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キングバック   作者: 君子な在る虎
森林浴 デットチェイサー編 ~森の中を探検しよう! 命は保証しないけど~
24/205

最強の植木鉢Part3

これは分割編集版です。

多少表現が変化していますが内容に差はありません。

 キングバック「最強の植木鉢Part3」


 

 サーセイバーは一気にホルンとの距離を詰める。


「ああ、今後があるのなら覚えておくといい」

「やべ⁉」


 サーセイバーが接近し、咄嗟にホルンは自分のキングバックに左腕でガードをさせた。

 だがこれをスティーブは見破っており、剣を下からすくうように振り上げ、ガードを崩し、振り払われた左腕は守りたい胴体から左上方向に離されていく。

 その左腕がちょうど肩と水平になった頃、サーセイバーは既に突きの構えをしていた。


 そしてサーセイバーの剣による突きは左腕のレンガ同士の隙間を通り、左腕の真ん中を貫通し、剣はそのまま木に突き刺さった。


「まず、その自慢の左腕を封じる」

「痛え、完全に貫通してる! 傷はなくとも痛覚は共有してんだからよ」

 ホルンは焦った口調で言う。


「大丈夫だ、すぐ気絶させてやる。次起きた頃は捕虜だな」

「おいおいそいつは、困るな!」

 そしてホルンのキングバックはレンガを纏った右足による蹴りを行おうとすっと右脚を持ち上げる。


「そうはさせるか!」

 サーセイバーはホルンのキングバックより速く左脚による蹴りでホルンのキングバックの頭部を破壊しようとした。


 しかし、サーセイバーの蹴りがホルンのキングバックの頭部に叩き込まれようとした次の瞬間、ホルンのキングバックの右手のひらがサーセイバーの左脚よる蹴りを脚のすねあたりで受け止めていた。


「ふふふ、なんてな♪」

 ホルンは笑みを浮かべる。


 サーセイバーの渾身の蹴りを無理に右手で受け止めたことにより、右手は大きなダメージを受けサーセイバーの左脚を離した次の瞬間には、サーセイバーの左脚には大きな植物の種のような物が埋め込まれていた。


「な、なんだこれは?」

 スティーブは不思議に思い、サーセイバーはその種に触れようとした瞬間、もの凄い脱力感によって、サーセイバーとスティーブはその場に膝を着いた。


「な、何だ⁉ か、身体がだるい? 一気に力が抜けていく、何をした!」


「はは、奥の手は最後まで隠して置くもんだぜ。これが俺のキングバック、グロウシード・スティッキーホルンの力だ」


 グロウシード・Sは傷ついた右手で左腕に刺さった、剣を引き抜き、グロウシード・Sの後ろに投げ捨てる。

 しばらくすると、傷ついた右手や左腕の剣が刺さった傷口がみるみるうちに治っていく。


「お前まさか、俺から力を吸い取って自分の物にしているのか」

 スティーブは辛そうに顔を上げる。


「察しがいいな、そう、その種を植え付けた者は俺から力を吸い取られ続ける。さて、お前ももう終わりだ。殺さない程度に衰弱させてこのまま王都に連れていくとするか」


 そしてホルンはグロウシード・Sに指示し、スティーブを担ごうと近づいたとき、スティーブは力を振り絞って、サーセイバーを動かし、ホルンに殴り掛かる。


「うおおおおお、やれサーセイバー!」

「何⁉ こいつ、まだこんな力が残っていたのか! だが、さっきより鈍い鈍い! あのスピードに慣れたせいかまるでスローモーションをかけたような動きだ。そんなに元気ならさらにもう一個プレゼントしようか」


