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キングバック   作者: 君子な在る虎
森林浴 デットチェイサー編 ~森の中を探検しよう! 命は保証しないけど~
32/205

それぞれの思いPart2

これは分割編集版です。

表現が多少変化していますが内容に変更はありません。

 キングバック11話「それぞれの思い」Part2



 岩谷がローキットと会話していたほぼ同時刻、木の国、王都内女王の間にて。



「あの、女王様? そろそろお説教はおやめになられては? ホルン殿もまだキングバックが再生しきっておらず、立つのも相当しんどいはずです」

 ホルンは女王の間で立ったまま長時間説教をくらっていた。


「そうですよぉ、俺今日キングバック消滅して、全身麻痺してるんですよ~」

 ホルンはすがるように言う。


「ん? もうそんな時間かお前たち今日はもう上がってもいいぞ」

 女王は部下に仕事を終われと合図した。


「いや、しかしホルン殿が」

「私が終わっていいと言ったんだ。いいから行け」

 女王は部下を睨む、女王と言うには些か若い彼女だが、その眼光は部下を震え上がらせた。


「は、はいぃ、わかりましたぁ」

 部下たちは素早く女王の間から去って行った。


「あ、あの女王……俺は?」

 ホルンは苦笑いでまだ立たされていた。



 一方女王の間を出た部下たちの中で一番若い女性兵士は他の女性兵士に質問をする。


「女王凄い貫禄ですね、あれで二十歳って凄いですよね。女王って昔からあんな感じでした?」

 これに他の女性兵士たちは少し笑って言う。


「いや、女王、幼い頃ははかなり泣き虫で、頼りない人だったよ」

「え! そうなんですか? とてもそうは見えないです」


「女王は四年前から、女王という存在を演じているのよ、この国のために」

「四年前ってまさか」

 若い女性兵士は青ざめた。


「そう、三陸戦争」


「前国王を含めて多くの人が亡くなった火と水と木の国の三つ巴の戦争。あれが終結してから、彼女は変わった」

「そうだったんですね」


「彼女は仲間が死ぬのがいやで仕方ないのよ」

「この間カムラさんが亡くったばかりね」

「それだけじゃないわ、カムラさんだけじゃなく、アッキっていう人にも墓を作ってあげたみたいよ」


「でもホルンさんにあんなに当たりがキツイのはなんでなんでしょう?」


 若い女性兵士がそう言うと他の兵士は呆れた様子でいう。

「分かってないわね~女王にとって彼は特別なのよ」


「え! そうなんですか?」

「彼は由緒正しい家柄で幼い頃から、彼女を守る任務を行っているのよ、つまりは幼馴染ね」


「あ! なるほど」

「そう、私たちを追い出したのはきっと二人きりになりたいのよ」


「二人ってそういう関係だったのですか!」

 若い女性兵士は物凄く驚いている。


「何? もしかして彼のこと狙ってたの? まあ、いい男だけどね」

「いえ、二人とも推しなので問題ないです」

 若い女性兵士は目を輝かせている。

「あ、……そうなの」



 そして女王の間にて女王は王座から立ち、ずっと立たされているホルンの傍に怖い顔しながら近づい来た。


「あ、あの女王様、顔が怖いのですが」

 次の瞬間女王は思いっきりホルンの左頬を殴った。


「うべえぁ」

 無理やり立たされていたホルンは張りつめていた糸が切れたように倒れそうになった。


 その時、ホルンの長い前髪によって隠れいた顔の左側が明らかになった。


 隠されたその左目には爪でえぐれられたような傷があり、その傷の周囲にはひどい火傷跡があった。


 そしてバランスを崩したホルンの左手を女王は掴むと強く引っ張り、そしてホルンを強く抱きしめた。 


「ホルン二度と自害なんてしようとしないで、あなたが捕まっても私はどこへでもあなたを助けに行くから」

「……ごめん、リリィ、君に心配をかけてしまったね、これじゃ護衛失格だ」

 ホルンは優しく女王リリィの頭を撫でる。


「そうよ、一人で偵察なんか行くから」

 リリィはホルンの胸をポカポカと叩く。


「ごめんってもうこんな無茶はしない」

「嘘、四年前だって同じこと言った」


「そ、それは……俺はあの時と比べて強くなったし」

「あなたはあなたでしょ!」

 さらにホルンの胸を叩く力が強くなる。


「痛い痛い、それはそうだけど、それを言うなら君も僕の前だと変わらないね」

 リリィは顔を赤くして、ホルンを叩く力をさらに大きくした。


「とにかく私より早く死なないで、あなたがいないと私……」

 リリィはホルンの胸に顔をうずめる。


「……それは約束できないな、君のナイトとしては君に先に死なれると困る」

「むうぅ、だったら死に急ぐことは私が許さないわ。さっさと死んだら、あの世に行ってもう一度私が殺すから」

 リリィはホルンの溝内に拳をぐりぐりしながら、ホルンの顔を見てニッコリと笑う。


「死因がリリィなのは嫌だから長く生きることに命を懸けるよ」

「……まあいいでしょう」




 それぞれの国で様々な思いがあった日は終わりを告げる。


 次の日太陽の国岩谷とスティーブの二人はふかふかのベットで目を覚ます。


「治、今日は休養日だ、自由に町でも見て回るといい」

「ああ、確かにこの町にせっかく来たのに全然この町知らないからな。じゃあお言葉に甘えて行ってくるわ」

 岩谷は部屋を出て行った。


 スティーブは椅子に腰を下ろし、右ひじを机に置き、右手をおでこにあてため息をついた。


「はあ、今回はなんとか生きて戻ってこれたが、まだまだ問題が山ずみだ。さてこれからどうやって国を落とそう、情報を集めるだけで死にかけたのに……だが諦めることはできないな、治が帰る世界のためにも俺たちは勝たなければならん。少しでも考えて奴らの隙を探さなければ。よし!この町の図書館で何か情報を集めるとするか」

 スティーブも部屋を後にし、図書館に向かった。



 岩谷は町をぶらつく。


「あー俺はまだまだダメだな、キングバックの長時間の維持が出来ない。それにまだよくわかってないことが多すぎるんだよなぁ」

 岩谷はブツブツ言いながらある屋台の傍を通る。その時屋台の中の中年の男が話しかけて来た。


「お、岩谷じゃねえか」

「ん?ああ、おっさん昨日は助かったよ。あの時来てくれてな」


「はっはっは、気にすんなこっちもあんたらに助けられたからな、お互い様だ。ほらこれでも食って力をつけてもっとこの町を守ってくれよ」

 屋台の男は串に刺さった肉や野菜の焼き物を渡してきた。


「ありがとよ、おっさん。じゃあな」

 岩谷は串の肉たちを食いながら再び町を歩き始めた。



 その時ある二人組の男たちが町に侵入して来ていた。

 

 運命は岩谷たちを休ませない。


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

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