最強の植木鉢Part1
センドウに巣食う、木の国の敵たちと対面し、彼らと戦いを繰り広げる岩谷とスティーブ、敵のカムラは時間稼ぎのためにその命を散らす。
仲間の死に憤慨するチイラは岩谷たちごとセンドウの町を攻撃しようと大規模な攻撃に出る。
これを防ぎきることが不可能に近いと察した二人は自分たちだけ逃げるべきか考えてしまう。
そのとき、岩谷の中のキングバックが岩谷の精神世界であるアドバイスをする。そのアドバイスにより、自分のキングバックがまだ、成長段階であると気づいた岩谷は自分のキングバック、クリサリスストーンズを脱皮させ、ダイヤモンドビートルに覚醒させる。
その力を持って、木の国の敵を退けるのであった。
キングバック「最強の植木鉢Part1」
チイラのキングバックが出した根っこから町を守った岩谷とスティーブの二人は町を守った英雄として手厚く歓迎されていた。
「スティーブさんと岩谷さん、どうぞ遠慮なく、困ったことがあったら何でも言って下さい」
二人はセンドウのいいホテルに泊まらせてもらううえに豪華な食事まで出されていた。
「いや~このセンドウに来てからまともに休めなかったから助かるぜ、けどこんなに良くしてもらって悪いな」
「いいじゃないか、それだけ俺たちは頑張った」
「連戦続きだし、スティーブは背中を怪我しているしな、まあいいか。で、今後どうするんだ?」
「このまま木の国を調査するのもありだが、まずバルターに別の情報を売ってもらうのはどうだ?」
「うん、今回の戦いで実質奴の命を助けようなもんだからな、何か情報はもらえるだろ」
「そうだといいな」
次の日、俺たちはバルターが滞在していた部屋にやって来たがそこにはバルターの姿はないどころか、荷物さえも空っぽだった。
「物家の空じゃないか!」
「昨日の今日だ、まだ近くにいるかもしれない。周りの人に聞き込みをしよう」
「ああ、そうしよう!」
俺たちがしばらく町で聞き込みをしていると、歩いているオーナーのカルザを見つけた。
「あらぁ、お二人さん、木の国を追い払ってくれてありがとうねえ」
「ああ、それよりバルターがどこに行ったか、あんた、知らないか?」
「え? バルター? 誰よそれ?」
「バルターだよ。情報屋の」
「情報屋? この町にそんなのいたかしら?」
カルザは本当に何も知らない様子でキョトンとしている。
「もしかしてバルターのこと忘れちまったのか?」
「そもそもこの町の人々はバルターの記憶についてあやふやだった節がある、初めから何かの細工をされていたのかもしれないな」
「なるほど、後から来た俺たちには記憶の細工がされていないからバルターのことを覚えているのか」
「おそらくな」
「あ、あの~あなたたちは一体何の話をしているのかしら」
カルザは全く話についていけてない。
「いや、こっちの話だ」
「そ、そう。じゃあまたお店に来てね」
カルザを振り去って行く。
「ああ、また、機会が、あれば、行く、かも、しれない」
スティーブは何とも歯切れが悪い。
「(スティーブ……絶対行く気ないな)」
その後俺たちはバルターを探し回ったが結局、見つけることが出来なかった。
「バルターの野郎、どこにもいないなぁ」
「もしかしたら俺たちに見つかったすぐ後にここを発った可能性が高い。それに目撃者情報すらないとなるとこれ以上バルターを追うのは不可能だ」
「まあ、見つけれねえなら、しゃーねえな。まだ他にもやることいっぱいあんだろ、バルターはまた今度にしようぜ」
「そうだな、だが案外あっさりしているんだな」
スティーブは不思議そうにこちらを見る。
「スティーブが不可能と判断したんだ、それを信じるさ。それに……」
「それに?」
「奴には近い将来会える気がするんだよ」
「……そうか、治が言うならいつか奴には会うのかもしれないな」
「はは、俺も俺だが、スティーブも俺のこと信じすぎだろ」
岩谷は少し嬉しそうに言った。
ーー治には何か不思議な力を感じる、だからこそ信じられるのかもしれないな
俺たちはより仲間意識を固め、次の目的を木の国に定めた。
「スティーブ、その背中の怪我、治ってないだろ? 次に移っていいのかよ?」
「大丈夫だ。次は戦闘メインじゃない」
「何をするんだ?」
「情報収集だ。俺たちは現在迫って来た敵をただ追い払っているだけだ。それだけではこの戦いを制することは出来ない。ジリ貧なだけだ」
「反撃ってわけか」
「そうだ。だがやみくもに突っ込んでも俺たちでは物量で負ける。なら作戦を立ててこちらが有利な状況を作り出すしかあるまい」
「なるほど、で調査に出向くのが木の国ってわけか」
「ああ、この間の戦闘でこちらもダメージは受けたが向こうはさらに大きなダメージを受けたはずだ。双方の痛み分けだが、こちらの戦力の低さからこのタイミングでこちらが潜入してくるとは向こうも思うまい」
「なるほどね、今までの防戦一方の俺たち太陽の国が急に攻めに回るとは考えないよな」
「まず、安全に侵入するにはルートを確保する必要がある。バルターがどっかに消えた以上、前に貰った情報が100%確かとは言えない。その侵入ルートが正しいのか確かめる必要がある。だがあくまでこの作戦は俺たちが安全に木の国に侵入するための物だ。敵と遭遇することがあったら倒すことよりまず、逃げること優先しろ」
「わかった。今回も別行動か?」
「そうだな、効率を重視することにしよう。前と同じで双子石の片割れを治に渡しておく、敵に見つかったらそれを壊すんだ。その後無駄な戦闘はせずここに戻ってこい。そして今から4時間後には成果に関わらず、必ずここに戻ってくること。もし30分経ってもどちらかが戻って来ない場合は片方を捜索しよう。ただし、深追いはしない。わかったか?」
「わかった」
「よし、俺は西、治は東の方を探索しよう」
そして俺たちは分かれて各自木の国の安全な侵入ルートを探すことになった。
この度はキングバックを読んでいただきありがとうございました。
まず、突然消えた情報屋のバルター、彼は一体何者だったのでしょうか。のちに出て来るので少しでも覚えていて欲しいです。
今回は木の国No.2、ホルンが登場しました。彼は小型タイプ最強の男です、かなりインフレしてますね、今回はとても最強に思えない感じでしたが、次の回では彼の強さが出てきます。
また次回も読んでいただければ幸いです。
今日のキングバック
スナッチズ&ウォーカー
パワーD、スピードB、特殊エネルギー性C、行動距離A、耐久性 スナッチズE ウォーカーC、精密性D
センドウにやってきた岩谷たちをつけていた男クラスチェの使うキングバック、高い行動距離を持ち、遠隔で情報や証拠などを集めることに特化したキングバック、戦闘向きではない。
ウォーカーは腕がなく、戦うときなどは脚で行うが、あまりオススメしない。ウォーカーには口がないが、顔を対象に押し付けることで、取り込み、取り込んだ物を、スナッチズとして生み出す能力がある。
本人曰く、スナッチズはほぼ無限につくることが可能だが、100以上は管理することは難しいようである。スナッチズ自体にあまり脅威はなく、攻撃力も低い、しかしやられたときに元の物に戻るため、これを利用して罠を張ることが出来るが、クラスチェはその能力を存分に発揮できていないことが多い、というよりもあまり残虐な発想が出来ない性格からか、能力を使った戦法が思いつかない。
また、スナッチズは元がキングバックではなく、物のため、一般人でも触れることが可能などころか、キングバック無しでも場合によっては勝てる。




