同盟Part1
木の国との衝突を終えた岩谷たちは、一息つき、久々の休日を謳歌しようとしていた。
しかし、そんな彼らを現実は休ませない。
今度は鋼の国から二人組をやって来る。ローと言われる男、ローマンはふざけた調子で町の人を人質にとる。
急いで駆け付けた岩谷たちだったが、彼らの目的は岩谷たち太陽の国との同盟だと言う。
岩谷たちは彼らの提案を受け入れるのだろうか? はたまた、孤独の道を突き進むのだろうか?
キングバック 12話「同盟」Part1
スティーブと岩谷は鉄の国から来た二人組から同盟の話を持ち掛けられる。
しかし、その条件とは本気で襲ってくる二人組を倒すことだった。
岩谷は鉄の国の二人組の片割れフィーと言われる男と町外れで対峙していた。
「俺の名はフィッシュマン、皆からはフィーと呼ばれている」
「知ってると思うが俺は岩谷治、俺の実力を知りたいなら教えてやるよ。行けクリサリスストーンズ」
岩谷はクリサリスストーンズを出す。
「なら、俺も貫けラッシュ&チップス」
フィーは大型タイプのキングバックを出現させる。
そのキングバックは左腕の肘から先が大きい甲羅のように湾曲した盾になっており、もう片方の右腕の肘から先がパイルバンカー(注・鉄の杭を炸薬などで勢いよく射出する兵器)になっている。
「ほう、なかなか強そうじゃねえの、だが、負ける気はさらさらねえなぁ!」
クリサリスストーンズがラッシュ&チップスに殴りかかるがそれを強固で甲羅のような鉄の盾が悠然と防いだ。
一方スティーブサイドは
「へー君がスティーブか、思ってたより若いねえ、フィーと同じくらいかな」
「……お前と話すことはない、いいから、早く決着をつけよう」
スティーブの声はいつもの優しい声ではなく、怒りが混じったものだった。
「あれ? 激おこですか? ごめんって君を呼び出したいだけだったんだよ」
「黙れ、お前の言葉を理解できるほど俺は壊れていない。いいから、俺たちをお前の国に連れていけ」
「はいはい、わかったよお互いせっかちだねえ、じゃあ頼むよスラッシュ・ローマン」
ローは全身刃物のキングバックことスラッシュ・ローマンを出現させた。
「……やるぞサーセイバー」
スティーブはサーセイバーを出した。
そしてサーセイバーはスラッシュ・Rより、先に攻撃を仕掛ける。
サーセイバーの剣による攻撃をスラッシュ・Rは器用に扇形の刃を持つ手で防ぐ。
「おいおい、いきなり切りつけてくるなんて、殺気立ってるねー、だけど相性が悪いね、僕のキングバックの身体は金属で出来てる。その剣では切れないよ」
スラッシュはその硬さを生かし、サーセイバーの攻撃を受けることを厭わない戦法をとり、刃物を振り回しながら強引に詰め寄り、徐々に形勢を逆転していく。
そしてサーセイバーを追い詰めた。
「残念、君にはもっと舞って欲しかったね、じゃあねバイバァーイ」
スラッシュは両手の扇形の刃でサーセイバーを切りつけようとしたが、サーセイバーはこれをしゃがんで躱し、スラッシュの腰と腹との間の付け根を切りつけた。この攻撃でスラッシュは大きくのけぞった。
「痛ったぁーい、腹の下を切ったのか、だけど残念だね、言ったはずだよ、このキングバックは金属で出来てるって」
ローは少し、驚き焦った様子だったが依然余裕の態度だ。
「ああ、わかっている、だがいくら全てが金属で出来ていようとも、その中には必ず脆い箇所がある」
「は、はは、何を言っているんだい?」
ローはしらばっくれたような様子だった。
「こんなこと言わなくてもわかるとは思うがそれは関節だ。キングバックという人型で稼働する物は必ず関節がいる。故にそこが弱点だ。それを無くしたかったら、関節のない人形にでもなるんだな」
「だけど、今の一撃では全然壊れてないけど」
「いや、お前はもう終わりだ」
「はあ? 僕はまだ遊び足りないんだよ、だから相手してよ」
するとスラッシュは両手を水平に上げ、手の刃も水平にした。
次にスラッシュの両肩に付いていた手の刃と似た形状をしている刃はそれぞれ胸と背中にスライドするように移動した。そして一斉に身体の一部が伸縮し始めた。
頭を引っ込め、他の関節たちも隠すように引っ込み、気づいた時にはスラッシュはコマのような姿になっていた。
コマのような姿のスラッシュはサーセイバーに目がけて物凄いスピードで突っ込んで行く。
「あんたが、関節のない人形なんて言ったからお望みどうりの姿になってあげたよ。どう? これは予想できなかったでしょ」
だが、スティーブは涼しい顔をしていた。
「いや、想定内だ。既に一番重要な手順は終了している」
「なんだと! はったりをかますのはやめなよ、死ぬとき、よりダサくなっちゃうよ」
これにスティーブは呆れた様子で
「気づいていないのか? 自分のキングバックの最大の弱点を」
