木とクモの包囲網Part2
これは分割編集版です。
多少表現が変化していますが内容に差はありません。
キングバック9話「木とクモの包囲網」Part2
さらに30分後、ホルンはというと、森の入り口と木の国の王都との中間地点付近にある小屋で休憩していた。
「ふう、なんとか、ここまで来たがまだ半分か。だが、ここまで来れば大丈夫だろう。そろそろ連絡が届いて迎えがくるはずだが……」
ホルンは椅子に座って休憩しており、スティーブは床に寝かされていた。
だが、そのときスティーブの左手がピクッと動いた。
「何ぃ! まだ動くかこいつ」
ホルンは少し身構えたが、スティーブはそれ以上動くことはなく、時々左腕が引っ張られるように少し動くだけだった。
「なんだ、焦ったぜ、左手が少し動くだけかぁ、そりゃあれだけ吸いとってやったんだ、動くはずがない」
ホルンは一度は安堵したがすぐに自分の矛盾に気付く。
「いや、今自分で動くはずがないと言ったばかりだろ! なぜ動くんだ? まさか!」
ホルンは小屋の扉を開けると、スティーブの左手はさらに引っ張られ、最後には左手は宙に浮いた。
その状況を見てホルンは頭を抱える。
「くそ、見えない糸か、いつだ。いつ糸をつけられた? いや、今はそんなことを言ってる場合ではない。今現在進行形で、糸をつけた奴はここまで追って来ているはず、もしかしたらあの岩谷とかいう脳筋もいるかもしれないな、あーもう! めんどくさくて頭痛がする」
するとその時、三人の兵士が小屋に入ってくる。
「今到着しました。どうしたんですか? ホルンさん?」
兵士はキョトンとした表情でこちらを見てくる。
「ああ、まずい事態になった。敵にここの場所が割れている可能性が高い」
「え! 本当ですか?」
「おそらくな、追ってくるのは大型タイプだ」
「俺とこいつは大型です」
三人のうち一番年上の兵士と若い兵士は大型タイプであった。
「じゃあ、その二人は今からスティーブの右手についてる糸を渡す。それを追ってその先にいる追手を倒せ。もう一人は今すぐこのことを王都にいる女王に知らせろ」
「ホルンさんは?」
「俺はスティーブを担いで王都に後で行く」
ホルンはおでこを手で押さえ、しんどそうな表情で言う。
「お疲れのようですから、私が代わりましょうか?」
三人のうち年齢が真ん中の男が言った。それに対して、ホルンは睨んで言う。
「もし、スティーブが起きたとき、こいつを抑えられるのは俺だけだ。いいからお前ら行け」
「わ、わかりました」
木の国の連中もそれぞれ動き始める。
その頃岩谷とノールは木の国の中、つまり森の中をを糸を頼りに進んでいた。
「あれ? 今糸がおかしかったような」
ノールは糸の異変に気が付く。
「どうしたんだ?」
「うん、糸の張りが一瞬緩くなった気がしたんだけど、今度は急に糸が引っ張られたような気がしたんだ」
「何? それはもしかしたら糸がバレたんじゃないか」
「え? 糸は透明だよ。バレるかな?」
「いや、こういう時ほど慎重にいこう。その糸をそこの木に括り付けてくれ」
岩谷は近くの木を指さす。
「わかったよ」
ノールは岩谷に言われたように糸を木に括り付ける。
「よし、反対側の木の陰に隠れよう」
すると10分後二人の兵士が現れ、糸をくくられた木までたどり着いた。
木の国の兵士たちは誰もいない森をキョロキョロする。
「先輩もしかしてこれって」
若い方の兵士が青い顔でベテラン兵士を見る。
「ヤバイ、待ち伏せされている。すぐキングバックを出せ!」
年上の男は自分のキングバックを出した。
だがその瞬間木たちの中からクリサリスストーンが現れ、反撃する間もなく殴り飛ばされ、ピクリとも動かなくなる。
「木ばっかりあってめんどくせえ国だが、隠れるには持ってこいだな。ん? まだもう一人いるじゃねえか。おら、出せよお前のキングバックを、潰してやるから」
岩谷は若い兵士に詰め寄る。
「ひぃ」
若い男は怯えながら、自分のキングバックを出した。
「こい、不意打ちした礼だ、一発殴らせてやるよ」
若い男は自分のキングバックを操作してクリサリスストーンズを思いっきり殴った。しかし全くびくともしていない。
「よし、一発殴ったな、なら、じゃあな」
クリサリスストーンズはパンチ一撃で若い男のキングバックを沈める。
兵士たちは自分のキングバックが倒されたことで、気絶していた。
クリサリスストーンズはしゃがんで両手を岩谷たちに差し出した。
「乗れ、ノール、もう糸はバレた。コソコソする必要はねえ、このまま奴らが来た方向をクリサリスストーンズで突っ走る」
「う、うん」
岩谷とノールはクリサリスストーンズの手のひらに乗り、そのまま木をなぎ倒しながら、森を突っ走って行く。
そして怪しい小屋があるところに着くと、降りて小屋の中を調べる。
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