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キングバック   作者: 君子な在る虎
醜美鎖国水都 アルファラス ~ハーレム世界の反逆者たち~[Part3.欲望の獣アルファラス]
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速度の支配者

アルファラスの能力を前に岩谷は手を出せず、戦意喪失してしまう。

しかし、スティーブは覚悟を決める。

例え、その結果多くの屍を築くことになったとしても……

 キングバック69話「速度の支配者」



「俺の殺意に答えろ! サーセイバー・オリジン‼」


 スティーブの辺りから膨大なエネルギーが溢れ出始め、仮面の宝石が一つ砕け散る。


「おいおい、なんだこれ?」

 アルファラスでもキングバックのオリジン化について知らなかったのか、少し焦った様子だ。


 スティーブから溢れ出るエネルギーはアルファラスに剣を向けるサーセイバーに流れ込んでいき、光輝き始める。


 サーセイバーは以前のクイーンレイピア・オリジンの時ようにその姿に異変が現れ始める。


 サーセイバーの頭部と胸部を守る甲冑は剥がれ落ち、そこからは真紅の如く光る眼に頭からは桜色と(あか)色のコントラストが綺麗な髪のような物が伸びている。


 全身の青色の和装は一気にさっきよりも少し深い桜色と紅色の彩色へと変わり、サーセイバー・オリジンはこれまで袖を通していた左肩を出す。

 その左手には短刀が握られている。


 すると、左手に握られた短刀や右手に握りしめられる真実の剣にも変化が現れ始める。


 短刀はその刀身が一気に伸びる。

 細く鋭く伸びた刀身はサーセイバー・オリジンの背丈を軽く超えるほどだ。


 真実の剣の方は全体的に肥大化し、それまであまり多くの装飾が施されていなかった剣だったのに対し、多くの装飾が増え重くなり、ただ斬るというよりも叩き斬るという表現がしっくりくるような剣となった。


 以前は洋風と和風が入り混じったような風貌だったサーセイバーは和風のイメージが前面に押し出した外見となり、変化したことで装飾が増えた真実の剣の豪華さが逆にアンバランスさを醸し出している。


 右手に持つ真実の剣を肩に抱えるように持ち、左手の刀をアルファラスに向ける。

 

 そして、サーセイバー・オリジンの背中の左肩甲骨辺りから、大きい翼が生える。

 しかし、生えたのは片翼のみ。


 サーセイバー・Oの片翼の先端に火がつく。


 クイーンレイピア・オリジンの時、頭に生えていた翼も片翼であった。


 

「アルファラス、貴様のその業、ここで俺が斬り晴らす!」


「はは、何をしたか知らねえが、このアルファラスに勝てるわけねぇだろうが!」


 アルファラスは自分のグレイトフル・オーシャンを自分の元に戻す。


「つっても、念には念を入れて」

 グレイトフル・オーシャンは再び液体状に戻ると、アルファラスの全身を包む。


「いつ本体の俺が狙われるかわかんねえからな、攻防一体の形態よ」

 アルファラスの全身を覆うグレイトフル・オーシャンは氷の鎧へと変化し、万全と言った様子だ。


「じゃあ、いくぞ! アルファラス!」

「いちいちそんなこと聞くなよ、育ちがいいのか? あぁ!(なんつってな、まともに殴り合うかよ、めんどくせぇ、いけ、フリーズチェーン!)」


 サーセイバー・Oの足元から、氷の鎖が出てきてサーセイバー・Oを襲う。


「はは、これで、終幕だ」

 

