プロローグ~消し去った記憶の欠片~
初投稿です。
少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
プロローグー2にてタイトル絵もあるので見て行って下さい。
プロローグ
これはある男の消し去った記憶の欠片
「おい! □□! 俺の授業をまともに聞いているのか!」
教師の怒声が教室中に鳴り響く。
「……」
「無視するな!」
「それって意味があるのか?」
「はぁ!?」
「なぜ、あんたみたいな人の話を聞く必要がある? あんたが今まで裏で生徒にどんな仕打ちをしてきたか、それを思い出せ!」
「な、なぜ、それを!」
教師は青ざめる。
「……」
少年はじっと教師を見つめる。
「こ、こっちを見るな、気持ち悪いんだよ! その目で俺を見るな!」
ーーあぁ……またか
「ねぇ、やっぱり□□君ってちょっと変よね」
「ああ、あいついつも何考えてんのかわかんねぇしよ」
「うんうん、いつもこっちを見透かしたような目をしてて気持ち悪い」
「いつも問題ばっか起こして、普通じゃねえよ」
ーー……どうしてだ?
「きゃあ、やめて!」
「うるさい! 次から次へと面倒事起こしやがって!」
男性は女性に暴力を振るう。
「私じゃない! なんで、私を叩くの! 私は悪くないじゃない!」
「なんだと! お前の教育が悪いんだろうが!」
「父さん、 止めて!」
少年は男性に抱きつき、暴力を止める。
「離せ、□□! そもそもお前が問題を起こさなかったらこんなことはなってないだろうが! 」
男は少年を突き飛ばす。
少年はテーブルに強く背中をぶつける。
「ごほっ、ごほっ、ぼ、僕は悪くない。ずっと正しいことをしただけだ!」
少年は男性を睨む。
睨まれた瞬間、男性は身震いをする。
「あああああもう! いつもいつも、見透かすような目を俺に向けやがって! そんな目でこの俺を見るな! ……お前本当に俺の子か?」
「なによ! 私が浮気をして作った子とでも言いたいの!?」
「……ああ、そうだよ! 見ろこの□□の目を! この青色どう見ても日本人の目じゃないだろ!」
ーーやめてくれ……
「私が浮気なんてするわけないでしょ!」
「ふん、どうだかな」
そう吐き捨てると、中年の男性は部屋を出ていく。
女性は殴られた痕を腫らす。
「母さん、大丈夫? 今薬を持ってくるから」
少年は心配そうに女性に近づく。
「こっちに来ないで!」
「え?」
女性は自分が発してしまった言葉に驚く。
「あ!? ご、ごめんなさい□□、でも……その目で私を見ないで」
ーーあぁ、もうやめてくれ。
どうしていつもこうなる?
「ご、ごめん、母さん」
「……部屋に戻りなさい」
「うん、分かった」
少年は一度部屋を出る。
しかし怪我をした母が気になり、戻ろうとドアの前に立った。
「はぁ、あんな子産まなかったらよかった」
「!?」
呟いたその言葉は少年の心を抉る。
ーーもうやめてくれ!
どうしていつもいつも俺を嫌う!
そうか、この目が悪いのか
そして少年はそっとその青い目を閉じた。
このたびはキングバックを読んでいただきありがとうございます。
この後どんどんストーリーが展開していくので続きを是非読んで下さい。
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