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第5話〈小さな冒険/新たな家族〉

主人公はシオンです!エルザじゃなくてシオンです!(大事なことなので二回言いました)


魔神獣討伐してないしサブタイトル変えた方がいいのではと最近思っております。


それと誰か私に語彙力を分けてください....

 ーーーーーーエルザ視点ーーーーーー


 とりあえず貧民街に向かう為の荷物を取りに、それとシオンとロジックが心配なので家に帰って見ると。ロジックがシオンの頰に顔をスリスリしていた。


 シオンは鬱陶しそうに半眼で、でもロジックからの頬擦りを受け入れている。


 ロジックが興奮から覚めた所で事情を聴くと、なんとシオンがハイハイをしていた所を目撃したそうな。それを見た彼が感動の余り頬擦りをしていたらしい。私はシオンの成長の喜びを真顔で、でも心の中では微笑ましく、息子の成長を喜んだ。


 ーーーーーーシオン視点ーーーーーー


 満月が宵闇を照らし、星が世界を彩っている。

 誰もがその綺麗な光景に見惚れるであろうその景色を、一歳の俺は窓から眺めていた。


 俺は今日、初のハイハイに成功した、成功したついでに書籍部屋に行こうとしたがロジックに見つかり変に喜ばれ捕まってしまい、書籍部屋に向かうのをまた後日へと改めた。


 本当は後日、また機会があれば行こうと思っていたがやっぱりやめだ、この世界について何も知らない不安から早く解き放たれたい。


 俺はそう考えながら、さっきと同じようにベッドからそっと降りた。ギシッとか鳴ってしまわないように細心の注意を払うが、そんな意識配分は要らなかったようだ。


 何せ俺は赤ん坊の身体である、この城みたいな頑丈そうな家が二、三キロのちびっコロ1人で足音がなる訳がない。


 ベッドから降り、3階にある書籍部屋へ向かう。ちなみに俺の部屋は二階だ。両親は一階で寝ている。


 つかまり立ちやハイハイを駆使して、この部屋を出るドアを見つけたが俺の身長ではドアノブに届かない。やっぱりまだ自分の力では無理なのかと軽く落ち込みながら、何か使えるものがないか辺りを見回していると、ドアの真上にある赤い小さな宝石のようなのが取り付けてあるのを見つけた。


 俺は赤石が気になったので近くに寄って見ると宝石に俺のからだが写ったとたん――ガチャッとドアが開いた。このギミックは前世で見覚えがある、あの自動ドアみたいだ。俺は軽く開いたドアを押し開けて、廊下へと出た。ここから後は階段を登るだけだ。3階へ上がり、書籍部屋へと順調に足&手を進め――――れなかった。俺の体力が途切れてしまった。


 (1歳児の体力すくなすぎだろ!?)


 俺はそう毒吐き、肩で息をしながら、目の前にある目的地へ意味もなく手を伸ばした。


 (あ...あと...少しだ...頑張れ俺ッ!?)


 ――突然、頬をなめられた。


 俺はまさか幽霊? と顔を青ざめながら横を振り向くと。


 「くぅ~ん」


 隣には守護聖獣のメラがいた。


 丁度良いところにきた!?

 俺はメラを撫でながらもう片方の腕で自分を指差したあと、先にある書籍部屋を指差すジェスチャーをしてみると。メラは小さい声で「わふっ」と答えてくれた。


 メラは俺の服の襟に歯を引っ掛からせて、ヒョイっと持ち上げ背中に乗せてくた。そして俺を乗せたまま書籍部屋へと向かった。


 書籍部屋のドアも自分の部屋と同じ自動ドア式だったのですんなり入れた。


 〜〜〜〜〜〜


 (なんじゃこりゃあ!?)


 広い、広すぎる!?


