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第3話〈私の息子の名は〉

少々投稿遅くなりました。申し訳ありません!

今回からシオン視点から一時的にエルザ視点へと変更させていただきます。


親の謎も少しずつ解明されると思います。

どうぞ楽しんでってください!

ーーーーーーエルザ視点ーーーーーーーーーーーー


 私の下に可愛い可愛い息子、シオンが産まれた。

息子は、まだ赤ん坊だが、それでもとても顔が整っていて将来、美男子になるだろう。


 もう数百年生きている私が言うんだ、間違いない。


 シオンは、ロジックと私と違って髪の毛の色が雪の様に真っ白で、クリアブルーの瞳をしている。


 私が生きている、この何百年の間での、初めての子供だ、しかも愛しているロジックとの子だ。可愛くないわけがなかろう。


 だがシオンは赤ん坊な癖にとても不気味な行動を取ることが多いので少々気味が悪い。


 私がシオンを抱くと、この子は胸に必要にしがみ付いてくる。乳を飲む時ならまだしも、ただ抱いている時にも、だ。


 このエロ息子め......


 しかも、私が何か物を無くしたりして探していると、うちの子はまだ1歳も満たないし、基本ベットに仰向けで寝ているので私達大人が発している言葉の意味は分かってるかも知れないが、物の名前などわかるはずがない。


 ──なのに。


 分かるわけない筈なのに、この子、シオンはふっくらとした小さな手で物のある場所に指を指すのだ。


 こりゃ不気味ったらありゃしないが、私はこの行動を見て、気付いた。


 『シオンは天才なりうる知能を持っている』


 と。


 私は急いで本等を買い揃え、まだ1歳にも見たないシオンに読み聞かせを始めた。


 読み聞かせをする為に選んだ本は『ロア伝記』だ。


 何故選んだのかと言うと、そりゃあこの本には私が出ている、息子に私は偉大な人だって思わせたいってのもあるし、ロア伝記には、この国、ロア帝国の全てが載っていると言っても過言ではないほどの、情報が詰まっている。


 読み聞かせを行なっている時、シオンはとても静かに、だが、目は本に食いついて瞬き1つもしない。


 真剣に聞いてくれる様にシオンが取り繕ってくれるお陰で私は毎回、少々自慢げに話してしまう。


 ロジックにも以前、シオンが天才なりうる知能を持っているかもしれないから、今から教育を始めると相談してみると、彼はとても上機嫌になっていた。


 ロジックも自分の息子が優秀になるかも知れないと聞くとやっぱり嬉しいのだろう。


 彼にもまた今度、シオンに読み聞かせなどを頼んでみようか。


 でもロジックは天然だ。シオンに変な知識を植え込んでしまうのか心配だな...やっぱりやめておきましょう。


 私が子育てをしている間、ロジックはいつも冒険者として依頼を受けて稼ぎをしてくれている。


 ちなみに生半可な魔物の討伐とかそんな事はしない。


 大体、Sクラス以上の魔物ならざる者、魔獣を毎日数匹狩ってきてくれている。


 魔物、魔獣。それは、生物たる者たちの嫉妬、恨み、怨み、怒り、絶望感、虚無感から生まれた化け物である。


 魔物らは、生まれた時に渦巻いていた、生物の負の感情の大きさによって強さが決まる。


 この世界での強さの基準は、潜在能力ステータスに記載されているレベルもそうだが、もう1つある。


 ────それが、ランクだ。


 ランクと能力とは別で、依頼等で得られた実績や、1人1匹だけでどれだけ国に影響力を与えられるかの脅威度。などで判定される。


 1番低いランクはEランク。

大人1人が、武器をもって戦えば難なく倒せてしまう強さを持つ者がここに分類される。

農民や村の住民達も、このランクに指定されている。


 1番高いランクはSS+だ。

このランクになると恐らく潜在能力ステータスがおよそレベル60以上ある人が10人ほど集めて戦ってやっと勝てるほどの相手になる。

SS+ランクになると街1つ消すのは朝飯前だ。人間でのSS+となると国の王からも恐れられるほどで、恐らく国王よりも発言権がある。


 ちなみにⅩⅢ使徒アポストロ・レイの皆は私を除いて全員SSランクだ。


 私こと、エルザはSSランクを越えたSS+ランクだ。


 そのおかげで私は、いまのロジックの稼ぎほどではないが何不自由なく過ごせるほどのお金を国から貰っている。


 幻悪種ファンタズマとの戦闘において、敵の王にトドメを刺したのが私だからSS+ランクになったそうだが実際の所、あの勝利は私他12人の力あってこそのものだ。


 なのに何故か私だけこのランクに指定されるのは不平等だと思う。


 ──でも仕方ないか...私は人類初の潜在能力ステータスレベル80到達者なのだから、選ばれるのも無理はない。


 「ただ...いま? です...っ!」


 ロジックが帰ってきた、今日は結構な量の戦利品ドロップアイテムを持ってきている。


 あのロジックが戦利品ドロップアイテムを床に下ろす時に、声が大きくなるほどだ、結構な重さなのだろう。


 戦利品ドロップアイテムとは、魔獣や魔物を倒すと得られるアイテムである。


 魔物や魔獣とは負の感情の塊で出来ている、そしてその負の感情にはあらゆる想いがこもってる、例えばナイフで死にたい、などと思っているとその魔物のコア《心臓部分》がナイフなどに変化してその想いが形となる。


 そして倒されるとそのコアが体内から剥がれ落ちて戦利品ドロップアイテムとして出てくるのだ。


 

