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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part4.反転少女リリナ&精密狙撃手ルペル]
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本当の私

リリナの過去に一体に何があったと言うのだろうか?

 キングバック81話「本当の私」



「そんなに聞きたいのなら教えてあげる。今までのつまらない人生を」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私はリリナ、ファミリーネームは知らない。


 両親は物心ついた頃にはいなかった。


 ずっと、今まで一人。


 私は何処にあるか分からない施設で育った。


 今にして思えばそこはキングバックに関する研究所なんだと思う。

 その研究所では様々な拷問めいた実験を日々繰り返されていた。


 痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、ただそれだけを感じる日々。


 私だけじゃなくて、他にもいっぱい子供がいた、みんなハイライトがないような目をしていた。

 きっと私も同じ目をしていたんだと思う。


 何日も何日も朝か夜かもわからない毎日を過ごしたある日、私は少し広い部屋に他の子供たち共々閉じ込められた。


 閉じ込められたことは何ら特別なことではない。

 いつものことだ。逃げられないのはいつものことだ。

 ただ、いつもと違うことはその部屋に大人が1人としていないことだった。


 そのときはただ実験を行う大人がいないのは楽でいい程度の気持ちだった。

 しかし、突然に部屋に大人の女性の声が響きわたる。


「はぁ~い、元気でしょうか? 子供たち諸君。死んだ目をしているところ悪いんだけど、みんな生きたくなぁい? ここから出たくなぁい? うんうん、分かるよぉ、その気持ち。でもね、こんなにいっぱいいらないんだよねぇ。だから、ここから1人だけ出してあげる。だからね()()()()!」


 みんなキョトンとした様子で、しばらく争い始めることはなかったが、突如1人の男の子が別の男の子に襲い掛かる。


 一つ争いが生まれればそれが伝染していき、一気に殺意に満ちる。

 それまで精気のない子供たちの目に殺意が灯り、一つまた一つと醜い争いが跋扈する。


「な、何、これ? きゃあ!」


 状況に混乱するリリナに背後から一人の少女が覆いかぶさる。

 そのまま少女はリリナの首を絞め、リリナは必死に振りほどこうと首を絞めてくる手を握るが、首を絞める力は一向に弱まらない。

 完全に私を殺る気だ。


 死にたくない。

 死にたくない。


 こんな勝手な都合で、余興のように、死にたくない。

 

 それはきっとここにいるみんな同じだ。


 なら、自分のために他人を殺す覚悟があるのなら



 ()()()()()()()()()()()()()()()



 突然、私に覆いかぶさる少女が血を吐いて倒れる。


 少女は力が抜け、倒れる。

 少女の腹は大きく裂け、切り口は刃物だ。


 すると、私の前に円形の刃が連なった剣を持った、黒い身体に白い矢印のラインが走るキングバックが立っている。


「わ、私を助けてくれた?」


 キングバックはかがむと倒れている私に手を差し出す。

 私はその手を取る。


「……分かった。ロキ、せめてみんな苦しませずに殺してあげて」


 私がそう言うと、ロキは次々と子供たちを刺し殺していく。

 しかし、子供たちは痛み苦しい顔をせず、むしろ快楽に震えた顔で倒れて行く。


 血に濡れたロキの白い矢印のラインは赤く染まっていく。


 その頃には部屋には私しか残っていなかった。 



 すると、開かなかった部屋の扉が開き、そこから白衣を着た女が入ってくる。


「あはは、いいわね、今回は実に当たりかな?」

 不気味に笑う女からは正気を感じられない。

 しかし、この狭い世界(研究所)の中では狂っている者ほど正常だ。



「……」

「君はキングバック能力を覚醒した。これからもっとその力を活用させてもらうよ。私はネイビー・プランこれからもよろしく!」


 それから私はネイビーの言われるがままに施設でたくさん殺した。


 不必要とみなされた者を始末した。

 なぜなら、私が殺した方がみんな苦しまないから。


 他の能力者もころした。

 ネイビーが喜ぶからコロシタ。


 たくさんコロしたとき、気が付いた。


 あれ? ロキの身体ってこんなに赤かったっけ?


 ロキのラインは赤黒く染まり以前の雰囲気とは大違いだった。



 鏡を見て気が付いた。

 私の顔ってこんなんだっけ?


 常に口角が上がっている私がそこにはあった。


 

 どうして、笑っているの?

 

 あんなに嫌だった殺しに快楽を感じているの?


 もしかして、ロキ、あなたが私が壊れないように、反転させたの?


 ありがとう。優しい私のトリックスター、でもね、でもね、私、もうどっちなのかわからなくなっちゃった。


 どっちが本当の私か、分からなくなっちゃった。



 ねぇ、本当の私ってなんだっけ?



 教えて、教えてよ、治お兄ちゃん




「そんなものどうでもいい!!」

 岩谷は叫ぶ。


「え?」


「過去のお前が何者かなんかどうでもいい、今、お前はどうしたいんだ? ここまで生きて来たんだろ! なら、何をしたいか、それを言え!」

 

 何がしたいか、そんなこと決まっている。


「普通に生きたい。普通の女の子みたいに、遊んで、おしゃれして、恋をして生きたい!」


 私は長く心の底に隠してきた本当の想いを口にした。


「なら、それが本当のお前だ! 俺に任せろ、そんなありのままのリリナが普通でいられる世界に俺がするから」


 岩谷はそう叫ぶとリリナを抱きしめる。


「うん、うん、ありがとう」

 リリナは涙を流している。


 すると、突然リリナは岩谷のほっぺにキスをする。


「な⁉ リリナ⁉」

 岩谷は顔を赤らめる。

「お礼、私もやりたいことをする」

 リリナは下を出して小悪魔のように笑う。


「ははは、やれば出来るじゃん」

 岩谷は優しく微笑む。



 そのとき、岩谷の後ろの建物の屋上付近で何かが光る。

 もちろん、岩谷はそのことに気が付いていない。


「危ない!!」


 リリナはロキで防ごうとするが、ロキは動かない。

 だから、リリナは岩谷を突き飛ばす。


「うわっ⁉」

 岩谷は突き飛ばされ、バランスを崩し、大きくこける。


 その瞬間、先ほどまで岩谷がいた付近を弾は通過、見事岩谷に当たらなかった。


 しかし、その弾はリリナの腹部に消える。

 

 リリナの服に血が滲む。

 

 そしてリリナは何も言わずその場に倒れる。

 


このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

壮絶なリリナの過去、そしてネイビー・プランと言われる新たな人物の登場、これからの展開をお楽しみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想など是非よろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterでは作品に関する情報を提供するかもしれません。

作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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