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最強魔術師の息子になりました  作者: 守家 イモリ
魔術と魔法とライロード家 編
12/23

第11話《メンヘラ父娘》

お久しぶりです。守家 イモリです。


テスト勉強のせいでSAN値がゴリゴリ削られて行っています。


今日は長文セリフやら多めです、ご了承ください。読み終わったら【評価】をお願いします。ブックマークや評価をしていただけるだけで私のエンジンはフルバーストしますので...ッ!

 数時間ほど俺は寝ていたのだろうか、軽く寝たお陰であのスパルタ授業から来た疲労が全部とは言わないが少しは和らいだ。まだ瞼は開かずに木々の揺らめく音や風に乗って聞こえてくるストレア街の人たちの喋り声を聞いていく。


 ────俺にとっては外の世界とは未知数な事ばかりだ。前世で産まれた時から死ぬ時まで外の世界とは隔離された場所で育ってきた。もちろんゲームやマンガなどで俺が住んでいた日本や世界各国の景色はある程度知っている。でもその場には俺は行ったことも無いし足を踏みしめたこともない。


 ロジックが俺を外に出してくれなかったら俺はまだ外の世界の事を恐怖の対象として見ていただろう。


 ロジックは俺が外に対して興味を持っているが、玄関から外に出るあと一歩が出せないという事に気が付いてくれて。


 彼は俺を無理やり肩車して街へ出かけた。


 最初は恐怖で目を瞑っていたが、しばらく経ってから目を開くと其処には、川に囲まれて森に囲まれている街の光景と、商店街では皆が料理を作ったり食べたり食材を買ったり売っていたり小さな商店街や、小さな子供とその親が楽しそうに洗濯物を干していたり、ある人はロジック挨拶を交わしたり、俺にまで気にかけてくれて更には甘いお菓子をくれたりした。


 俺は次第にその光景を見て外の世界を怖がっていた自分がバカらしく思って笑えてくる。


 そしてその日から俺は


 外の世界って怖くないんだ。


 と、そう思えるようになれた────


 ◆


「ん?」


 俺は寝返りを打とうとしたが、何かに拘束されて寝返りが出来ない。不思議に思って目を開けてみると直ぐにその理由がわかった。


「──むにゃむにゃ...白猫しゃん行かないで...」


 リーエは白猫を追いかけている夢をみているのか軽く足をバタつかせている。

 俺はそんなリーエの抱き枕にされているようだ。いや抱き枕じゃないなリーエの腕や足で俺の体を〝緊縛〟している。ちょっと動こうにもギッチリ固められているので何もできない。


 さっきからバタついてる足が時々俺の脛に当たるので鬱陶しい、てか痛い。


 白猫。この言葉が何か俺の頭ん中で何かを思い出そうとしている。何処かで何かを追いかけていた記憶がチラチラと蘇ってくるが恐らくただの夢や暇な時に考えていた俺の妄想の一部なのだろう、そのことに関しては深く考えないようにした。


 俺はリーエの力が緩む時を見極めてゆっくりとこの人口緊縛から抜け出そうと試みようと足を後ろにやると誰かの体に当たった。


 当たった先に顔だけ向けると。


「何で貴方がそこにいるんですか......」


 そこには絶賛爆睡中のロジックがいた。


 〜〜〜〜〜〜


 このやけに広い家の庭で俺とロジックとリーエがお互い軽く広がって三角形の位置に立つ。


 全員右手には魔道具のランプ、左手には銃のような形をしている魔道具を持っている。


「えっとね、今日からは実践に移ります。魔力うんぬんって潜在能力開放の儀式をする前にも扱えちゃうものだから今から実践しても損はないと......思う。ということで...やろっか!」


 やる気満々でロジックが言う。

 授業をする時のロジックはさっきまで寝てたあのダラしなくて天然でバカでアホで純粋で何処か憎めない男とは思えないほどの逞しいオーラを放ってる。いつもこんな感じでいて欲しいもんだ。


「え? お父様、潜在能力開放の儀式を行われなくても私たち子供には魔法や魔術を扱えるのですか?」


 リーエが疑問を口にする。俺もそれには疑問を持っていた、ナイス姉さん!


