出会い
私はウィルと一緒に森の中に家を作りのんびりと暮らしていた。
魔術の練習を沢山したり、ウィルの背に乗ったり、…
ウィルが獣姿だからだろうか、あまり怖いとは思わなかった。
(ヴァイオレットが人に慣れる時が…別に来なくてもいいがもし来たら、その時に我も人間の姿に慣れると伝えよう。)
そうウィルが心に決めているのに気づかないで。
そして私は8歳になった。私がこの世界に来た時、女神が私の目の色や髪の色を変えた、黒髪黒目はこの世界では異質らしい。そして、私は女神の力の影響で少し幼くなった状態で異世界生活をスタートした。
「誕生日おめでとう!!ヴァイオレット!」
「ありがと う。」
その時、ヴァイオレットは光に包まれた。
光が納まったことにはヴァイオレットは蒼い布でできた美しいローブを身についていた。金と銀のそれはそれは見事な刺繍がされた。
「きれい…」
(やはりな、女神の気配がすると思ったら、プレゼントだったか。)
「我からもだ」
ブレスレット。黒と白の細い金属で絡み合うようにして花の模様を描き出していた。
「ありがとう。うれ しい。」
フワッ
(あぁ…多分我や女神が送ったプレゼントなど比べるのもおごましいほどヴァイオレットの方が美しいぞ…たまに見せるふわっとした微笑などもう…)
ヴァイオレットたちが住んでいる所からあまり遠くないところで魔獣の群れに襲われたこの世界の国々のトップである国の王太子一行が襲われた。
「王太子様!お逃げを!」
「いや、俺もここで戦う。お前たちこそ逃げろっ!」
……
……
「ゴホッゴホッ…」
「王太子様!お気を確かに!俺なんかを庇ったせいで…」
「き、きにするな…ゴホッ」
「結界が持ちません!!!」
「クッどうすれば…」
「広範囲、指定王城 除外対象あり ゴホッ…」
「王太子!!!!!!!!」
「転移。」
そして、自分以外の全ての人々を全魔力を振り絞って逃がした王太子は、薄れる意識の中で従者が前に言っていた事を思い出した。
「なんて言いますかね!こう、ぱっと分かるんですよ!あっ恋に落ちたって。女嫌いのアラン様でもいつか、分かる時が来ますよ。」
(恋か…どのようなものなんだろうな…)
その時声がした。
「ヴァイオレット、この人間助けるか?」
正直、怖い。でも、私は死にかけている人を助けないほど人に対しての感情は無くなってはいない…
「おね がい」
「しかと承った。」
薄れる意識の中で見たのは俺に向かっておずおずと手を伸ばす、
銀色の髪をした紫の類まれなる美しさを持つ少女だった。
(あぁこれが…恋?なのか?胸がドキドキする。)
そして意識を手放した。
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