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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part5.故郷の狂愛者ザキュナ]
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必然たる裏切り

ゼドの過去が明らかになる。

 キングバック89話「必然たる裏切り」



 レジスタンスに入りたいと言うザキュナを俺たちは喜んで入れた。

 しかしこれが間違いだった。


 初めは上手く行っていた。

 アルファラスからの信頼が強いザキュナは俺たちよりも確かな情報を入手して来る。


 しかし、過激な作戦を立てるザキュナと一般人への被害を出したくないマリカは強く衝突した。

 俺はよく二人の仲裁に入ることが多かった。


 ザキュナは俺によく賛同を求めて来た。

 しかし、俺はザキュナの案に賛同することはなかった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「何度言ったら分かるの? そんな作戦は賛成出来ない。一般人を巻き込むことはしたくない」

「いい加減現実を見なさいよマリカ、そんな甘いやり方じゃあアルファラスを倒せない!」


「そんなことをしては世間の評判も悪くなるわ!」

「世間の目? そんなものアルファラスに勝ってしまえば後からいくらでも統制出来るじゃない!」


「あなたって人は……」

 マリカは軽蔑の目でザキュナを見る。


「何よ、私がおかしいって言いたいの? ね、ねえ、ゼド、あなたは私の考え分かるわよね?」

 ザキュナは助けを求めるようにゼドを見る。


「……ザキュナ、悪いけど俺も賛同出来ない。君のやり方はアルファラスそのものだ。君は少しアルファラスに染まり過ぎだ……」

「ゼド、あなたまで……もういいわ!」


 ザキュナは淡いピンクの長いロングヘアーをなびかせて部屋を飛び出していく。


「はぁ、ザキュナ、いつからあんな感じなってしまったの?」

 マリカは頭を抱える。


「……君より後始末隊に長くいたから、少し攻撃的になっているだけだ。もう少し休んだらきっとザキュナも君の考えを分かるようになるさ」

「……そう、ね。いつもありがとうゼド」

「構わないさ、君のためなら」


 そう言うとゼドとマリカは軽く唇を重ねる。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 しばらくして、俺とマリカは結婚した。


 レジスタンスも以前と比べて大きくなり、何もかも上手くいっていると思っていた。


 しかし、ある日、マリカが捕まった。

 レジスタンスであることがアルファラスにバレたんだ。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はは、いい仕事をしたなぁ、ザキュナ」

 アルファラスはマリカの首掴み、持ち上げている。


「はい、アルファラス様のためならかつての友も関係ありません」

 ザキュナはアルファラスに頭を下げる。


「ザ、ザキュナァ、貴様ぁ!」

 俺はザキュナに掴みかかる。

 しかし、あっさりザキュナのキングバックに押さえつけられる。


「離せ! 離せ! ザキュナァ!」

 ゼドは暴れる。


「ゼド、少し黙って」

 ザキュナが俺の唇に触れる。

 すると、口が動かせなくなる。

「うー、んんん⁉(喋られない⁉ ザキュナの能力か!)」


「で、ザキュナ、他にはレジスタンスはいるのか?」

 アルファラスはギロッと拘束されているゼドを見る。


 アルファラスの視線に俺が入った。


 その瞬間、俺は死を覚悟した。

 それほどの圧を感じた。


 俺は、こんな奴を倒そうとしていたのか⁉

 む、無理だ。勝てない。俺たちが足掻いたところでこいつには、()()()()


 そう本能で理解させられた。


「アルファラス様、このゼドは愛妻家ではありますが、レジスタンスではございません。マリカは愛故に危険なことに巻き込みたくなかったのでしょう」

「……ふーん、そっか、ならいいや」

 アルファラスは興味を失ったのか俺の方を見なくなった。


 そのとき、マリカが危険だと言うのに、俺は一瞬ほっと、安心してしまった。


 ()()()()


 しかしすぐにその感情は罪悪感へと変わる。


「じゃあ、そろそろ処刑するね、何か言い残すことはない? それくらい最後に言わせてやるよ」

 アルファラスは首を絞める手を緩める。


「がっ、ごほごほ、はぁはぁ」

 マリカはこちらを見てくる。


 ダメだ、ダメだ、やめてくれ。


「……ゼド、あなたは生きて」


 やめろ! やめろ、やめろやめろやめろ、やめろぉぉぉぉおおお!!


「じゃあ死ね」

 そしてアルファラスはあっさりとマリカを殺した。



 その後マリカの死体を故郷に埋めた。

 マリカの死をきっかけに、せっかくまとまっていたレジスタンスは再び散り散りになった。


 俺はマリカが眠る故郷にいるのが怖くなり王都に戻った。

 

 それからは常に自殺を考えた、何度も何度も、そうすればマリカに会える気がしたからだ。

 だけど、マリカの最後の言葉が俺をギリギリの所で踏みとどまらせた。


 マリカと住んだ、一人暮らしには広い家の戸をコンコンと叩く音が聞こえる。


「ゼド、また鍵開けっ放しだよ、不用心なんだから、あーもう、またごはん食べてない。食べなきゃ」

 ザキュナが俺の部屋に入ってくる。


 ここ毎日俺の家にやって来る。

 マリカを売ったくせに何故毎日ここに来るのだろう?


「何で毎日来るんだよ」

 ゼドはザキュナを睨む。


「何って、心配だからだよ。私が疲れたとき、助けてくれたでしょ? だからそのお返し」

 そう言ってザキュナは笑って見せる。


 俺は目の前にいるこの女が得体のしれない何かに見えた。


「もう、俺の前に現れないでくれ」

「え? 何? どうしたの?」

 ザキュナはポカンとした様子だ。


「もう、ここに来るな」

「確かに誰にも会いたくないのは分かるけど」


「俺はお前に会いたくないんだよ!!」

「何よ、何よ何よ何よぉ! 何で私じゃあダメなのよ! あの女なのよ!」


 そう言って泣き腫らしたザキュナは俺の前から消えた。


 それから俺は引きこもる日々を過ごした。


 そんなとき、故郷でレジスタンスのたまり場になっていた酒場をやっていたギースが王都の女と結婚して近くに引っ越して来た。


 そして何年も経ったある日、ギースを連れたお前たちが俺の前に現れた。



「俺たちよりもずっとアルファラスとぶつかって、それでも諦めずに戦うお前たちを見て、俺も前に進まなくてはいけないと思ったんだ」



「ゼド……」

 俺はゼドの過去を聞いて何も言葉が出なかった。

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

今回はゼドに関する回でした。彼は結構鈍感でモテる主人公体質の人物です。

しかし、まあモテるからといってハーレムに繋がるわけもなく、シンプルに破滅の道にいってしまったわけです。

何と言うか、作者はどうも感情面はリアルな感じに書いてしまうのですよね。たぶんこれは癖ですね、もっと分かりやすくすべきなんでしょうけどどうしてもキャラに感情移入してしまい、リアルにしてしまいます。

長くなりましたが次回をおたのしみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterでは作品に関する情報を提供するかもしれません。

作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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