 しかし、鎖がサーセイバー・Oを捉えたとき既にそこにサーセイバー・Oはいない。

 それどころか、グレイトフル・オーシャンを纏ったアルファラスの目の前にいる。


「な、何ぃ⁉」


 そしてアルファラスが驚きの言葉を発したとき、既にサーセイバー・Oはグレイトフル・オーシャンを切りつけた後だった。


「がはっ、(一体何が起きた? 速いなんて次元じゃねえ、俺の認知の外だ。人間が認知出来ないレベルで速い。化け物か、こいつは)」


「考える隙など与えん!」


 サーセイバー・Oは凄まじい速度で攻撃を行う。

 正確には速すぎて恐らくサーセイバー・Oが攻撃を行っているのだろう。という推測なのだが。

  

 アルファラスは再生に手がいっぱいでその場から動けない。


「(速い。だが再生力速度を上回るほどの攻撃力ではない。このまま耐久戦に持ち込んでもどっちが先にバテるか、はは、そんなものに賭けるほど、俺は追い詰められてはいない!)」


 アルファラスの周囲に水たまりが発生する。


「なんだ? これは?」

「はは、回避不可の幻惑だ! 投影し、誘え! ムーンタイム!」


 周囲の水たまりに大きい月の模様が投影させる。


「はは、夢でまた会おうぜぇ!」

「……幻惑術か、解除しろ」

 

 サーセイバー・Oはその場で剣を振る。

 すると、水たまりに投影した月は消えてしまう。


「ちっ、ならこの水たまりを霧にしてやる、ハイドミスト!」

 

 水は全て霧となり、一気に視界が悪くなる。


「(はは、速くても見えなかったら何も出来まい!)」


 アルファラスはサーセイバー・Oに接近する。

 しかしサーセイバー・Oは振り向き、グレイトフル・オーシャンを纏ったアルファラスを斬り飛ばす。


「ぐがっ、クソ! 鼻が利きやがる。なら、そのまま毒で溺れろ! ミスティックポイズン!」


 アルファラスは発生させた霧を一瞬で毒霧に変える。


「はは、これでもう動けまい」

 

 しかし、サーセイバー・Oは全く問題ないと言った様子でアルファラスの元に突っ込んで来る。


「あぁん⁉ なんで、動けんだよ!」


 サーセイバー・Oは左に持った刀でアルファラスを斬りつける。


「もう、満足か?」

「な、何!」


「俺には効かん」

「クソがぁ!」


「この刀に斬られた。なら、もうお前は終わりだ」

「な、に⁉」


 すると、アルファラスはある異変に気が付く。


「お、俺の身体、上手く動かない⁉」


 アルファラスはサーセイバー・Oに攻撃をする態勢に取ろうとするが、思うように身体が動かせない。

 身体が言うことを聞かない。


 サーセイバー・Oは近づき、再び刀で斬りつける。


 すると、アルファラスはどんどん動けなくなっていく。


「何をした?」

「自分で考えろ」


 そう言うと、サーセイバー・Oはアルファラスを蹴り上げる。

 

 アルファラスは空中で、ゆっくりとまるでスローモーション映像のように宙をゆっくりと舞う。


「少しずつ解体してやる!」


 サーセイバー・Oはその場から消える。

 そして宙を舞う、アルファラスに四方八方から現れ、目にも止まらない速度で斬り続ける。


 アルファラスの身体を守るグレイトフル・オーシャンが次々と剥がされていく。


「(再生が追いつかない。は、剥がされる、俺の守りが剥がされる)」


「とどけぇぇぇぇぇ!」

 ついに、グレイトフル・オーシャンを大方剥がし、全身ボロボロのアルファラスの首をサーセイバー・Oの剣は捉える。


「(ま、負けてしまう。このままでは、殺される!)」



 

このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。

スティーブはアルファラスをボコボコにし、とどめを刺す所まで来ました。

次回をお楽しみに!


いつも読んでくださる皆様にお願いがあります。

ブックマーク、評価、感想などよろしくお願いいたします。

作者のやる気が上がり、クオリティがアップすること間違いなしです。

Twitterで作品に関する情報を提供するかもしれません。

作者名で検索すると出ると思います。

どちらにせよ、次回もお会いできるのを楽しみにしております。

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