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キングバック   作者: 君子な在る虎
同盟締結編 ~鋼の国の竜~
35/205

同盟Part2

これは分割編集版です。

表現が多少変化していますが内容に変更はありません。

 キングバック12話「同盟」Part2



 岩谷とフィーはどうなっていたかというと、岩谷のクリサリスストーンズの攻撃を何度もフィーのラッシュ&チップスは左腕の盾で防いでいた。


「くそ、硬いなこんなに硬い奴は初めてだ」

「そうだな、俺のラッシュ&チップスの盾は鋼の国最高硬度だ」


「なら、それ以外は違うんだな、おらぁ」

 盾以外の箇所を攻撃しようとクリサリスストーンズは行動するが、クリサリスストーンズの動きに合わせてラッシュ&チップスは盾で必ずガードする。



 ーーくそ、このままじゃあ埒が明かなねぇ、さっさと脱皮してスピード勝負するのが得策だな。


「いくぞ、タンザナイトバタフライだ!」

 岩谷はクリサリスストーンズに命令するが、一向に脱皮する気配はない。


「あれ? なんでだ? この前はできたのに……」

 岩谷はタンザナイトバタフライに脱皮出来ないことに困惑していた。


「何に戸惑っているか、知らんが来ないのならこちらから行く」

 ラッシュ&チップスは盾を構えたまま突進してきた。クリサリスストーンズは大地を踏みしめ、この突進を受け止めた。


 だが、その瞬間盾の横から、すっと、パイルバンカーの右腕が現れ、クリサリスストーンズの左腕に接触する。

 そしてパイルバンカーの杭が射出され、杭は左腕に深く突き刺さった。



「な、何ぃ! 俺のクリサリスストーンズに穴が開いただと!」

「大した、強度だ。ラッシュ&チップスのパイルバンカーが貫通しないのは初めてだ。だがまずは片腕機能停止だ」


 杭は引き抜かれ、クリサリスストーンズの左腕には大きな穴が開いた。


 その穴から透明の液体が流れ始めた。

 岩谷は穴から流れる液体に何か悪寒を感じる。


「な、何か知らないがこれ以上流すのはまずい気がする、その穴を塞げ」


 クリサリスストーンズは右手で左腕の穴を塞ぐ。

 だがクリサリスストーンズは力が抜けたようにその場に膝を着いてしまう。


 ーーなんとなくだが、あの液体、絶対にこぼしたらダメな気がする。だが、このままだと両手が使えない。ならば脱皮するしかないな。



「ならば、ダイヤモンドビートルだ」

 すると今回はクリサリスストーンズは脱皮を始める。


 クリサリスストーンズの内から光が溢れ、岩が崩れ落ち、中からダイヤモンドビートルが現れた。

 しかし、ダイヤモンドビートルの左腕は右腕と比べて少し細かった。


「なんか、片腕細いけど行け!」

 ダイヤモンドビートルは右腕でパンチを放つ、これをラッシュ&チップスは盾で防ぐ、しかしラッシュ&チップスはこのパンチの威力で少し、思わず後退する。


「ぐ、さっきよりも威力が上がっているな、さすがにこれを連続でくらうのはキツイな」

 フィーは顔を歪める。 


「パイルバンカーを使う隙を与えるな!」

 ダイヤモンドビートルは両手で交互にパンチを盾に繰り出す。

 だが、フィーの言葉と裏腹にラッシュ&チップスの態勢に変化がない。



「何⁉、さっきはあんなに後退していたのに」

「確かに、さっきのパンチが両手で行われたら、盾を構え続けることは困難だろう。だが、よく見ろ、その痩せた左腕を、とても右と同じ威力を出せるとは思えんな」


「ちっ、さっき穴からこぼした液体が原因か、あの液体はダイヤモンドビートルを構成するのに必要なものだったのか」


「ふふふ、どうする? 見たところまだ自分のキングバックのことも全て理解していないようだが、また無駄な攻防を続けるか? 初心者のことだ、まだ持続時間も短いんじゃないか?」


 ーーそうだ、俺にはまだこいつを長時間維持することが出来ない。

 短期決戦しか今の俺にはない、ならあんまり町の近くで使いたくなかったが、やるしかない!



