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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part5.故郷の狂愛者ザキュナ]
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浸透爆破

遂にザキュナと対面したゼドとノレド、覚悟を決めたゼドとノレドの猛攻により、追い詰めたかに思えたが、そこには水の肉壁で身を守るザキュナの姿があった。

 キングバック95話「浸透爆破」



 ザキュナは本気を出し、水で出来たイカのようなクラーケンを生み出し、その中に逃げ込む。

「ノレド、行くぞ!」

「はい!」

 二人はクラーケンに向かって行く。


「圧死しろぉ!」

 クラーケンの触手が二人に向かって振り下ろされる。


 二人は触手の攻撃を素早く躱す。

「ノレド、あの触手に物理的にも当たってはいけないが、触れるのもダメだ、一度触れるとくっついて離さないからな」


「はい、知ってます。粘着気質な女なのは知ってます」

「……そう、だな」

 ゼドは一瞬、疲れたような顔をする。


「私がイカを爆破して、ザキュナを引きずり出します。だから、本体はお願いします」

「分かった」

 二人は離れ、別方向から攻めていく。


 ノレドは随時シャボン玉を発生させ、クラーケンを攻撃する。

 シャボン玉の爆発で多少怯ませてはいるが、決定打にはならず、破損した部分は一瞬で再生される。


 ゼドも触手を避けながら攻撃の機会を伺っているが、なかなかその機会は訪れない。


 ーーチャンスは一度きり、ザキュナ本体を攻撃するとき、必ずあの水に触れることになる。倒すことが出来なければ動きを封じられジ・エンドだ。


「あーもう、ちょこまかと! 生身でここまで戦うなんて、この化け物が!」

 ザキュナはクラーケンの中から叫んでいる。


「いや、見た目明らかに化け物な奴に言われたくないな」

「うるさい! これでも食らえ!」

 ザキュナはそう叫ぶとクラーケンの頭部から小さな水の弾が複数ゼドに向かって発射される。


 ゼドはこの弾を難なく避ける。しかし、避けた水の弾は床に着弾すると、そのまま床に引っ付くのではなく、その場で跳弾する。


「何!?」

 ゼドはこの跳ね返った水の弾を何とか回避しようとするが、1発回避し損ね、左踵に着弾。

 そのまま床のカーペットと左足がくっついてしまう。


「ぐ、足が」

「まずは1匹捕まえた♪」

 さらにゼドを拘束しようと次の水の弾をクラーケンは撃ち出す。


 足を固定されたゼドにこれを回避する手段はない。



 そして水の弾はゼドに着弾する。かに思えた。

 ゼドに着弾する瞬間、ゼドの身体を大きなシャボン玉が覆っており、水の弾はシャボン玉の表面に引っ付き、難を逃れる。


「助かったノレド!」

「とにかく早く立て直して下さい!」

「分かった」


 ゼドはマリカの剣で踵に付いた水の弾を避けるようにカーペットを切り取る。カーペットの一部は足にくっついたままだ。


「少し歩きにくいがまあいい。ザキュナがカーペットを敷くオシャレ様で助かった」

「あ! それ私のお気に入りなのに!」


「ここで戦っているんだ、どうせ汚れる」

「ほんと、昔からそういうところあるんだから!」

 ザキュナは少し怒っている。


「師よ、そのシャボン玉を盾にして突っ込んで下さい! 私があのイカの肉壁をこじ開けます!」

「ああ!」

 ゼドはシャボン玉に包まれたままクラーケンに向かって走る。


「私も少し本気を出します」

 ノレドはそう言うと小型のシャボン玉を大量に剣に纏わせ、クラーケンに向かう。


「触れたらくっつくのなら、たくさんくっつければいい!」

 すると、ノレドは剣をクラーケンに向かって振るう。


 それと同時に剣から無数の小型シャボン玉がイカの胴体に向かって飛んでいき、シャボン玉は当然の如く、クラーケンの胴体に張り付いていく。


 粘着性の高い水で出来たクラーケンの胴体にシャボン玉が張り付くことは予想されたことである。


 問題はここからだ。その水はゼドの剣を受け止めたとき、絡みつき、深く沈み込んでいった。


 一つのシャボン玉がくっついたのならただそれだけだ。しかし、さらに後ろから他のシャボン玉が押し寄せて来たらどうなる?


 無論、先に張り付いたシャボン玉は中に浸透していく。


 表面に取り付いたシャボン玉を爆破させるだけでは威力に欠ける。

 だた、内部に入り込んだシャボン玉が爆発すれば、ただでは済まない。


 ノレドはそのことを計算に入れ無数のシャボン玉を放出したのだ。

 そのノレドの計算どうり、クラーケンはシャボン玉を深く内部まで飲み込んでしまった。


「その厄介な性質が逆に仇となりましたね、ザキュナ先輩」

「の、ノレド、ちょ、まっ」


「爆ぜろ!!」


 ザキュナの声を無視したノレドの合図と共にクラーケンは内部から大爆発を起こす。


「ぎゃああぁぁあああああ!!!」

 ザキュナの断末魔が聞こえる。

 声を発していることから、まだやられていない。


「我が師!」

「ああ、とどめだ!」

 ゼドは剣を構え、煙で見えないクラーケンの胴体に飛び込んで行く。


 そしてゼドがイカの胴体に到達した瞬間、煙は立ち消え、爆発による影響が明らかになる。

 確かに、内部爆発により、クラーケンの胴体は大きく損傷し、抉れていた。


 だが、そこにザキュナの姿はない。

 爆発で消え飛んたわけではない。

 それならば、血痕など何かしらの死んだ証拠が残るはずだからだ。


「何処に行った⁉」


「クラーケンが一体だと言ったかな?」

 ザキュナの声が聞こえた瞬間触手が床を突き破ってゼドを捉え、そのまま壁に叩きつける。


「がはっ⁉」

「師!」

 辺りの床が崩れ始め、崩れた床から下の階が見える。


 なんと、上下が反転したクラーケンがもう一体こちらの階にいるクラーケンと合体し、床を突き破って下の階へ飛び出していたのだ。

 クラーケンを内部爆発させる瞬間、合体しているもう一体の方に瞬時に移動したようだ。


「く、初めからカーペットどころかこの屋敷ごと無茶苦茶にする気だったということね」

「ええ、そうよ。ゼドは捕まえた。後はあなたをゼドの前で殺すだけよ」


「まだよ、はかなき(フリーディング)爆弾魔(ボンバー)!」


 ノレドは最後の手段として自身の大型タイプのキングバック、はかなき(フリーディング)爆弾魔(ボンバー)を出現させる。

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

ザキュナ戦も進行してきました。捕まったゼドに遂にキングバックを使うノレド、どのような結末になるのかお楽しみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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