第7話《デス・ヒュドラ》
今回で魔神獣討伐編、最終話です。
どうぞお楽しみ下さい。使徒たちのステータスを文の間に入れてあります。
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本当に感謝してもしきれません...これからも応援よろしくお願いします!!
第7話
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リュック
種族:長耳族
職業:屍霊魔術師
能力:闇属性、ネクロ[派生+デットエンド使用可]、死霊蘇生
レベル:75
攻撃力:200
防御力:15000
魔術力:3000
魔力総量:4500
速さ:350
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アギト
種族:獣人族
職業:聖騎士[大剣職]
能力:光属性、身体強化・改[攻撃力UP(特大)]
レベル:72
攻撃力:8000
防御力:1000
魔術力:1
魔力総量:1000
速さ:3000
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〜〜〜〜〜〜〜エルザ視点〜〜〜〜〜〜
「リュックっ! 最深部にはまだ着かんのか!」
「そう焦んない焦んない、そろっそろ着けるからもう少しの辛抱だよぉ〜」
苛立ちのこもった声で彼に問いかけるアギトと間延びした声で返答をするリュックの声が洞窟内に児玉した。
私たち使徒はロア帝国内にある迷宮、【バルバトス迷宮】の深層へ向かっている。2週間は潜りっぱなしだ。
王都へ到着後私達は王の謁見を終えてすぐ【ランクSS 八首龍デス・ヒュドラ】の討伐へ向かっている。
ヒュドラは私がまだ幼き頃に、大きな厄災をもたらし、その驚異さ故に人類種が滅亡の危機に瀕したが、神々が現れ、ヒュドラに封印を施されたと言い伝えのある古龍であったが、幻悪種の因子の影響でその封印が解き放たれかけているのだそうだ。
一刻も早くヒュドラを倒さねばならない。
(家族の仇を取る為にっ!)
私達はレベルの暴力を使って奥へ奥へ進んでいき────
「着いたみたいですね」
「ここが......バルバトス迷宮最後の関門...」
「案外ちっせーな」
桜色の髪の少女マリアが地形索敵魔法を使ってここが深層部だと伝えてくれてそこに優男のヘンリーと狼族のレギアスが感想を口に出してる。
私達の目の前にあるのは大きな門、レギアスが小さいと言っているが並みの大きさではない、高さが15m以上あるのではないかというほどだ。
「それでは、開けますよ」
小人族のオリヴィエがその小さな手に魔力を込めて開ける。
──その先はあたり一面がお花畑の部屋だった。
「迷宮内なのに青空があるとは...」
細目の男、マルセルが呆気にとられる。
私は奥に見える大きな結晶を見つめていた。あの結晶に恐らくデス・ヒュドラが封印されているのだろう。
「なによ、あの禍々しい魔力は」
「ハハッ♪...昔戦ったあの幻悪種の王並みの魔力じゃん! ヤバヤバ!」
「ふえぇ〜...」
赤髪のマリーもあの結晶体に気付いたのか苦虫を噛み潰したような顔をして、黒髪の女サクラは笑い、ロジックはというとさっきから怯えてばかりだ。
──ピキッ
ピキピキピキピキバキッ
結晶体にヒビが入った。そろそろ封印魔法で押さえきれ無くなって来たようだ。
「総員、構えなさい!」
全員に戦闘体制へ入ってもらい封印が解かれて行くのを待つ。
──パキョ...パリ────ンッ
「「「グギャア────ァ!!!」」」
割れた瞬間、そこにはとてつもなく大きな龍が空を飛来していた。
「なんっじゃあの気持ち悪りぃバケモノ!」
レギアスが驚きを口にする。
それもそうだろう。デス・ヒュドラは直立型の龍の体そのままに首から上が八つある。私も見てて気味が悪い。
「総員、攻撃開始!」
「「「グガア──ァ!!!」」」
私の号令と同時にヒュドラが吠え、戦闘体制へと入る。
さぁバトルスタートだ。
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サクラ
種族:人間族
職業:回復職
能力:状態異常無効、状態異常回復魔法使用可能[体力回復魔法使用不可]
レベル:72
攻撃力:100
防御力:100
魔術力:180
魔力総量:9999
速さ:500
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マリア
種族:人間族
職業:回復職
能力:自動回復、体力回復魔法使用可[状態異常回復魔法使用不可]
レベル:72
攻撃力:105
防御力:235
魔術力:142
魔力総量:7523
速さ:500
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私は持ち前のハーティアに魔力を込め一つ魔術を唱える
【絶対零度】
空気をも凍らせるほどの冷気のカマイタチを私はヒュドラの腹にある心臓部分であろう核に向かって打つ、先制攻撃だ。
アギトは私の攻撃は避けられるだろうと思ったのか前線へ飛び出す準備をしている。
私の先制攻撃が当たりアギトがヒュドラに対して猛突進。
──え? 当たった?
