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キングバック   作者: 君子な在る虎
月下砂漠編 ~砂城の独裁王と月の迷走者~
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竜の工場と会社

岩谷がバルターに能力の謎を解き明かしたり、ルインがザックと戦っている間、大部隊はどうなっていたのか?

 キングバック22話「竜の工場と会社」



  岩谷がバルターに能力の謎を説いているときや、ルインがザックに勝利するより少し前、鋼の国は砂の国の圧倒的物量に押し負けていた。

 砂の大地には鋼と砂の国の両方のキングバックの残骸が入り雑じって堆積する。


「ドラゴン! このままでは我々は負けてしまいます」

「そんなことは見ればわかる! これ以上続けたら、俺らの中から戦死者が出ちまう」


 鋼の国の兵士は自身のキングバックが撃破されると、組んでいる円陣の中へすぐに撤退したため、奇跡的に戦死者はまだ出ていない。

 しかし、鋼の国側のキングバックの数が減らされ過ぎたことにより、円陣を組めなくなっていた。


「もう、これ以上は持ちません!」

 兵の必死な声が聞こえる。


 そして、悩んだ末、ドラゴンはある決心をする。


「仕方ない、最後の奥の手を使う!」

 鋼の国の兵士の皆がドラゴンを一斉に見る。


「でも、あれはまだまだ後に残して置く予定では?」

「そのつもりだったが、仕方ないだろ。俺は仲間も誇りもここで失くすつもりはない。ドラゴンファクトリー、お前の力をここで見せろ!」


 するとドラゴンのキングバックである、ドラゴンファクトリーは辺りに轟く咆哮をする。


「ドキャラァラァアー」

 その咆哮と共に、砂漠の上に転がるキングバックの残骸がドラゴンファクトリーに引き寄せられる。


 そしてそれ以外にも砂漠の中に沈んだ金属片などのガラクタも次々と引き寄せて行く。

 ドラゴンファクトリーの周りに多数のガラクタが集合する。

 そのガラクタは謎の力により、宙を浮き、形を成していく。


 最終的に集められたガラクタたちは四足歩行で背中には巨大な翼がある20m程の竜の形になった。

 その竜はガラクタで作っただけあり、左右対称ではなく、歪さが目立つ。しかし、その歪なデザインとデカさは時として人の恐怖を煽る。


「な、なんだ、あれは?」

「おいおい、あれが動くとか冗談じゃないよな?」


 砂の国側から不安の声が上がる。

 その声を上から轟く咆哮で打ち消す。


「グバララァラァアー」


「これは我らが最後の砦、矛にして盾、貴様らを蹴散らす万夫不当の巨像なり、轟く合竜、ドラゴンカンパニー!」


 合竜ドラゴンカンパニーの目が光始め、一歩一歩、前へ歩き始め、砂の国のキングバックを次々と踏み潰し始める。


 恐れをなして、逃げる者や逆に破れかぶれになり、立ち向かう者など様々である。


 しかし、誰であろうと戦場に立った地点で等しく()()()である。


 そのことを分からせるように、ドラゴンカンパニーの口から熱を帯びたエネルギーを放ち、逃げるキングバックを焼き払って行く。


 今度はドラゴンカンパニーを攻撃をしようと砂の国のキングバックたちが突撃してくる。

 すると、ドラゴンカンパニーは翼を大きく開く、しかし、その翼は羽ばたくことはなかった。


 そもそもこんな巨体を羽ばたかせて飛ぶことは不可能である。

 翼に付いている、ブースターに火が入った、次の瞬間、ブースターからは赤いエネルギーを放出する。


 このエネルギーの放出で強引にその巨体を浮かせる。

 しかし、この巨体を浮かせることが出来るのは一瞬だけだ。

 だか、一瞬とはいえど、20mの巨体が落下したときの衝撃は計り知れない。


 そしてドラゴンカンパニーが落下し、凄まじい衝撃波が地震のように戦場を駆ける、衝撃に少し遅れて砂漠の砂が舞い、戦況を曇らせる。


 数秒、舞った砂が落ちるのに時がかかり、その全ての砂が落ちたわけではないが、あらかたの砂が落ち、戦況が見えてくる。

 ドラゴンカンパニーが現れて僅か1、2分優勢だった砂の国は傾き、ドラゴンカンパニーが現れたときに吸い寄せたキングバックの残骸の数よりも多数の砂の国のキングバックの残骸が砂漠に残る。