 俺の眼に写っていたのは巨大な書籍棚が都会のビル練の如く、ズラ〜っと置かれていた。

 しかもこの部屋、とてつもなく広い。俺の部屋の3倍はあるのではないかと言うほどの広さだ。メラの背中に乗りながら周りをキョロキョロしていると、ドサッと目の前にある本棚から本が落ちていた。俺はメラに降ろしてもらって表紙を見る、そこに書かれていたのは。


 〜【ウィネマジネの全て】〜


 ウィネマジネ。エルザやロジックもこの言葉を発していたのでこの言葉だけは分かっていたがまさか世界名だったとは思いもよらなかった。


 軽くそれを小さな手で引っ張り上げ本をめくり目次を読んで見るとこの世界のありとあらゆる魔法や、魔道具。そして人類種ヒューマン幻悪種ファンタズマ、魔物や魔獣について────、本当に沢山の情報が詰まっている。


 俺はこんなのが欲しかったのだ。


 辞書みたいに分厚いそれを引っ張りながらメラにアイコンタクトをすると「わふっ」と軽く吠え。俺とこの本二つとも背負い、部屋まで送ってくれた。


 俺はお礼に賢すぎるメラの頭を沢山撫でてあげた。


 5分くらい撫でまくってあげると満足したのか、尻尾をプロペラのように回しながら部屋を出ていった。


 しばらくはこの本のおかげで退屈せずに済みそうだ。


 俺は部屋に戻り【ウィネマジネの全て】を取ったことに関してバレないようにベッドの下に隠して眠りについた。


 人生で初めて身体を思うようにとは行かないが動かせたことに嬉しみを感じながら――――――────


 暫く経った頃、ロジックが書籍部屋に向かったところ読みかけだった本が消えたと言うことで大探しが始まった事は、まだ誰も知らない。


 ーーーーーーエルザ視点ーーーーーー


 日の出が出てきた中、私は貧民街に行くための準備を軽く行なっている。


 貧民街という事で、治安が悪いと予想して気配遮断の効果が付与されている愛用のローブを羽織る。私は完璧主義に近い思想を持っている女なので確実に物事を終わらせる為、戦闘衣で向かう。


 鏡の前で寝間着を脱ぎ、背中に刻まれている禍々しい太陽の紋章を眺める。これはⅩⅢ使徒アポストロ・レイであると言う意味と、幻悪種ファンタズマの因子を取り込み、その代償として呪いがある意味の2つの意味がある。


 この紋章、私は背中にあるが他の使徒たちは別の所にそれぞれ刻まれている。


 普通はこの紋章を見られないようにフィルターをかけているが50レベル以上の人達には何故か見れてしまう。どうしてなのかは分からないが見られてしまう。


 そしてこの紋章を見た人たちは揃いも揃って私達を畏怖する。これが私たち使徒が持つ呪いの効果だ。


 50レベ以下の人達にはこの紋章はフィルターによって見えておらず普通に接してくれる。


 この呪いのせいで私たちⅩⅢ使徒は同等のレベルの人達と共に戦う事が出来ない、恐らく私たちは人という人種から外れた者、つまり人ならざる者が人を頼るなという事だろう。


 その影響で、私達使徒は、唯一の仲間をとても大切にする。


 仲間は1人のために1人は仲間の為に、をモットーに私達は生きている。


 私は着替え終わり、可愛い寝音をするシオンを撫で、ロジックに一言言い、貧民街へ向かう。


 〜〜〜〜〜〜


 貧民街に付き私は今、酷くボロボロの街並みを見て驚愕した。


 家という家はなく布で屋根を作り、木を下に敷いただけの部屋がいくつも並んでいる。私はそんな貧民街の中を歩いているとギルドに入った時とは別の意思を含んだ視線が突き刺さる。


 助けを求める視線だ。


 私はたしかに英雄と言われ、ロア帝国の王程ではないがその下位互換ほどの権力がある。でも私は政治には疎すぎるのでこの貧民街にいる人達を助けるほどの政治的実力を持ち合わせていない。


 私は悔しさに唇を噛みながら奴隷屋へと足を進める。


 〜〜〜


 奴隷屋では様々な人が首輪をされて牢屋へ入れられていた。猫や兎の耳を生やした獣人族ベスティア、美丈夫の長耳族エルフ、肩幅が大きく背が低い土精族ドワーフ。辺りを見渡す限り多種多彩な種族の人物が売られていた。