「「「は?」」」
使徒全員が口を呆けて放心状態になっていた。なんということでしょう、私の攻撃が当たってしまったのだ。
「グギャア──ァ...」
核を凍らされ絶対零度の魔術陣に組み込んだ軽い爆発魔法で核を破壊されたヒュドラは砂埃を舞わせながら倒れた。
「やったのか?」
「あ! それ今言っちゃダメ...復活フラグ立てちゃったじゃんかぁ」
ヘンリーが口を半開きにしながら話すとサクラがまたぶつぶつとおかしな事を言う。
使徒全員が放心状態。もしかしたら自分のレベルが高くなりすぎているのか?と考え、潜在能力を覗いてみるがレベルは82、以前見たときと変わらない。
じゃあ何故、一撃で倒せてしまったのか...
する突然、ヒュドラが倒れていた方から物凄い殺気が溢れ出てきた。
「──ッ危ない!」
私は突然リュックに蹴り飛ばされ、大きく吹き飛び、その数秒後、騒音と強い衝撃が体を揺すった。
「ぐっ...」
私はリュックに蹴られた痛みで顔をしかめながら先程私がいたところを見ると大きく地面がえぐれていた、ヒュドラが倒れていたところから一直線に...
えぐれた地面を見てみると土に少し埋もれている下半身があった。
リュックは下半身を残して上半身がない状態だ。
私は何故あの時に警戒を説いたのだ!そんな...私のミスで...っ
「おいエルザ! 何故敵への警戒を解いた! 大馬鹿野郎ッ!」
──「んもぉ〜僕が一回死んだだけで喧しいよぉ〜、そっしてぇリュックちゃん再登場ぉ〜」
リュックはケロッとした顔で突然空中に現れ、ついでにと、どデカイ魔術陣を起動させている。
その照準の先には首一本ない、7本首のヒュドラがいた。
「さぁ僕を殺したその威力、そっくりそのまま返してあげるよ♡」
【ヘルガイア】
魔術陣から大きな炸裂音を出しながら巨大な破壊光線がヒュドラへと直撃し身体もろとも消滅させた。
これがリュック、屍霊魔術の力。
最上級魔法のヘルガイア。自分が食らったダメージをそのままお返しする魔術だ。
そしてリュックは幻悪種の因子の能力により彼は喰らった魂の数だけ命をやり直せれる。確かリュックの生命ストックは約800だ。つまりよっぽどのことがない限り他方からの殺害などで絶命したりはしない。
「「「グァア────ッ」」」
しばらく経つと、ヒュドラは6首になりまた私達へ攻撃を仕掛けてくる。
なるほどヒュドラは一つの首を捨てることで生き返れるのか。
「──ッらぁ!」
「ふっ!」
レギアスの爪とヘンリーの剣がヒュドラを真っ二つに切り裂く。
そうやってまた五つの首になり、4つ3つと数を減らしていき、残りはあと1つの首だけとなった。
弱い...弱すぎる...何故?
そう思案しているとまた記憶が蘇ってくる。そして気付いた。
──私の村を壊滅させたあのヒュドラは1つ首だった事を。
「さぁコレでおしまいね...ウォパルエッジっ」
マリーがとどめとばかりに巨大な岩を数個生成し発射。
瞬間、ヒュドラから尋常じゃない魔力を感じる。頭の中にガンガン危険信号が送られてくる。
そしてマリーの放ったウォパルエッジが金属同士が擦れたような音がした。
ヒュドラの皮膚には当たったが魔法もろとも掻き消されてしまった。
「なっ──」
「そんな...まさかっ! 身体強化! そして、炎獄破!」
オリビィエが追撃とばかりに自身に身体強化をかけてその小さい手で特大魔法を使用する。
──カキンッ
また弾かれた。
「やっぱりダメです!炎獄破でも届きません!」
「これはおそらく、無効化されてるっぽいのぉ」
「ハッ...んじゃ俺らの出番と行くか!行くぞ! ヘンリー! アギト!」
「あいよ!」
「うん!」
マルセルが憶測を口にし、ヘンリー、アギト、レギアスの三大剣豪が剣を構えヒュドラへと突進する。
魔法が使えないんじゃ私もお手上げだ、ここは彼らに任せておこう。
ヒュドラもやられっぱなしではない、自身へと音速を超えるほどの速さで向かってくる3人を迎え撃とうと熱戦を吐くが、三大剣豪の彼らは易々と避け、同時に斬りかかった──が。
──カキンッ
「「「グォアァ──ッ!」」」
「──なっ」
「んだよっ」
「ふざけろ! 斬攻撃すら通さないんかい!」
3人がヒュドラの皮膚に弾かれ、ヒュドラの咆哮を食らって吹き飛んでいった。
斬属性、魔術、魔法属性も効かないのか...それじゃあSSランクに指定されるのも頷ける。
なぜ首が複数ある時は強くなかったのかは知らないが...