 「お帰りなさい。──にしてもこの量は凄いわね、今日は何かあったの?」


 「シオン...に勉強沢山して...欲しいの...だから...だから...うぅ〜」


 ロジックは最後の言葉を言うのが恥ずかしいのだろうか、もじもじして縮こまってしまった。


 ロジックが言いたいことは大体分かっているので別に言わなくても通じる。だって夫婦だもの。


 「ありがとう、ロジック」


 彼の頰にお礼のキスをすると顔を真っ赤にさせて口をパクパクしている。とても愛くるしいリアクションだね。


 私はそんな臆病だけど家族想いのロジックの事が大好きだ、そして愛している。


 あ、私の心の中に火がついちゃった様だ。


 ────もう1人、子供が欲しい。


 子供が出来て彼は、子供のためにと奮闘してくれる。


 そんな彼をもっと見たい。そう思ってしまった。


 今日の夜、私のベットにでも連れて行こう。


 今夜は寝かせないよ!?


 ────こうやって少々歪だが暖かい雰囲気に包まれているこの時間が永遠に続けば良いのに、私はそう思った。


 「んあぁ〜ぶぅ〜」


 あら、少し声が大きかったのだろうか、シオンを起こしてしまったようだ。

私は息子を眠りにつかせるために息子がいる部屋へ向かった。


ーーーーーーーー


 何事もなく2ヶ月が過ぎた。


 私は息子であるシオンに読み聞かせやら、子育てをして。


 ロジックは街へ依頼を受けに行き。


 シオンに危険が迫らないようにと召喚したメラの散歩に行ったり。


 楽しい日々を過ごしていた。


 ──だが、そのような日も今日で終わりなようだ。


 私がシオンをおんぶして胸にしがみ付かれて困っている時に、神妙な顔をしたロジックが帰ってきた。


 「あら、ロジックお帰りなさい」


 今日は戦利品ドロップアイテムも無し、帰宅時間も今日はいつもより早い。何かあったと捉えた方がいいでしょう。


 「うん...エルザ...お...おかえり」

 「ロジック...そこはおかえりじゃなくて、ただいま。でしょ?」

 「あ...そっか...ただいま...」


 ロジックは天然だ、だけど、おかえりをおかえりで返したりそこまで馬鹿では無いはずだ、やはり何かあったのだろう。


 「んびゃーっ! ぶやぁびゃーっ!」


 シオンが珍しく泣くわけでもなく何かを訴えかけている。


 何かを伝えたいのだろうか。


 私たちに、何を伝えたいのか知りたい気もあるが、今はそんな事を考えるよりも、もっと大事な事がある。


 「エルザ...これ...」


 思考に耽っていたら、ロジックから高級そうな手紙を差し出された。


 「この紙質...印...これは恐らく国からの手紙ですね?」


 そうロジックに問いかけると頷きが帰ってきた。


 子育て中の私は今、育児休暇を貰っているはずだ、だがその育児休暇の規約を破ってまで私に依頼が来るというのは、そうとう危険な依頼なのだろう。


 本当なら危険な依頼ほど、育児休暇をとっている私達へ頼んではいけないだろうに......


 私は早速開封して読んでみる。そこにはとても簡潔に依頼内容が書かれていた。


【依頼書

 

依頼人 ロア帝国王 アレス・シャーロッド・ヴィナース


依頼内容 直ちにⅩⅢ使徒の皆を集め、ロア帝国城へと来い】


 見てからに大変そうな匂いがプンプンする、長年、戦いに挑んできた私の勘だ。


 「なるほどね...」

 「今回、直々に僕らに...依頼が回る前に国の騎士達 がね? 戦ったんだ...けど全員死亡したんだ...」


 「それで、私達に依頼が回ってきたと」

 「うん......噂によると敵はとてつもな巨大で...て言う...話...なの...」


 その話が本当ならこれはⅩⅢ使徒アポストロ・レイのとして見過ごすわけにはいかない。


 国に影響がある場合は排除していく。

 それが私たちのやり方だ。


 今すぐにでもⅩⅢ使徒アポストロ・レイの皆を集めたいが私とロジックには1つ問題がある。


 シオンの事だ。


 シオンはまだ幼いので家に1人で残せれるわけがないのだ、さてどうしたものか。


 そして、考える事5分、私はある事を思い付いた。


 「誰か、メイドを雇いましょう」


 信頼できるメイドを1人雇えば子育てを一時的に任せれる。


 早速、メイドを雇うために出掛けましょうか。


 「ちょっとロジック、私は今から少し出かけるのでシオンをよろしくお願いします。」

 「うん...」


 「オギャーっ ンギャーっ!」


 出かけようと準備をしていたら、シオンが泣き始めた。


 これは恐らく、うんちを片付けろって意味であろう。


 最近、シオンの鳴き声で何を伝えたいのかが分かるようになってきた。


 もしかするとこの子は、シオン自身が何をして欲しいのかを分かりやすく伝えるために鳴き方を変えているのか?


 もしそうだとすると、この子は跳んだ天才だ。


 だが、今、この時に泣かれると何かを不吉な予感を感じてしまう。


 この依頼。


 本当に危険な匂いがする。

【翌日にランクについての詳細を投稿させていただきますので少々お待ちください】


次回 第4話〈魔神獣討伐編①〉


なんやかんやあってメイドを雇う事になったライロード家。そして迫り来る不吉な予感...


次回は来週の水曜日頃に投稿します

⚠️第3話はまた後ほど大幅加筆修正する可能性あり。


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誤字等の指摘も受け付けております。


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