第9話《俺の母は恐ろしい》
次回投稿が来週と言ったな、あれは嘘だ。
小説書いてたらついつい筆が進んじゃいました。ノリで書いたせいで文章量がいつもより多くなりそうだったので一旦ここで区切って投稿させて頂きます。
第9話《魔法と魔術とライロード家》
(おいっ! ちょっと待てよ!)
俺は白く細長い通路を走り、理由もなく目の前の白い猫を捕まえようとしている。
(待ってって言ってるだろうが!)
俺は小さな体をうまく使って大きく一歩を踏み出したその時、床が割れ、暗い闇の底へと俺は落ちていく────
〜〜〜〜〜〜
「──うわぁっ! ...って、うおぁッ」
「きゃん──ッ!」
俺はジャーキング(周期性四肢運動障害)で起こる落ちる感覚が襲って来て跳ね起きた、が、飛び起きた反動でベットから転げ落ちて隣にいたメラの長い尻尾を踏んづけてしまい、メラが間抜けな声を出した。
てかなんでメラが俺の部屋に?
「シオン君が魘されてたから安心させる為に手を握ろうと思っただけなのに飛んだ災難なの...」
メラが尻尾をさすりながら半泣きで俺を咎めてくる、自分で勝手に入って来たくせに...
その後、メラの機嫌を直して毎朝リビングで読書をしているエルザへ挨拶をして、メラの作った朝飯を食べた。
メラの作る料理はめちゃくちゃ美味い。あの眠そうに半開きの目つきと犬のような垂れ耳の姿からは予想もしないほどの出来栄えだ。
前世で、俺が病院で食べていた料理よりも100倍は美味い。
「メラの料理、やっぱ美味しい!」
「そう言ってくれると嬉しいなの」
メラは俺が美味しそうに食べているのを眺めて薄っすらと笑みを浮かべ、尻尾をプロペラのごとくぶん回してる。
メラはエルザ程ではないがあまり感情が顔に出ないタイプだ、けど、尻尾が世話無く動いているのでこちらとしては感情を図りやすい。
「ふぁあ...おは◯※◇」
「お父さんおは...何言ってんのかわかんねぇ...」
前髪に隠れた目を眠そうに擦りながらおはようの挨拶をする。ロジックは育児の為仕事を減らしたせいかは定かでは無いが、朝にめっぽう弱くなってしまっている。今もろれつが回ってなくてうまく喋れていない。
ふと時計を見てみると、時計の針が朝の10時に向いていた。
(あっ...やべ! 母さんの所へ行かないと!)
俺は急いでご飯を食い終わり、ご馳走様と言い残してリビングを去った。
去り際にロジックの目がチラッと見えた、目の形が蛇のような感じだったように見えたが気のせいだろう。
〜〜〜
「ごめんなさい、遅れました!」
「遅かったね...けど許しましょう貴方のその可愛すぎる顔に免じて」
「あ...ありが...とう?」
遅刻しまいとエルザの部屋へノックもせずに入る。リーエが2つある机のうち1つの机に座って黙々と勉強をしている。
俺は定刻より少し遅れたことに関して謝るとエルザからなぜか熱い抱擁を受けた。母親からの愛が重い...
