表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part4.反転少女リリナ&精密狙撃手ルペル]
108/205

蝕み

新たに登場したルペルとリリナ、彼女たちはどう岩谷たちに絡んで行くのか?

 キングバック76話「蝕み」



 ルペルは自室に戻ると大きくため息をつく。

「はあ~、まだ血の味がする」


 ーーまた、血を飲まされた、私の中を次々侵食される感覚、自分という人間の中に他人(あいつ)が巣食う感覚、ハッキリ言って気持ちが悪い。


「あぁ! クソがぁ!」

 ルペルは大きく手を振り払い、近くにあったツボに手は当たり、ガシャンと床に落ちたツボは砕け、割れる。


「お、姉ちゃん?」


 ハッとして振り返るとそこにはエスペルが驚いた様子でこちらを見ている。


「エスペル、これはちょっと手を滑らしただけなんだ、すぐ片付けるよ」


 急いで片付けようと手を伸ばしたルペルは破片で人差し指を軽く切る。

「痛っ」

「大丈夫? 見せて」


 エスペルは差し出した指を見てすぐに応急処置をする。

「ありがとう、エスペル。さすが、医者の卵だな」


「そんな、なれるかも分からないし、ウォーターナイトのお姉ちゃんの方が凄いよ」


 エスペルは純粋な目でこちらを見てくる。その眩しい目線が辛くて、思わず目を逸らしてしまう。

「……そう、凄いものじゃないさ……」


「お姉ちゃん、疲れてるでしょ? 僕が片付けておくから寝ててよ」

「いや、もう次の任務があるんだ、すぐに出る」


「そう……お姉ちゃん! お仕事頑張ってね!」

 無邪気に笑う弟の笑顔に涙が浮かびそうになり、その顔を誤魔化すように、抱きしめる。


「ああ、お姉ちゃん、(お前のために)頑張るよ」


 そう強く自分に言い聞かせるように言うと、ルペルは振り返ることなく、部屋を出て行く。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ルペルはリリナと合流する。

「今日はよろしくねぇ、お姉さん」

「ああ、(エスペルと同じくらいか? こんな、子供が戦いに出るとは、世の中クソだな)」


「お姉さんの能力は聞いてるよ、お姉さんは前に出る私のサポートをしてくれればいいから」

「いや、でも、君みたいな子が前に出るのは……」


「うるさいなぁ、いい? あなたは私のオマケなの、岩谷とスティーブを殺るのは私なんだから、あんまり出しゃばらないでくれる?」

「……はあ、分かったよ、お嬢様(この子は私が守ってやらなくては)」


 ルペルとリリナは出発して。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 その頃、岩谷たちは

「なあ、今行って大丈夫なのか?」


「いつまでもここにいるわけにはいけない。早いうちにここを離れるべきだ」

 そのとき、土地勘があるウィルメリアたちは先にこの街を脱出するルートを確保するため行動しようとしていた。


「だがよ、これを見ろ、既にウィルメリアが裏切ったことは出回っているぞ。ついでにセイガの死亡もお前のせいになっている」

 岩谷は今朝出たばかりの新聞を見せる。


「そんなこと承知さ、でも幸い公表されたのはエステイトの名だけだ。仮面を外していたらバレないよ」

「……かもしれないけどよ」


「治、誰かは動かなくていけない」

 スティーブは一人否定的な岩谷をなだめる。


「なら、クラスチェに行かせろよ、こいつ隠密のプロだろ?」

「クラスチェは別件で行動させる。誰かはここに残ってギースたちを守る奴がいる。だから、土地勘のない俺たちが残るべきだ」


「はあ、スティーブがそんなに言うなら分かったよ」

 ついに岩谷は折れる。


「心配してくれてありがとう、でも大丈夫、私の考えに賛同してくれている他のウォーターナイトに協力を求めてくるだけだから」


「無事に帰って来いよ(ウィルメリアに何かあったらスティーブに悪いから言ったが仕方ないか)」


「ええ、皆さん行ってきます」


 そう言うとウィルメリアたちは出発して行く。



「じゃあ、そろそろ僕も行って来ましょうかね」

 クラスチェは変装をして準備万端だ。


「そう言えばお前何しに行くんだよ」

「一度、こっそり帰還して現状の報告をするつもり。この山なかなか難しそうだってね。まあ、あとはレジスタンスの捜索かな」


「……そうか、まあ頑張れよ」

「えぇ! どうしたの? 素直じゃないか? あ、そうかぁ~、アルファラスに能力封印されてちょっと気が弱くなってるんだね、可哀そうw よしよし」


 クラスチェはニタニタ笑いながら俺の頭を撫でる。

「うっせぇ、さっさと行け!」

 そう言うと岩谷はそっぽを向く。


 するとクラスチェは真剣な目でスティーブの方を見る。そして、スティーブも見つめ返す。

「(例の件、頼んだぞ)」


 クラスチェは軽く頷くと

「……じゃあ、僕も行って来ます」


 クラスチェも出発して行った。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「はぁ、暇だ」

 岩谷は寝転がってため息をつく。


「ははは、それクラスチェが聞いたら怒るぞ」


「そういえば、ウィルメリアが半年間世話になった気まぐれだっけか? そいつ絶対あれだよな」

「……そうだな」


「やっぱり、ユニコーンだよな?」

「おそらくな」


「ウィルメリアは分かっているのだろうか? なんだか、言い出せなくって」

「きっと分かっているさ、その本質は見抜いているとだろう。心配するな」


「そう、か。にしてもユニコーンは一体何がしたいんだろうな」

「さあな、だが、意外と人間臭い所があるのかもな」


「……」

「何と言うか、世界がなんだとかぶっ飛んだ話で正直、よくわからんなぁ」

 

 隣で聞いていたゼドは困った表情だ。


「悪いな、あんたはただの一般人なのに、こんなことに巻き込んじまって」

「……構わないさ、退屈な日々にいいスパイスだ」


「なあ、あんたやっぱりただの一般人じゃないだろ?」

 岩谷は疑った表情でゼドを見る。


「買い被り過ぎだ、力の前には何も出来ない一般市民だよ、俺は」

 ゼドは何か含みのある表情で微笑み、俺はこれ以上追求出来なかった。


 その時、外で何かガラスか、陶器のような物が割れる音がした。

「うわぁ⁉ なんだ?」

「なんだろうな、猫か、それともやんちゃな奴がいるのか?」


 ゼドは不思議に思い、カーテンを開け外を見る。

 そのとき、一瞬ピカッと外で小さく何かが光る。


「伏せろゼド!」


 ゼドはスティーブの掛け声にビックリし、身体を少しよじる。

 すると、外から何か小さい物が高速で駆け抜け、ガラスを割ると、ゼドの左肩に直撃する。


「ぐがっ、何ぃ⁉」

 ゼドは勢いよく倒れ、左肩を抑える。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ちっ、外した」

「えぇー、ルペルお姉さんったら、下手くそ~」


「うるさい、そもそもさっきのは対象(ターゲット)じゃなかった」

「ふーん、まあいいや、これで向こうも動いて来るでしょ? 私の出番だね、アハハ!」


 そう言うと、リリナは小悪魔のように笑う。

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

アルファラスからの刺客ルペル&リリナ戦が始まりました。

スティーブと能力なしの岩谷二人でこの困難をどう突破していくのか必見です!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterで作品に関する情報を提供するかもしれません。

作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