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[初めまして異国人。オレ様がアルゼイア18代目国王グシオン・アルゼイアだ。まぁ、今死ぬ人間に挨拶なんて意味ないけどな]

 [挨拶をしたなら返さぬとな。俺は神代慎迩〈かみしろしんじ〉アルゼイア19代目国王だ]

 すると、グシオンの表情は怒りで満ちていた。

 [おい愚図、今なんて言った・・・]

 ここは敢えて挑発して・・・

 [所詮、愚王には分からぬか]

 [なんだとぉ・・・・・・]

 [なら、国民の声を一切聞かない愚図国王にもう一度言ってやる。俺は神代慎迩。アルゼイア19代目国王だ]

 次の瞬間、グシオンは剣を抜き、間合いを一瞬で詰めた。

 [てめぇぇぇ!!!殺す!!!]

 怒りに任せた剣など避けるのは容易いことだ。俺は、必要最低限の動きでグシオンの一刀を避け、腹に鋭い蹴りを入れ、グシオンを先ほどまで立っていた場所まで蹴り飛ばした。

 [ガァ・・・グフッ・・・ゲホッ・・・ゲホゲホ]

 グシオンはうずくまり、口からは血が出ていた。かなり加減したのだがな。

 [き・・・きさまぁぁぁぁぁ!!!!!絶対殺す・・・]

 弱弱しい声でそう言うと・・・・・・

 [陛下、お待ちください。ここは私めにお任せいただきたい]

 後ろに控えていたそこそこ筋肉質の男が出てきた。

 [ゲルニア・・・オレ様の邪魔をする気か?]

 [滅相もない、あのような不届き者は、大観衆の前で陛下が倒した方が国民の関心の目が来ますぞ]

 あのゲルニアとかいう奴、上手く言いくるめたな・・・まぁ、所詮は子供か。

 [それもそうか!そうだな~んじゃオレ様はここで見てるからアイツを適度に痛みつけてくれ]

 そう告げた後、低い声で

 [神装〈リゼア〉していいぞ・・・]

 [ありがとうございます。陛下]

 神装してくるのか・・・ 

 [俺の名はゲルニア・セブンス。アルゼイア警備隊の隊長をしている]

 [契約者〈コントラスト〉で警備隊隊長か~・・・・・・さぞ強いんでしょうな]

 睨みつけながら言葉を放つ。

 [俺の強さなんて所詮、ただの偽物だ]

 微動だにしない・・・こいつは今まででかなりの戦闘経験があると見た。俺と今まで戦った者達は大体がこれで怖気づいていたがこいつはそうはいかないか・・・なら、

 [神装〈リゼア〉をするなら早くしてくれ。俺は・・・剣術だけでお前に勝ってやろう]

 [ほう・・・貴様、俺の器がどれだけのものかさっきのやり取りで分かったと思うが?]

 やはり気づいていたか・・・なら、

 [分かっているとも。だからこそ俺は剣術だけで・・・手加減してやると言ってるんだ]

 ゲルニアの顔は笑っていたがそれと同時に凄まじい怒りも見えた。

 恐らく、若造に格下に見られてることが頭に来てるのだろう。

 [なら良い・・・神装〈リゼア〉!!!]

 やってきたか・・・ゲルニアは全身を神装で覆い尽くした。髪は黒から黄色に、右腕は2倍ほど神装で大きくなり、威圧感が増した。

 [俺の契約神はトールだ。神々の1柱だ。その神々の1柱に神装〈リゼア〉もせず、生身で、それもそんな細い剣と貴様の剣術だけで戦うだと?]

 神々の1柱か・・・確かに生身だと普通は太刀打ちできないが・・・

 [少なくとも俺は神装〈リゼア〉していなくともお前程度なら神装〈リゼア〉しなくとも勝てる]

 [言ったな・・・・・・なら良い!!!貴様が本当に神装〈リゼア〉しなくても勝てると言うならやってみろ!!!]

 案の定お怒りだ。だが、俺が言ったことは紛れもない事実だ。 

 [なら来い。この天羽々斬〈アマノハバキリ〉で相手をしてやる。だがな・・・この天羽々斬は並大抵の力では折ることは出来ないぞ]

 この天羽々斬は大和が誇る神剣の一つだ。それにこの剣にはあいつらがやどっている。だからこそ神装〈リゼア〉した相手でもこんなことが言えるのだ。

 [ならゆくぞ!粉砕の鎚〈トールハンマー〉!!!]

 ゲルニアは僅か2秒でおよそ10メートル離れていた慎迩の目の前にいた。そう、神装〈リゼア〉をすると普通ではありえない瞬間移動も可能なのだ。そして、ゲルニアの粉砕の鎚は俺の足元に直撃した。

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

 地面には直径数メートルのクレーターだ出来ていた。

 [これでも加減はした。だがな・・・・・・・・・俺をなめ過ぎていたな。これがその結末だ]

 [あら?そこのあなた、シンちゃんにはその程度の攻撃じゃかすり傷一つ付けることは出来ないわよ]

 声を上げたのは慎迩の実姉の悠奈であった。

 [バカを言うな、だったらどこにいると言うのだ]

 すると悠奈は・・・・・・ 

 [う~ん・・・どこだろうね?]

 [・・・・・・・・・はぁ?] 

 [だって私はシンちゃんの動きが早すぎて目で捉える事が出来ないもん]

 悠奈がそう言うとゲルニアの周りに突風が巻き起こった。

 [うおぉぉぉ・・・くぅ、た・・・立つのが辛いだと・・・]

 神装〈リゼア〉していても立つのがやっとな程の突風を起こすにはそれこそ神装〈リゼア〉していないと不可能だ。だが、慎迩は神装〈リゼア〉なしの生身でその突風を起こしている。

 契約者〈コントラスト〉は契約している神から神装〈リゼア〉の使用権とその神装〈リゼア〉に耐えれるように元の身体能力も強化されるが契約神一体ではこのようなことをやってのけるのは勿論不可能。

 だが、複数の契約神がいれば話は別だ。

 そして突風が収まった時には慎迩はゲルニアの首元に天羽々斬を突き付けていた。それは瞬きをする瞬間を与えない程一瞬の出来事であった。

 [き・・・貴様、どうしたらあれほどのスピードで動けるのだ・・・・・・]

 ゲルニアは完全に戦意喪失していた。なぜなら、今、ゲルニアの目の前にいるのは自分では太刀打ちが出来ない程の力を持った異国の少年。そしてこの少年はこう言った。

 [言ったろ、お前程度神装〈リゼア〉しなくとも勝てるとな]

 まさにそうなった。そしてゲルニアは心の中で

 [もしかしたらこいつなら・・・だが今はこいつしかいない]

 ゲルニアが慎迩に語り掛けようとしたとき・・・

 ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

 街の東側の城門から爆発音が聞こえてきた。

次でプロローグ及び、第一部[異国の剣士]がおわります。

第一部なのでまだまだ続きます。

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