ここへ来た理由はエルザから魔術に関しての情報を教えてもらう為だ。
俺が通う幼稚園は不思議なことに週に1日しかやっていないので他の日は勉強を教えてくれる人がいないから、魔術のエキスパートであるエルザと召喚魔法など、魔法技に長けてるロジックに休みの日は色々と教えてもらっている。
「さぁ、早く席について。今日は今まで教えたことの総集編よ、授業の最後にはテストをするからね。」
「はい! よろしくおねがいします! 母さん...あっ、エルザ先生っ!」
「うん、よろしい」
リーエは俺とエルザのやり取りと見て、ちょっと羨ましがっている。
リーエはこの3年間で随分変わった、僕らの家族になりたての頃は死んだ目をしていて何事にも関心を持たなかった人だったが、2年前のある日俺が足を躓きいて彼女の頰に...アレをしてしまったせいでリーエが突然大泣きして、その後のリーエの性格が死ぬ前の状態に戻ったのだ。
リーエは俺と違って抜け目がなく、しっかり者だ。故に自分が相手に出す好意的感情を抑え込みがちなのであまり俺のように親に甘えたりしないタチだ。
俺と2人きりの時はこれまた別の性格が垣間見える。
俺が席に着くとエルザは目の前にあるホワイトボードに文字を書き始めた。
エルザの授業最後のスパルタ授業が始まる。
〜〜〜
※ここからは会話多めです。
〜〜〜
「ここまで質問は...無いわね...じゃあこれで私の授業は終わり。そしてここからはテストと行きますわ。」
「はい!」
「う...うん」
リーエは自信満々に声を張り上げる、俺はというとエルザの言ってることは一応わかるがあまり道理がわかっていないのでこれから出てくる問題全てに応えられるか分からないので心配だ。
「じゃあ始めますわね、では第1問。〝魔術とは?〟」
「各人の想いの丈を具現化する力の事であり、魔法と違い、口で魔法陣を刻める事によって実戦で用いる事が多いです!」
「正解よ。 えっと...リーエに一点っと。」
「え? 何、これ点数制なの?」
「ええ、そうよシオン、3点以上取れるまでは帰らせませんからね?」
なんだよそれ聞いてねぇよ!?
さすがドS母さん!?
やることが非道すぎる!?
「さて続いて第3問〝魔術属性の有利不利と属性の種類を答えなさい〟」
(よし──ッ! この問題なら俺でもわかるぞっ!)
「えっと、火属せ...『ウィネマジネには大きく分けて【火属性】【水属性】【土属性】【風属性】【光属性】【闇属性】があって、人それぞれ適性があるか無いかで何の属性か変わります。そして【火属性】は【風属性】に強くて【水属性】に弱い。【風属性】は【水属性】に強くて【火属性】に弱い、【水属性】は【火属性】に強く【土属性】【光属性】【闇属性】は特殊で【土属性】は同じ【土属性】に弱く【火、水、風】の属性には強い。【光属性】と【闇属性】は相性がいい属性もな、そして悪い属性も無い属性だが一つ一つの技はとても強力です。一応大まかな属性の相性はこんな感じですが、適正魔法を使い続けたりしているとそれぞれの固有属性が発現したりするのでこの相性はあまりあてにならないこともあります。』...はぇ...すっごい」
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火 水 風 土 光 闇
火 ー ✖️ ◯ × ー ー
水 ◯ ー ✖️ × ー ー
風 ✖️ ◯ ー × ー ー
土 ◯ ◯ ◯ × ー ー
光 ー ー ー ー ー ー
闇 ー ー ー ー ー ー
※属性相性表
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俺が回答しようとした瞬間にリーエが回答を被せてきて最初はイラっときたが内容が素晴らしすぎて感心してしまった、あのエルザですら驚きを隠せていない。まぁ、顔は真顔だが。
「すごいわねリーエ、こんな理知的に育ってくれて私は嬉しいわ。」
「えっへん!」
リーエが賢すぎて少し嫉妬してしまう、俺も負けていられない。
「それでは第3問──────────────
問題は次々と出されていき、俺が答え、負けじとリーエが答えたが外れたりして第4問目、第6問と続いていった。
〜〜〜
そして俺は、リーエがノルマクリア達成し部屋から抜けて一人でテストをまだ受けている。もうそろそろ頭がパンクしそうだ。
「次、第28問」
「「「もうやめてくれええええええええええ!?」」」
そう叫んでも俺の叫びは届かない。俺は思考停止しかけてきた頭を頑張って覚ませながら問題に挑み続けた。
続き頑張って書きますので、暫しお待ちを!
次回 《魔術と魔法とライロード家.2》
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