19話《仕切り直して》
熱出たり忙しかったりと投稿遅くなりました。申し訳ありません...
「あらためて、おめでとうシオン!」
「おめだよ!」
「ん、おめでとう・・・ッ!」
「おめでとうなの!」
ドッキリのネタあかしをし、先程使ったクラッカーから飛び散った紙くずの片付けをして仕切り直して卒業祝いのパーティーが始まった。
「シオン貴方って結構抜けてる所があるから不合格になるかもと心配してたわ」
「親が息子の事罵倒していいんですか!?」
「だって本当の事じゃ無いの」
「ぐぬぬ・・・」
言い返せなくて辛い。
エルザがいつもの軽い調子で俺を虐めてるとリーエは口を風船のように膨らませてぷりぷり怒っていた。
「やめてください! お母さま、シオンは賢い人です!」
「ふ〜ん、そうかしら?」
「ふふふ」
リーエの可愛い怒りっぷりにメラも笑みをこぼす。
目の前で褒められるのが小恥ずかしい。
というかさっきからロジックは虚空を見つめて何か考え事をしている、珍しいな。
とりあえずさっきの会話で少し気になった事があるので聞いてみる。
「母さんって、もしかしてこの卒業試験の全容って知ってたんですか?」
疑問を口にするとエルザはさも当然かのように
「ええ」
と答えた。
「なんで知ってるんですか!?」
「そりゃ、私も小さい頃あの試験を受けたからね」
「だからか・・・」
と言うことはこの地区の試験合格者が15人のうちの1人なのだろう。
「じゃあ、もちろん母さんも合格してるってことは」
「私も、ロジックもその他使徒の人たちは全員合格者よ」
──そうなると俺たちは結構凄いものに合格したんだなと思えてくる
俺たちが卒業試験で受けたのは魔導の免許取得の為の物だ。
この世界では10歳になると義務的に潜在能力開放の儀式をするがその時に発言する能力はいたって様々だ、例えば魔法適正ではあるが鍛治系統の魔法しか使えなかったり、剣士適正があっても農業でしか使えないスキルが発現する事もある。
その能力を強制的にオールラウンダーなスキルにさせてしまう能力を得られる事ができる、その力を得られる場所というのが、俺がさっきまで通っていたあそこのような。
国規定の魔道学校ではなければならない。
「さぁ、そんな話はやめにして今日はパァッといきましょうなの!」
「そうですそうです!」
手をパンと叩いて俺たちの意識を向けさせてムードを盛り上げるような言葉を発してくれた。
それに乗っかってリーエも手を腰にやりながら笑っている。
メラは早足で作られた豪華な料理を家の長机に乗せて行った。
「うわぁ、うまそう!」
「これ、私も手伝ったんだ!」
「へぇ・・・凄いじゃないですか!」
「えへへ」
褒めてみるとリーエは照れ臭そうに手を頭の後ろにやっている。
この行動はロジックもよくやる行為だ、やっぱり親と子の行動は似るものだな。
「どれどれ──」
近くにあった鳥の骨つき肉を頬張ると口の中に肉汁が溢れ出してきた。
「うまい──ッ」
うますぎて次々と料理に手が付いて行く俺を見たエルザとリーエとメラは薄く微笑んだ。
ロジックはまだ何もない閉所を見つめていた。
仕切り直してのパーティーが始まりましたがロジックは一体何を考えているのでしょうか!それはまたいずれわかると思います──ッ!
次回更新はもしかしたら2日後くらいになるかもです。