斬、魔の属性も効かないとなるとなると、あとは──
「やっと...出番が来た」
「ロジック殿、助太刀いたすぞ」
何も属性を持たない召喚魔術師の出番だ。ロジックはやっと出番が来たことにニマニマしながら腰からタロットを2枚取り出す。
さっきの怯えてた姿が嘘みたいだ。
マルセルは自分の指を噛み、その血を媒体にして特大ゴーレムを創り出した。
【我が身に宿し 悪の因子よ 其れは我が唯一の命の煌めきなり 全てを統べる鍵にして そこにあるものは光して闇なり────
「キァオーン──ッ」
「ブルァ──ッ」
ロジックを挟むように2つの大きな扉が現れ白と黒の竜がそこから飛び出してくる。2竜は召喚されると直ぐに粒子となりロジックの体内へ入る。
ロジックはタロットを自分のいつも髪で隠れている目に翳す。
──其れは全てが生まれる場所にして 還るべき所 んぐっ... 我は許されなき存在 カハッ... 生物を...超越せし力を我に......】
『──ッエクス・ラテリアァあああああああっ!!』
ロジックは身体を変形させながら詠唱を唱え終わると彼を闇と光のオーラが包み込み、弾けた。
「...グルルルル」
弾けた先にいるロジックは口が飛び出し翼生やし、鱗があって竜そのままの身体を人間に近いようにしたかのような姿をしている、この姿のロジックを見るのは久しぶりだ。彼は低い唸り声を上げながら前傾姿勢を取り──一瞬にして姿が消えた。
──ズガガガガガーンッ
「「キュオオオオ──ッ」」
ヒュドラが悲鳴をあげる、そこにはヒュドラの身体に腕を直接突っ込んで内側から光竜インドラが使う雷魔術を使っている。
「逃さぬぞっ」
ヒュドラは一刻も早くロジックを振り落とそうとするがゴーレムが羽交い締めにするせいで逃げることができない。
ロジックは段々と雷の威力を上げていき、とうとうヒュドラの核が耐えれなくなり砕け散った。
ヒュドラは今度こそ倒れ、戦利品を残し灰となり空へと散っていった。
ロジックはヒュドラが倒れたのを確認してから獣化を解きそのまま魔力枯渇で倒れてしまった。
神竜の魔法をあんなに使ったのだ倒れるのも無理はないだろう。
マルセルは裸となってしまったロジックに服を着させてくれていた。
少し落ち着いてから私たちは大量にある戦利品を回収していた。
すると戦利品の中に不思議な形状をした剣を見つけ、これをシオンの何かのお祝いのプレゼントにしたら面白いのではないかと思って拾っておいた。
祝い用のプレゼントを買いに行くのが面倒くさい訳ではない、決して、な。
戦利品を回収したあと私たちは部屋の奥にある転送装置を使い迷宮街へ出ていき、王都へ戻って報告を終えた。
あとは家へ帰るだけ。
私はすやすやと眠っているロジックを背負い家へと転送してもらった。
今回のヒュドラ戦ではロジックとマルセルがいなければおそらく全滅していた、彼には後でたっぷりとお礼をしておこう。もちろんマルセルにもだ。
そして暫くは仕事は私には回ってこないそうなので、安心して子育てができる。
そう思いながら庭園を歩き、玄関のドアを開け、帰りを出迎えてくれる私の家族に向かって久しぶりに感じる家族の温もりを感じながら。
「ただいま帰りましたわ」
家族、家は良いものだ、私はそう、感じた。
ーーーーー???視点ーーーーーーー
「あーあ...倒されちゃったか...使徒がこんなにも強いなんて思いもよらなかった...」
僕は立ち去った使徒が使った転移魔法陣を眺める。
「ふっ...ハハッ次こそは殺してやるよ使徒...それが未来のためになるんだからね...ハハッハハハハハッ──────────」
さぁ次のステージの為にまた新たな敵を作らなければならない、僕は使徒が死ぬその姿を思い浮かべながら闇の底へと足を踏み入れる。
「僕は歩みを止めない、シオン。シオン・ライロードを殺すまでは......」
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マルセル
種族:人間族
職業:錬金術師
能力:錬成属性[発動条件//血|派生+ゴーレム錬成]
レベル:73
攻撃力:100
防御力:300
魔術力:4600
魔力総量:3200
速さ:1600
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ロジック竜化状態
[活動限界]10秒
種族:竜族
職業:神竜
能力:雷属性[派生+放電魔法使用可]黒属性[効果。周囲すべてを石化する]
レベル:--
攻撃力:99999
防御力:99999
魔術力:99999
魔力総量:99999
速さ:9999
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オリヴィエ
種族:小人族
職業:強化魔導師
能力:強化魔術使用可、炎属性
レベル:71
攻撃力:4608
防御力:2500
魔術力:3450
魔力総量:5000
速さ:1500
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使徒を13人出したはいいものの2人ほど出番を与えれませんでした...わたしの力量不足です...
次回からはしばらく、シオン視点でいきます。やっと主人公が動きます(汗
次回 第8話〈積み木対決〉※タイトル変更する可能性あり。
次回の更新は私がテスト期間にはいるので不定期とさせて頂きます。
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