「うん...一応...ね。 潜在能力開放というのは、元々身体の内にあった【スフィア】って言う魔力を作り出す臓器の働きを少し変える儀式なんだ。 だから君達にはもう魔力が身体の中に蓄積されてる。 そしてこれは魔術的根拠はないけど..小さい頃から魔法を使っていると魔術変換能力を持つスフィアが活性化して潜在能力開放時の魔力量が莫大に増えるんだ。 ちなみに僕も小さい頃からやってたんだよ。」


「じゃあつまり、俺らも今からそうやって魔法に触れていけば将来強くなるって事ですか?」


「強くなるかどうかはその後のシオンとリーエちゃんの努力次第だと思うよ!」


 潜在能力の儀式とは10歳の頃にやるロジックが言った通り身体の中にあるスフィアの回路変更をして身体を強化するものだ。


 その儀式を行うと右手に能力が表示されるのだそうだ。


 俺はこの世界で精一杯生きて行くと決めた。その生きていくために重要な魔力を今からでも強くする事が出来るのなら何だってしようじゃないか。


「じゃあ、始めよう。まずは僕がお手本を見せるね」


 ロジックは左手に魔力を込めてランプに流し込むと綺麗に光った、と思いきや数秒で彼の魔力量に耐えきれずに割れて粉々なってしまった...ってあぶねッ!? 破片が飛んできやがった。


「ご、ごめんッ...しっかりと魔力調整したのに...」


 ロジックは息子娘を危険に晒した事でショックを受けてしょげている、ロジックはよくミスやいい加減な事をするが本人自身悪気はないので憎めない。


 気を取り直してロジックが俺らに声をかける。


「と...とりあえず二人ともさっきみたいにやってみて」


「さっきの様に...ねぇ...」

「ふぬぬぬぬぬ──ッ」


 俺はとりあえず心臓部分から出る力の様なものを左手に集める感じでやってみる、エルザの魔法授業でも魔法や魔術は想いの丈を具現化させる能力と言ってたからこれも感覚というより考えた方がいいだろう。


 某格闘家のブルー◯・リーの言っていた、考えるな感じろとは真逆の考え方で魔法は成り立っている。


 ロジックは俺の左手にある光ったランプを見て呆気にとられてる。あれ? なんかヤバいことした?


「凄いね...シオン...魔道具をただお手本を見ただけで発動させるなんて...昔の僕でも無理だったのに...」


「え? あ、そうなの? えへへ」


 あの最強魔術の使い手、ロジックの幼少期に出来なかったことが俺に出来た事がちょっと誇らしい。


 一方リーエはさっきから目を充血させながらも必死に光らせようとしてるが一向に光っていない。


「んんん......かぁっ! だ...ダメだ...」


 リーエはその場にへたり込んで息を荒げている、俺はそんなに力を入れないでもやれたけど何でだろう。


「う〜ん...もしかしたらリーエちゃん、魔術適正が0に等しいんじゃないかな...さっきのリーエちゃんの体から出る微力な魔力も一切左手に動いてなかったから...」


「そ、そんなぁ」

「まぁ仕方がないですよ姉さん」

「うん...」


 リーエは泣きそうな顔で自分の長い髪を捻っている。彼女は軽く落ち込んだ時こうやって長い髪をクルクルと捻る。


 この世界は適正によって能力が分かれている。その適正とは単純で、【剣士適正】か【魔法適正】の二つである。なぜこの二つに適正が分かれるのかと言うと考え方の違いだ。剣士適正があるものは、あまり考えずに戦う感覚派の人たちが多い、魔法適正があるものは感覚よりも考えて行動する派が多い。