 この状況を見てドラゴンカンパニーに敵うと思うものはこの戦場には誰として居なかった。

 戦意を喪失した砂の国の兵士たちは次々と降伏し始める。



「なんとかなりましたねドラゴン!」

 アレンが元気な声でドラゴンに話し掛ける。


「あぁ……」

 ドラゴンの声には覇気がない。


「ですが、こんな所で切り札を使って良かったんでしょうか?」

「わかんねえよ……」

 ドラゴンはアレンから目線を外して言う。


「え!」

 アレンは目を大きく開いて驚く。


「わかんねえよ……確かにこの先を考えるとこんな所で切り札を使っちゃあ、ダメなのは、まだ、隠しておいた方がいいのは、俺にでもわかる。だけどよぉ、お前たちが死ぬかもしれねぇ、それに育て親を殺されたスティーブを復讐に走らせないように決死に戦ってる岩谷を見てるとよぉ、俺は、俺は……一人だけ、賢くなんか、なれねえよ! 我慢なんか、出来ねえよ!」


「……ドラゴン……」

 アレンは小さく呟く。


「俺はリーダー失格だ。そもそも向いてなかったんだ。あの時、俺が、俺だけが生き残ったから……」


 ドラゴンは過去に自分以外に多くの仲間をなくし、若くしてリーダーになった。このことから、彼の心の奥底には自分より適任者がいたのではと考えてしまうことが多々ある。


「はい、確かに世に言うリーダーというものは非情な決断を出来る人物です。ドラゴンあなたにはそれが出来ない」

「……」

 ドラゴンは悔しそうに俯く。


「だけど、私はそんなドラゴンは嫌ですよ、今のあなただから、私たちはここまで付いてきたんです!」

 アレンは真剣な眼差しでドラゴンを見る、すると、鋼の国の他の兵士たちもドラゴンの元に集まり始める。


「ドラゴン! アレンの言う通りあんただから俺たちは付いてきてるんだ」

「ドラゴンが決めたことなら、それに従うぜ」

 他にも皆がドラゴンに言葉をかける。そしてアレンはドラゴンの下がった肩を軽く掴む。


「ドラゴン、確かに初めはたまたま生き残ったあなたが、消去法的にリーダーをすることになったのかもしれない。でもただそれだけの人だったなら……みんな、ここまで付いてきません。みんな、あなただからここまで付いてきたんです」


「そ、そうか、俺はとっくにリーダーになっていたんだな……」

 ドラゴンは嬉し涙を残すと、フラついて倒れそうになる。兵士たちは倒れるドラゴンをすぐさま支える。


「すまん、ありがとうドラゴンカンパニーは異常に疲れるな」

「無理しすぎです。休んで下さい」

 アレンは心配そうにしている。


「あぁ、岩谷の元に行ってやりたいが、今の俺では足手まといだな…… (岩谷、勝ってスティーブを止めてくれ!)」


 そして、遠くから、センドウから出発した別部隊が見え始める。

 戦況は大きく岩谷たちへ転んだ、あとはバルターを退け、スティーブの元までたどり着くのみである。


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回はドラゴンのキングバックの奥の手を見せた回でした。

やはり、彼はリーダーなだけあって、能力もチート級ですね、ここまで、巨大な物を動かす能力者は数える程です。

今後、岩谷と共に彼の活躍もご覧ください。

また、私の今後のモチベーションにつながるのでブックマーク、評価、感想など良ければよろしくお願いいたします。


今日のキングバック

ステータスA+~E-

スラッシュ・ローマン

パワーB、スピードB、特殊エネルギー性C、行動距離B、耐久性A、精密性C

鋼の国から、スティーブの実力を測るため送られて来た異常にテンションの高い男、ローマンが使用するキングバック。

全身刃物+鉄の鎧に覆われており、防御力の高いキングバック、またコマのような形態に変形することで、平均的なスピードを補いつつ高速攻撃が可能。

この形態時は弱点である、関節部分を隠すことが出来るため、非常に便利である。

しかし、その反面、通常時でも関節にかなりの負担が掛かるのに、変形するとより、負担が増加するため、諸刃の剣でもあり、スティーブにはそこを突かれあっさりと敗北した。

また、防御力が高いと言っても所詮小型タイプなので、大型タイプ並みのパワーを出した、バルターのインフィニティムーンにはあっさりと貫かれた。

能力者のローマンは少し倫理観が欠如している節があり、これは幼少期、敵国で実験台的な拷問を受けた代償であり、ドラゴンが救出したのち、孤児院に入れた。

相棒のフィッシュマンとは実験台時代からの付き合い。

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