甘い男
リリナの策略によって片足を撃たれ、さらに感覚が反転してしまったスティーブ。
この困難をどう乗り越えるのか?
キングバック79話「甘い男」
リリナのキングバック、感覚が反転したスティーブに向かってロキは剣を振り下ろす。
しかし、ロキが剣を振り下ろした先にスティーブはいない。
サーセイバーがスティーブを引っ張り、剣に当たらないようにしていたのだ。
スティーブはサーセイバーに掴まる。
サーセイバーはその場に立ち上がる。
「な⁉ 感覚が反転しているはず⁉ なんで? 動いてるわけ⁉」
リリナは目を丸くしている。
「簡単なことだ、反対に動くなら、脳内で反対に動くようにイメージすればいい」
「はぁ? そんなこと普通できるわけ……」
リリナは驚きを隠せない。
「ここまで生きて来た奴が普通なわけあると思うか?」
「アハハ! そう言えばアルファラス様から逃げおおせたんだったわね」
「さぁ、そこをどけ、さすれば見逃してやる」
「アハ! そうは言うけど、いくら脳内で意識しても反応速度は遅れる。私に勝てるわけ?」
「やってみろ、案外俺は弱いかもしれないぞ」
「じゃあ、試してみるね!」
「ああ、来い!」
サーセイバーとロキは共に剣を構えて衝突し、共に切り抜ける。
サーセイバーの左手が大きく切り裂かれている。
「アハ! 私の勝ちね」
リリナはニヤッと笑う。
「果たしてそうかな?」
「え?」
リリナがロキを見た、次の瞬間ロキの右腕に大きく亀裂が入り、剣を落とす。
「な、何⁉」
「利き腕をやった、俺の勝ちだ」
そう言うと、スティーブはサーセイバーに掴まったまま、サーセイバーは素早く、建物の壁を登って去って行った。
「ははは、チート過ぎでしょ、反応速度が落ちて、ロキ以上の速度なんて……でも、所詮、甘い男ね、子供だからって私を見逃して、それで足元をすくわれるわ」
リリナは悔しそうな顔をする。
ーーこのまま何も無しにアルファラス様の元に帰れるものですか!
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一方ルペルは
「スティーブも足を撃ったはいいが、どうなったんだ?」
ルペルは自分のキングバックを出し、スティーブの足を撃った。
そのキングバックはスナイパーライフルを持ち、水色の身体に所々に赤黒い鉄のように硬そうな模様が浮き出ている見た目だ。
ルペルのキングバックはスナイパーライフルを構えており、ルペルは望遠鏡を持って、建物の陰になっている所を観察している。
その時、背後からザッザっと微かに足音が聞えた。
ルペルは何かおかしいと思い、振り向くとそこには岩谷がいた。
「な、き、貴様は!」
「あ、やべっ! バレた!」
そう言うと、岩谷はルペルに向かって走り出す。
「お前はただの囮じゃないのか⁉」
「そうやって、油断こいてると、生身の人間に負けるぜ!」
岩谷はルペルにアッパーカットを食らわせる。
ルペルは咄嗟に防御したが、殴られた衝撃で望遠鏡を手放し、4階から落としてしまう。
「クソ、望遠鏡が! R・ショット、こいつを撃て!」
R・ショットはライフルをこちらに向けてくる。
「はっ、そんなでか物、遅ぇ!」
岩谷はライフルの射程内に入らないように、懐に入り回避する。
「クソ、頭の回る男だな!」
ルペルは懐から拳銃を取り出し、岩谷向ける。
「げぇ! それはダメだ!」
岩谷は青い顔をする。
「知らん死ね!」
ルペルは銃を岩谷に向けて発砲する。
しかし、岩谷はR・ショットの後ろに回り、銃弾の直撃を避ける。
「ふぅ、危ねぇ、十分荒らしたから、じゃあな!」
そう言うと、岩谷は一気に反対方向に走って行く。
その背後からルペルは拳銃を撃つが、ジグザグに走る岩谷を弾は捉えることはなく空中に虚しく消えて行く。
そして岩谷は何処からか持って来たロープを手すりに引っ掛けると、そのまま飛び降りる。
「ちっ、つくづく頭の回る男だ」
弾切れを起こした拳銃をルペルは投げ捨てる。
ルペルは屋上から辺りを見渡すが、そこにはスティーブもリリナの姿もない。
「クソ、見失った! とにかく、ここはマズイ、場所を変える」
ルペルはその場を後にする。
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「ふぅ、案外何とかなるもんだな、あー冷や汗がヤバい」
岩谷はルペルを能力なしで襲撃し、逃げ帰って来た。
「スティーブは何処に行ったんだ? こんな感じで能力なしで突っ込むのはもう嫌だなぁ」
岩谷が陰から周囲を確認していると、一人少女が腕を押えてフラフラしながら歩いているのを見かける。
岩谷は迷わず、少女のところに向かう。
「大丈夫か!」
「う、うう、腕が痛いの」
「な、何⁉ 確かに遠くで激しい物音がしていた、もしかして巻き込まれたのか!」
岩谷は少女を心配する。
「う、うん、突然目の前で金髪の男の人と女の人が戦い始めて」
少女は涙目で岩谷を見る。
「……とにかく、ここは危ない、こっちだ!」
岩谷はお姫様抱っこをすると、建物の影に移動する。
「(うふふ、本当にこいつらお人好しね……でも、躊躇なく女の子を抱きかかえるのは正直どうかと思うわ)」
リリナは少し呆れた顔をする。
岩谷はリリナを降ろす。
「君、名前は?」
「リリナ」
「そうか、リリナ、どこだ痛いのは? 医者じゃないけど、多少なら何とかなるかもしれない」
岩谷は心配した顔でリリナを見る。
「ここが痛いの」
少し、袖をまくり、軽く腕を見せる。
「うん? 外傷は見当たらないが……」
「もっと、よく見て」
岩谷はリリナの腕をじっと見ている。
「(そうよ、そのままマヌケに見ていなさい)」
リリナの背後からロキが出現する。
このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。
昨日の後書きの部分に間違って今日の後書きを書いてしまい、ネタバレしてしまいました。
現在既に修正済みです。読んでしまった方は申し訳ございません。
リリナ対スティーブ戦はスティーブの勝ちですね。
スティーブの能力はたいして強くはないですが、スティーブ本人が化け物級に強いですね。
しかし次回は能力を封じられている岩谷の元へリリナは向かいました。
どうなるのか? 次回をお楽しみに!
いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。
ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。
作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。
Twitterでは作品に関する情報を提供するかもしれません。
作者名で検索すると出ると思います。
どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。