 グロウシード・Sはサーセイバーの胴体の鎧の真ん中に種をさらに埋め込んだ。


 種を埋め込まれた衝撃でフラフラになるサーセイバー、また種がさらに追加ことでさっきより強く力を吸い取られ、今度こそスティーブとサーセイバーは倒れてしまった。

 ホルンは倒れたスティーブを見る。


「うーん、種を打ち込まれて動いてくる奴なんか初めてだ。まだ意識があるかもしれないな。よし、サーセイバーの首を飛ばして、気絶させるのが手っ取り早いな。じゃあ、お前の剣借りるぞ」


 ホルンはそう言うとグロウシードは投げ捨てた剣を右手で拾い、倒れているサーセイバーの首に狙いを定めて剣を振り下ろした。


 しかし、その振り下ろした剣は地面の土をえぐりはしたが、地面の上にはサーセイバーの首は落ちてはいない。

 ホルンは自分の目を疑った。さっきまでピクリとも動かなったサーセイバーがその場に立っているからだ。


「何故だ、二つも打ち込まれて動けるやつなど、お前大型タイプかよ!」

 ホルンは地面に残されたあるものに気が付く、それはサーセイバーの胴体の鎧だった。


「鎧は脱ぎ捨てたのか! 一体化してないのか!」

 ホルンは自分の中に建てたある仮説が崩れたことに驚きを隠せないでいた。


「いや、お前の判断は正しい。サーセイバーが脱ぎ捨てることが出来るのは胴体の鎧だけだ。初めお前のキングバックはサーセイバーの顔面を殴ったが、そのときの感触で鎧と一体になっていると判断したのだろう?」


「ちっ、そうだ、だが俺の勘違いってわけか! まあいい、既に一個種を打ち込んだんだ、そう俊敏には動けはしまい、これで終わりだ!」


 グロウシードは速い速度で剣を水平に振り、サーセイバーの首を飛ばそうとした。

 だがサーセイバーはそれ以上のスピードでしゃがんでこれを回避し、左の袖から、刃の短い日本刀を取り出し、そのまま左手で持って振り上げ、グロウシードの剣を持った右腕を切り落としてしまった。


「何ぃ! クソ右腕が」

 グロウシードの右腕は地面に落ち、ピクリとも動かなくなる。ホルンの右腕もこれに連動して、ぷらーんとさせる。


「はぁはぁ、奥の手を隠すのはお互いのようだな」


 二人とも肩で呼吸をする。


「く、一体どこにそのスピードを出す力があるというのだ?」

「正直かなり、きついがな、重い鎧を脱ぎ捨てたからなんとか出すことが出来たもんだ」


「(右腕がない状態での勝率は高いほうか? いや、いくら鎧を捨てたとしても種を打ち込まれた状態でのあの速度は異常だ。そもそもこういったエネルギー吸い取る攻撃に耐性がある可能性もある。ここで決めに行くのはリスクだ)なあ、ここでお互いにためになる提案があるんだが、聞くか?」

 ホルンは困った表情でスティーブを見る。


「いいだろう、聞こう」

「今日の所は痛み分けにしないか」

「……そうだな、この疲労感、このままふかふかなベットで寝たい気分だ」

「決まりだな、じゃあ俺たちはここで解散ということで! また、近い将来会おう!」

 そう言い残すとホルンはそそくさと森の中に消えていった。


「じゃあな、ホルン・O・スレッカー、その名しっかり覚えておくよ」

 このときになってスティーブは自分がまだ双子石を壊していないことに気が付いた。


「あー、忘れてしまっていたな、だがそんな隙与えるような奴ではなかった」

 そしてスティーブは双子石を壊し、その酷く疲れた身体を引きずるようにセンドウに向かった。


 ホルンは森に入ったものの、遠くからスティーブがその場から去るのを遠巻きに見ていた。

 スティーブが去った後、ホルンは森から出てきて地面に残っていたグロウシードの右腕を回収する。 


 そしてホルンはグロウシードの右腕を少し見た後、遠くにいるスティーブの背中を見て呟く。

「……近い未来と言うのは、案外一瞬にことかもしれないぞ、スティーブ」


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

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