「スクラップがなんぼのもんじゃい!」
岩谷が大きく叫ぶと、ダイヤモンドビートルは身体に引っ付くスクラップの一部分を無理やり引き剥がすと、ドラゴンファクトリーに向けて投げつける。
「ちょっ!」
投げられたスクラップはドラゴンファクトリーの顔面に直撃する。
ドラゴンファクトリーはフラッとしてこける。
その合間にダイヤモンドビートルは身体に引っ付いたスクラップたちを全て引き剥がして捨てた。
「おいおい、スクラップエンドは俺の最後の切り札なのに、なんでそう容易く引き剥がすかねぇ」
ドラゴンは呆れた態度を取る。
「こんなんで止められるほど柔じゃねえよ」
「はぁ、全く、とんだパワーお化けだな」
ドラゴンは呆れたようにため息をつく。
「あんたも人のこと言えないだろ」
「岩谷ほどじゃないさ」
「そうかい、だったら片腕でも勝てるよな?」
「それとこれとは話しは別さ、ここまでくればどうしても負けたくないねぇ」
ドラゴンファクトリーは刀を構える。
「へぇ、それは国のためかい?」
ダイヤモンドビートルは右肩を回すと右腕を構える。
そして二体のキングバックが向き合う。
「いんや、これは男の意地だな」
「同感!」
向かい合った二体が互いに走り出す、真っ先にドラゴンファクトリーの刀の突きがダイヤモンドビートルの胸部に到着しそのまま深く突き刺す、だがそれを追うようにダイヤモンドビートルの右ストレートがドラゴンファクトリーの左頬にヒットする。
その瞬間、二体のキングバックの周囲に衝撃波が走る。
二体とも、動かず固まった。
「どっちだ?」
スティーブが真剣な表情で二体のキングバックを見る。
すると、二体とも、真後ろにぶっ倒れ、ピクリとも動かなくなり、しばらくすると、形が崩れて行った。
「……まさか、これは? 相討ちか?」
スティーブは岩谷とドラゴンを見る。
すると、二人ともその場に力尽きたように倒れていた。
そして、スティーブは岩谷の元に駆けつけ、アレンやカレンたち鋼の国の人たちはドラゴンの元に駆けつける。
「大丈夫か? 岩谷?」
「あ、あぁ、やられちまったぜ」
「安心しろ、向こうもだ、ドラゴンのキングバックも機能停止だ」
スティーブは岩谷を安心させるように言う。
「はは、こりゃあ、仕方ねえなぁ、そうだろ? ドラゴン?」
「あぁ、俺は出せる物全て出した、それでこの結果だ文句はないさ」
アレンに肩を貸されこっちに来たドラゴンが苦笑いでそう言った。
「あぁ、俺ももうこれ以上は限界だ」
「そうだな、これはもう、俺たちは今後も同盟、いやそれ以上の関係としてやって行こう」
ドラゴンが手を出し握手を求める。俺はそれに握手で答える。
「あ、こういうのスティーブがやらなきゃだめなのかな? 握手やっちゃった」
岩谷は申し訳なさそうな表情でスティーブを見る。
「ははは、なら俺も握手をすれば問題ない」
すると、スティーブは岩谷とドラゴンの握手の上から被せるように握手をする。
「それなら、人数的に私も足します」
アレンがまた、俺たちの上に被せるように握手をする。
「兄さんだけずるいわ、私も!」
今度はカレンがまたまた、俺たちと握手をしようとするが、もはやここまでくるとただ手を上に置くだけになっている。
「ははは、また人数バランスがおかしくなってしまったな」
ドラゴンは微笑んでいる。
「じゃあ、俺も!」
「私もする!」
すると、あちこちから、どんどん手を合わせようと国、身分関係なく、集まってくる。
次第に俺たちは大きな塊となった。
「ははは、みんな結局離れたくなかったんじゃないか」
「あぁ、この結末が最も良かったのだな」
しばらく、俺たちは何もかも関係なく、笑い合った。
このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。
今回でドラゴンとの決着がつきましたね。
今後彼らの関係が上手く行って欲しいものです。
今日twitterにて主人公、岩谷治のキングバック、クリサリスストーンズをイメージしてブロックで作った人形の写真を上げました。是非ご確認ください。
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