「へいらっしゃい、今日はどのような要件で?」

「子育てや家事ができる奴隷を買いたいのだけど」

「ふむ......子育てや家事スキルがある奴隷ね......」


 男の土精族ドワーフ店主が私の要望を反芻しながら売られている奴隷が書かれている名簿をめくり探してくれている。


「すいやせんお客さん、そのような奴隷はやっぱり人気でして、もうこの店では取り扱ってないですわ」


 そうか、売られていないかならもうここには用がない。


 私は店主に礼を言い奴隷屋を出ようとしたその時、首輪をつけられ牢屋に入れられている小さな少女を見つけた。


 彼女は死んだ目をしていてもうこの世界には希望が無いと言い切らんばかりの負のオーラが漂っている。野放しにしたらすぐ自殺を図りそうな感じだ。


 私はその子をじっと眺めていると見送りに来ているドワーフ店主が苦笑いしながらこの子の能力や種族を話してくれた。


 彼女は人類族ヒューマノイドで能力はいたってないただの置物みたいな存在にしかなり得ない、そうだ。


 奴隷とは基本、それぞれ自分自身が経済破綻や犯罪を犯すことによって罰として人類種としての権利を剥奪され、奴隷として売られているので大体は16歳以上の年齢の人達だ。


 だが稀に経済難になった両親達が子供を売ったりする事があり小さい頃から奴隷として育てられる事がある。この娘もそのような境遇なのだろう。


「あの娘は本当に使い物にな『あの娘買うわ、いくら?』らな...え?」

「買うから幾らなの?」

「買う!? この娘をですか?」

「ええ」


 私はこの娘を買って自分達の家族としてこれから育てて行くことに決めた。


 新しい子供か欲しいとも思っていたし、そして第1こんな場所に小さな子供を居させたくないので考えるよりも先に口が動いてしまったがまぁいい。後悔は断じてない。


 ドワーフ店主は呆気にとられながらも値段を掲示してくれたのでその値段でこの娘を買い、今度こそ店を出た。


 小さな少女に私は自分のローブを着させ、手を繋ぎながら少し歩いた。この娘は希望もなにも期待していないような目で虚空を見上げている。


 「今から貴方の名前はリーエ、リーエ・ライロードよ。」


 私は娘となった奴隷に【リーエ】と名付け、土で汚れているがとてもサラサラな金髪を撫でながら、もう片方の手で箒の魔道具を出現させ自宅へと向かった。


 〜〜〜


 自宅へ戻り、私はロジックに娘となったリーエを買い育てる事にする事を伝え彼は笑みを浮かべて、了承してくれた。


 汚れているリーエを風呂で流して、余っている部屋へ行き寝かしてあげた後、私は自室へ戻り小説を読んでいた。


 しばらく本の世界に入り浸っていると窓から鳥が1匹止まって来た。


「ホゥ...ホゥ...」


 ホゥと鳴く鳥の足には紙が取り付けられていたのでそれを取ると、鳥はまた窓から飛び立っていった。


 私は紙を広げて内容を読む。そこに書かれていたのは。


【エルザ・ライロード、ロジック・ライロードに告ぐ。ⅩⅢ使徒の招集が完了したので。明日の日が天に昇った時に王都へと来なさい。


 ロア帝国王 アレス・シャーロッド・ヴィナース 】


 もう集まったのか、流石リュックと言うべきか。......使徒全員が見つかったのはいいが、まだこちらのやっかいごとが終わっていない。さてどうしよかとロジックに相談するとロジックは苦笑いしながらこう言った。


「レオはこの家の守護獣...だけど...人形にすれば家事も子育てもできんだ...」


 私は初めて人に怒鳴った。

 なぜ私が貧民街に行く前に教えてくれなかったのだ...っ!?


 そんなこんなで私達のやっかいごとも消えて、私はため息をつきながら自室の窓から少し欠けた月が映る夜空を眺めていた。


やっと....やっと物語が動き始めます...


次回 第6話〈魔神獣討伐編.3〉


誤字等のご指摘承ってます。

感想、ブクマ、レビューいずれか一つでもしてくださると嬉しいです。皆さんを楽しませれる、そんな小説を書きたいなと思ってます。

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