街
ウィルと家を出た。
街に行こうと思う。
「ね、ウィル?疲れて ない?」
「大丈夫だぞ、羽のように軽いヴィオを乗せるぐらいどうって事ないさ!」
「あり がと。」
ウィルの背に乗せてもらって1週間ほどたった日、
ついに街に着いた。
「お嬢ちゃん身分証明書は持ってる?」
フルフルフルフル
「その獣は嬢ちゃんの召喚獣かい?」
コクコクコクコク
「じゃあ犯罪歴がないか調べるからこの水晶玉に手を置いてな。」
オズっ
「うん。よし、犯罪歴なしっと。じゃあ嬢ちゃん!ようこそアレストへ!ここは王都だから悪いやつもいるから嬢ちゃんみたいなべっぴんさんは、気をつけな!」
「あり がと」
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「カイルーーーーー!!!!!何でもあの子が並んだのお前のところなんだよ!あんな可愛い子が!!!!」
「そーだそーだ!!!!!」
「知るか!俺だってびっくりしたわ!!最後のあのお礼と一緒に着いてきた上目遣いで俺死ぬかと思ったし!!!」
「なーんで一日職場体験なんかの日にあんな可愛い子が来るかね〜」
「学園の先生に感謝だな、みんな王宮に行って、俺だけハズレくじで門番に来たけど…」
「そーいやカイルってアルバート家の長男だったな…」
「公爵家なのになんでそんなに親しみ深いんだか」
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「ヴィオ?どうかしたか?」
「さっき お礼 下向きながら だった から。」
「じゃあ今度会った時ちゃんと言えばいいさ!」
コクリ
「ほーら!1人1枚限定!王宮舞踏会の招待券が入ったくじ引きさ!引け引けー!!!」
「はい。お嬢ちゃんもどーぞ。」
サッとウィルの後ろに隠れてしまったヴァイオレットは手だけ伸ばしそっとくじを引いた。その手に持っていたのは黄金の文字で書かれた王宮舞踏会の招待券。
「「「「「おめでとう!!!!!!」」」」」
「嬢ちゃんおいで!私がドレスを仕立ててあげよう!!」
「あ!ずりーぞ!じゃあ俺は靴と装飾品!」
…
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((((可愛い…))))
おずおずとくじを引く少女にみんなの目は釘付けだ。
そっと引かれた今にも折れそうなほっそりとしたてには王宮舞踏会の招待券
((よし!!!))
「嬢ちゃんおいで!私がドレスを仕立ててあげよう!!」
「あ!ずりーぞ!じゃあ俺は靴と装飾品!」
((王都1の王族御用達の仕立て屋と装飾品屋…嬢ちゃん良かったな……))
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「んま!可愛い!!!!!!!」
「既製品だけど勘弁しておくれよ。なんせ舞踏会は今日だから。」
「あり がと う」
「それにしてもなんて可愛いんだろうね〜」
あまりの可愛さにだきしめた女主人マリーは震えているヴァイオレットに気づいた。
「ちょっと、あんたどうしたんだい!?」
「ごめ…んな…グスッ」
「あーもう何も言わなくていいよ。大丈夫。何があったかは知らないけど私がいる限りあんたは大丈夫。」
人に優しく抱きしめられたのはいつぶりだろう。
前の世界でも、あまり無かったな…
胸がほかほかする…
マリーさんありがとう…泣いてごめんなさい。でも上手く言葉に出来ないの…
飾り付けられて月の女神のようなヴァイオレットに王宮からきた馬車の御者たちもびっくりだ。
「ウィルも いいの ?」
「あ、あぁ…もちろんさ。貴族様たちはみんな自分の力を見せるために連れているよ。」
「よかっ た」
オズっ
ギュッ
「マリーさん ありがとう。」
「まぁまぁまぁ、あたしゃ生きてて良かったよ…行ってらっしゃい!あんたならみんなの目も釘付けさ!」
装飾品屋の、オスカーにもお礼を言ったヴァイオレットは馬車に乗り込んだ。
「ウィルだったっけ?守っておやりよ。あたしが見た限りあんた相当強いだろ?」
「分かっているさ」
ヴァイオレットの後に乗り込んだウィルはそっとヴァイオレットの傍に寄りそった。
ガタゴトガタゴト
「さぁ、嬢ちゃん行ってらっしゃい。ここが王宮さ。」
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