第15話《選択》
今回の台風恐ろしかったですね。
そろそろ一話の改稿をしなければと思っています。
先生は暗い笑みを貼り付けて我々に命令する。
「殺す? どう言う事だよ先生!」
「どうもこうもただの試験ですよ魔導具を使えることが可能な体なのか調べるためのね」
「──馬鹿げてる」
「なんてことさせるの! せんせい!」
俺、シン、リアが抗議するが聞き入ってもらえない。
ちっ・・・どうすれば・・・
「は〜い、あと10秒、9、8」
先生がカウント始めていく。
「ごめ゛んなざいリスざん──」
──ズパンッ
ある1人の娘が固定されたリスめがけて銃弾が脳天目掛けて撃ち抜いた。白い部屋に真っ赤な液体が飛び散る。
それを引き金にある人は叫び声をあげたり、金切り声を出しながら引き金を引き次々と白色の空間を赤色の空間に染め上げていく。
「4ぉーん、3、」
──ズパンッ
──バカンッ
次々に周りから銃弾を放たれている音が聞こえてきて俺はパニックに陥りそうになっている。
頭の中で、撃つか打たないかの意見がせめぎ合って一向に答えが出てこない。
どうする!? ここで撃てば俺は卒業できる、でもクリアするためには動物を殺めなければならない。
撃つ? 撃たない? 撃つ? 撃たない? 撃つ? 撃たない?
時間が停止しているのではないかと思うほど俺は小さな頭で答えを導き出そうと思考する。
「にぃ〜〜」
ダメだッ──考えるほどの時間がない!
「あぁクソ! すまねぇ!」
俺は撃つ選択肢を取った。引き金を力を入れて銃弾を放とうと─────────────
────「魔法や魔術というのは、元は幻悪種が使用してた武器なの──」
──なんだ?
頭の中に突然ある記憶が映像とともに呼び起こされていく。
「──私たちはそれを上手く改造して作った魔法で、今の生活をより良くさせたの。
魔法は生物を殺してしまうほどの力がある。
でもねコレは。
私達の持つこの魔法はね────
────大切な人を護る為にあると思ってるの。
これを戦いの道具にしてしまえば私達ヒューマノイドも幻悪種みたいに心が腐って仕舞う。
そんなのは決してあってはならない。
──シオン、約束しなさい。
この力は容易に命を掠めとる為に使わないと」────
────────そうだ、そうじゃねえか。なんで俺はこんなにも大事な約束を忘れてるんだ・・・ッ!
この力は生物を殺める為のものではない。
俺の中である一つの答えがやっと見つかった。
「いぃ〜〜ち」
答えは──〝撃たない〟
「ゼロ──」
「────」
時間切れになった途端、あたりが静まり返る。
泣いているものは必死に嗚咽をこらえ、パニックに陥った人たちは心を必死に落ち着かせようとする。
「ぬおわっ」
突然、全員の拘束が溶けた。
俺はバランスを崩して顔面から床と衝突した。
「今回の卒業試験、合格者はシン、リア。──そしてシオンの3人です。他の人達も合格と言っては合格ですが貴方達は違う進路へと行くことになります」
良かった・・・合っていたぁ・・・
それにしてもあの2人、よく撃たなかったな。
「何でだよ!」
「どうして!」
指示通りに動物を殺めてしまったこども達が先生に問う。
「魔法や魔術とはねいつ如何なる時があっても私利私欲の為に使ってはならないのです。ちなみにこの言葉は教科書の見開きに大きく書かれています。つまり今、卒業するという私欲の為に命を掠め取った貴方には魔導の道へ進ませる気はありません。」
なるほど教科書に書いてあったからシン、リアは分かったのか。もしも俺の母親がエルザ、ロジックではなければこんな結末よりももっと酷いことになっていただろう。今度からもう少し言う事聞くか・・・。
先生はそう言い切った後、思い出したかのようにまた口を開く。
「今回、動物を殺したものは一応魔術適正があると見なして自由の身にはなりませんが卒業後騎士団へ入る事を義務付けます、今回、規定を破って生物を殺めたのですそれ相応の罰をこれからの一生で償ってもらいます」
その言葉に反論を唱えるものは誰1人いなかった。
「では、撃った者はこのまま隣の部屋へ移動しなさい。3人はこちらへ。」
俺たちは頷き、先生の後についていく。
この第二試験はやり過ぎだと思うだろうか、いや、違う、世界で生きていく為には必要な事なのだ。もしもこの規定が分からなけば到底、外の世界では生きていくことが出来ないのだろう。
──俺は初めて、この英才学部は恐ろしいところだと感じた。
ちょっと無理やりシリアスシーンを出させて頂きました。汚い文章で申し訳ない・・・
次回 第16話《お泊まり会.5》
次回投稿は明後日です!!
皆さんのご期待添えれるようにこれからも精進致します。