この間もスラッシュはコマの状態で次々と襲い掛かるがサーセイバーは剣でなんとか攻撃をやり過ごしているが、コマの回転を含めた攻撃にサーセイバーは押されて行く。
スラッシュはどんどん速度を上げサーセイバーを翻弄し、追い詰める。
そして強力な突進でサーセイバーを軽く突き飛ばし、ひるんだ所に今まで一番のスピードの回転攻撃がサーセイバーを襲う、かに見えた。
しかし、スラッシュの速度はどんどん失速し、さらにコマの動きもフラつきだした。
その時サーセイバーは剣で地面の表面を削りながら滑らせ、回転するスラッシュの足も先端を剣ですくい上げ、そのまま空中に投げた。
スラッシュは空中でバランスを崩し、伸縮し隠れていた腹と腰の間の関節が出て来た。サーセイバーは剣を構え、そのまま落ちて来たスラッシュの腹と腰の間の関節を両断した。
「ふう、終わりだ」
下半身が麻痺し始め地面に伏せたローは悔しそうに地面の土を握っていた。
「どうして? たった二回の攻撃で僕のスラッシュ・ローマンがやられるんだ! そしてなぜ、あの時スピードが落ちたんだ!」
「わからないのか、お前はかなりクレイジーだが、それが生きるのは民衆を脅すときくらいなのかもな。いいだろう教えてやる」
「ああ」
「確かにお前のキングバックは全身を金属で作られた防御力抜群のキングバックだ。しかし、その身体は重すぎる、大型ならまだしも、小型では全ての行動が関節に大きく負担をかけている。ただし、関節も金属製だ、何もないうちは大丈夫なのだろう。しかし、そのどこかにほんの少しのヒビが入るとしよう、するとそこに関節にかかる力が集中する。後はダムが少しのヒビで決壊するように自分の自重で崩壊するのを待つだけだ」
「けど、たったそれだけで崩れてしまったというのか」
「そうだな、あえてもう一つ言うのならお前のキングバック、コマになることで関節を隠せているのかもしれないが、それ以上に腰に負担をかけすぎだ、関節を隠していることから、そもそも動くことが困難で、それ専用の能力がない限り動くことは難しい。故にお前はまだ少し捻ることのできる腹と腰の間の関節に頼った。つまり回転はこの捻りのおかげだ。しかし、あの回転とスピードを維持するには相当の負荷がかかる、どれくらいかと言えばそれまで身体を動かしていた関節の負担の全てをその一つで賄っているほどだ。実際にはそれ以上の負荷がかかっているだろう。それから後は想像に難くない」
すると、諦めたようにローマンは笑う。
「アハハ! さすがだ、完全に僕の負けだ、スティーブ、合格だよ、後は岩谷君だけだね」
「……勘違いするなよ! お前たちにとって合格でもどう返事するかはこちら次第だ。お前のような行動を軽率にとる集団なら、俺は協力する気はない」
スティーブはローが人質を取ったことに相当腹を立てていた。
この度はキングバックを呼んでいただきありがとうございました。
今回で岩谷たちはドラゴンたち、鋼の国と同盟関係になりましたね、これで彼らの旅はより、楽なものになると思います。(その分インフレが進みますが)
今後は今までと違い、より国盗り合戦が本格的に進行していきます。
岩谷とスティーブだけでなく、他のキャラクターの活躍にも注目です。
次回も読んでいただければ幸いです。次回の投稿明日になります。
それと10話にて岩谷がタンザナイトバタフライに光の一閃と言う技を使わせていましたが、あれは7話にてダイヤモンドビートルが自分自身に太陽圧力を放ち、その力を吸収し、パワーアップすることを岩谷が勝手に光の一閃と呼んでいるだけです。
その辺の説明がなく、「なんだ? この技?」となった人には申し訳ないです。
今日のキングバック
ステータスA+~E-
ダイヤモンドビートル
パワーA+、スピードB、特殊エネルギー性A、行動距離B,耐久性A+、精密性C
岩谷のキングバック、クリサリスストーンズが脱皮した姿、クリサリスストーンズのステータスがそのまま成長したような正統進化先、全身がダイヤモンドのように輝きを放つキングバック。
クリサリスストーンズの接近戦闘能力をさらに特化させたキングバックであり、パワー、スピード、耐久性がそれぞれ上昇している。
その反面、クリサリスストーンズの唯一の遠距離技、太陽圧力が光の一閃と言われる、バフ技に変化しており、遠距離戦は不可能となっている。
基本的にクリサリスストーンズは脱皮すると、太陽圧力を放つ座標を自分自身にしか設定できなくなってしまい、その代わりに太陽圧力を吸収し、一時的にパワーアップすることが可能になる。
ダイヤモンドビートルの場合は一時的にスピードランクがA+まで上昇し、圧倒的な殲滅力を持つことが出来ます。しかし、効果時間は短いので過信する事なかれ。