 もしかすると俺は魔法適正持ちなのかもしれないな。


 ◆


「じゃあ今度は右手にある魔道具でこの的を当ててみて、ちなみに応用としては銃口をここに向かって...はい! やってみて!」


 ロジックは応用といって的とは全く違う真後ろへ狙いを定めたと思ったらその銃口から発射された槍の形状をした魔法弾はグルりとロジックの周りを一周した後に的を一直線に貫いた。


 俺はその応用を何事もなく成功させた。ロジックがちょっと涙目だ。


 リーエはというと適正がないという事で、見学という形になった。俺はリーエに一つ勝る事ができる物を見つけれた、いつもリーエは俺の先を行く、そんな彼女の出来ない事がやれるとなると言う事でちょっと嬉しい。


 でも嬉しいだけで慢心してはいない、俺が何なく出来ることは他の人が出来るくらいの考え方で行かないとあの時決めた自分自身への約束を破ってしまうこととなる。


 第2の人生を懸命に歩んで行くと言う約束を。


 慢心は身を滅ぼしてしまうからな。そんなのは絶対に嫌だ。


 その後も何なく魔道具を使いながらロジックの応用の手本通りに行いながら、全部一発でクリアしていったが次第にロジックがだんだんとネガティブになっていった。


 今なんて体操座りして一人寂しくうずくまっている。


「そうさ僕は息子に追い抜かれていずれバカにされるんだ、そうだ、そうに違いない、もうまぢリスカしよ...」


「いや俺バカにするなんてそんな事しませんよ!? しかも何でリスカとかそんな言葉知ってるんですか!」


「この言葉はあるお仲間さんに聞いたんだ、自殺したくなったときはリスカしよって言うんだよって教えてもらった...」


 そのお仲間さん何吹き込んじゃってるんですか!? バカなの? 死ぬの? あ、バカなのか。


 しかもロジックにメンヘラ属性なんて要らない。


 これ以上ロジックの属性増やしちゃうと手が付けられなくなる!!


 〜〜〜


「へくち──ッ」


「あら? くしゃみ、こんな季節なのに珍しいわね」


「今春だから多分花粉症だよ、私の故郷って春頃になるとくしゃみとか鼻水とか酷くなる病気が流行るんだ、多分それかも?」


 ────へっくち!


 〜〜〜


 そしてリーエも俺が魔法適正持ちと確信した瞬間に彼女もネガティブになり始めた。あの昔みたいに死んだ目をしながらずっと虚空を見上げてる。


「そうさ僕は龍の加護がないと何も出来ないクソ野郎なんだ...」

「私は勉強しか出来ない出来損ない、だけどシオンは勉強も中々できるし魔法適正もあって天才っていいな〜すごいな〜あこがれるな〜うふふ、死の」


 あ〜もうどうすりゃいいんだ!?


「ほら貴方達、そこで遊んでないで早くご飯食べるわよ」


 イライラが爆発してマックス大変身する寸前で凛々しい声が部屋から聞こえた。エルザだ。


 もう夕飯ができたらしい、そしてナイスタイミング!!


 俺はメンヘラモードの2人をエルザとメラに任せて家内へと戻る。


 玄関にある時計を見ると19時になっていた、あれ? 俺らってこんなにも庭で遊んでたのかな。


 俺は不思議に思いつつも服の匂いを嗅いで見る、うわ、すっげぇ汗臭い。


 あの2人がロジックとリーエを連れ戻すにはいくらあの2人だからといって時間がかかるだろう、その間に身体の汚れを落としにいくか。


 俺は部屋からバスタオルと着替えを用意して一回の奥にある大浴槽へと向かう。














 



































次回


第12話《魔術と魔法とライロード家④》


まだまだライロード家の一日は終わりませんよぉ〜!!


この小説が面白いと感じましたら評価、感想、レビュー、ブックマークいずれか一つして頂けると嬉しいです。

ご指摘等も受け付けております。


次回更新は未定です。おそらく火曜日には投稿出来ると思います。申し訳ありませんまだテスト期間中なので...

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