「光の一閃、エネルギーを蓄えろよ」

 疑似太陽から光の柱がダイヤモンドビートルに落ちてそのエネルギーを吸収し、ダイヤの身体は光始めた。


「な、なんだこれは⁉、こんな隠し玉があったのか、受け止めろラッシュ&チップス」

 ラッシュ&チップスは地面を強く踏みしめて盾を構えた。


「吹き飛ばせ!」


 ダイヤモンドビートルは物凄い速度で盾に目がけて右ストレートを繰り出した。

 これによってラッシュ&チップスの盾は大きく凹み、凄まじい勢いによって、バランスを崩し、後ろに尻もちをついた。


「スピードが加わるとここまで威力が上がるのか、俺の盾は鋼の国最高硬度というのに化け物かこいつは!」

「追撃だ、とどめを刺せ」


 ダイヤモンドビートルはバランスを崩したラッシュ&チップスにとどめを刺そうと超スピードで接近した。


「これは、少し俺の流儀的に使う気はなかったが本気でやれという命令だ。勝つために俺は外道になるぞ」

 フィッシュマンは覚悟を決めた表情であり、岩谷は本能的に危機感を覚える。


「なんだ?」

 するとラッシュ&チップスの背中にある、大きなバックパックのような箱が開き、中からミサイルのようなものが見えた。


「こ、これは!」

「ああ、ラッシュ&チップス唯一の遠距離能力だ。だが、なぜか、これは対人用なんだよなあ」


 岩谷はこの光景にハッとした。


「まさか、てめえ!」


「仕方ないよなぁ、これは対人用。なら人に使うしか使い道はないなぁ!」


 次の瞬間背中から複数の対人用弾が発射された。

 もちろんその対人用兵器の向かう先は町だった。


「ダイヤモンドビートル! 町に届く前に撃ち落とせ」


 ダイヤモンドビートルは超スピードで対人用弾を追いかけ、次々と弾を叩き落とす。

 しかし、一発だけ、取り逃す。


「くそぉ、追いつけえぇぇぇぇー‼」


 ダイヤモンドビートルはさらにスピードを上げ、勢い余って対人用弾を追い抜いた瞬間、対人用弾はダイヤモンドビートルの背中に直撃した。

 その勢いで前に倒れ、手を地面に着いたが、無事、弾は一発も町に届かなかった。



「ふう、あぶねえ。何とかなった」

 岩谷は町に被害が出なかったことに安堵した。


「……いや全てを防いでくれて俺自身安心したよ」

「何が、安心だこらぁ! だったら初めから撃つな!」


「そうはいかん、お前に勝つにはこの手しかない」

「なんだと!」

 岩谷はぶち切れていた。


「これを撃ったおかげで、お前のキングバックは町に気を取られて疲れただろう?」


 事実、対人用弾を街に向かわないように防いだ行動で、ダイヤモンドビートルは光の一閃によって得たエネルギーを使い果たしてしまった。


「……光の一閃によるパワーアップの持続時間は僅か10秒ほどしか持たない」

 岩谷は俯いたまま呟く。


「これなら、多少盾が凹んでいても、五分五分、いやむしろ俺の方に分があるな」


 そのときフィーは得意げな顔をしていたが、岩谷少し下を向いており、顔を伺えなかった。


「なあ、少し確認していいか?」

「なんだ?」


「お前の盾はすっごく硬いんだな?」

「そうだが」


「なら、もちろんそれ以外は普通なんだな」

「……そうだ」


 岩谷は顔を上げた。その顔は怒りで眉間にしわが入っていたが、口は笑っていた。


「だったら、まだやりようはある」


「(何をする気だ? もう奴に切り札はないはずだ)」


 ダイヤモンドビートルはラッシュ&チップスに近づくと構えている盾を横から両手で挟むように掴んだ。


「何をする! 放せ」

「単純は話だよな、盾が硬くて壊せないのなら、盾を壊さず、盾を引きはがせばいいだけだ!」

 その時の岩谷の声は高揚し、高ぶっていた。


「な、そんなバカな、パイルバンカーをお見舞いしろ」

「そうはさせん」

 ダイヤモンドビートルは盾を持ったまま、ブンブンと力任せに引っ張たり、横に振り回した。


「ぐぁっ、無茶苦茶だ、パイルバンカーの狙いがつけられん」

「今だ!」


 ダイヤモンドビートルは左足でラッシュ&チップスの右足を踏んだ。そしてそのまま持った盾を勢い良く引っ張ると、盾は肘から引き千切れた。


 引き千切った盾を投げ捨て、パイルバンカーをくらわせようとしている、ラッシュ&チップスの右腕の真ん中あたりにダイヤモンドビートルは右手でのチョップを入れた。


 チョップによってパイルバンカー内の杭は折れ曲がってしまう。


 曲がった杭をそのまま発射しようとした結果、パイルバンカー内が詰まり、爆発し、右腕も機能停止になった。


「どうだ! これでもう何も出来まい」

 岩谷はしたり顔でガッツポーズをする。


「はは、噂どうりの無茶苦茶ぶりだ、もう降参だ。完膚なきまでに俺の敗北だ」

「いや、フィー俺たち、だよ」

 するとローがスティーブに抱えられて現れた。


「何か、大きい音がしたが、大丈夫か、治?」

「ああ、なんとかな」

 すると、スティーブはローを雑に地面に落とした。


「ぎゃん」

 そして、岩谷とスティーブはローとフィーを見下ろした。


「じゃあ、約束どおり二人ともお前の親玉のところに連れて行ってくれるな」


 岩谷はスティーブの横顔を見るがスティーブの表情はいつになく怖かった。


 ーー俺なんかより、怒ったらよっぽど怖いな、スティーブは


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

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