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finding of a nation online  作者: はちわれ猫
第十二章 探索開始……北の森の恐怖の館
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finding of a nation 92話

 「ここが先程のグラッジ・ファントムが副料理長を務めている厨房か。恐らくここであのフレンドミートを調理したのだろうが……、やはりここには調理師と思われるグラッジ・シャドウやその他類似のモンスター達が十数体程働いているようだな。流石にここの者達は我々に敵対したままだろうから、姿を見られないように身を屈めて移動するぞ」


 悪霊達が会食を行っている広間の偵察に向かったゲイルドリヴル達はまずはその途中にある厨房の2階のバルコニーを通過しているところだった。調理フロアにはここで働いていると思われるグラッジ系のモンスター達がいた為、ゲイルドリヴル達は身を屈めて手すりの隙間がら下のフロアを見下ろしながら移動していた。


 「しかしこうして厨房を見下ろしていると働いてるグラッジ・シャドウ達が小さく見えて可愛いね。小さい時よくああいうミニチュアで遊んでたのを思い出すよ。私は牛や馬達と牧童の人のミニチュアを集めて牧場ごっこをするのが好きだったんじゃけぇ」

 「へぇ〜、そこは女の子のお人形じゃないってところが馬子らしくていいわね。NPCにも私にも一応小さい時の記憶があるけど、女の子の着せ替え人形に色んなお洋服を着せて遊んでたわ」

 「ふ〜ん、なんかマイにしては普通の女の子みたいな趣味じゃね。もっと剣士とか戦士とか、それこそ自分と同じ弓術士とか人形を戦わせて遊んでそうじゃのに……」

 「その点リアはそういうのが好きだったわね。よく私もリアに自分の人形を渡されて戦闘ごっごをやらされてたわ。人じゃなくて怪獣とかお化けばっかりであのグラッジ・シャドウ達みたいのも一杯……ってあら?。あそこにいるのってさっき分かれたグラッジ・ファントムとグラッジ・シャドウの二人じゃないかしら。明らかに私達に向けて手を振ってるみたいだけど……」

 「なに……っ!」


 調理場の様子を見てそれぞれ色々な感想を持ちながら移動するゲイルドリヴル達であったが、そんな時ふとマイが下からこちらに向けて手を振るグラッジ・ファントムとグラッジ・シャドウの姿を発見した。見た目の姿では周りにいる者達と区別がつかなかったが、どことなく先程まで共にいた二人と同じ雰囲気を感じさせるものであった。それを聞いてゲイルドリヴルや他の者達も慌ててマイ達の視線の方向を確認したのだが……。


 「あらっ、本当ですわっ♪。あれは間違いなく先程の副料理長のグラッジ・ファントムさんと事務室のグラッジ・シャドウさんですの〜。どうやら私達に調理場に下りてこいと言っているようですわ〜」

 「なんだと……っ!。下にはあいつら以外のグラッジ系のゴースト達が多数いるがそんなところに下りて大丈夫なのかっ!」

 「はい〜、皆グラッジ・シャドウさん達のお仲間で私達を襲うことはないとサインを送って来ておりますわ。それに私達に大事なことを伝え忘れていたと仰っています〜」

 「ぐっ……大事なことか……。そう言われては我々も下に向かわずを得ないだろう。これまでの彼らの協力を考えると変に疑ってかかるのも失礼だ。ここは一先ず全員で調理場に下りるぞ」


 マイに続いてこちらに手を振るグラッジ・シャドウ達の姿を確認したゲイルドリヴル達だったが、霊術士であるリリスであるには先程のグラッジ・シャドウ達と同一の者であると一目で分かったようだ。どうやらゲイルドリヴル達に調理場に来るよう促す為に手を振っていたようだが、これまで協力のこともありゲイルドリヴルはらしくもなく何の疑いも持たず皆に下に向かう指示を出した。普段ならばバルコニーに何人か残して様子を見張らせるところだろうが、常に堅物な表情を浮かべているゲイルドリヴルもグラッジ・シャドウ達の協力に感謝していたようだ。


 「……お前達の呼び掛けに応じて下に下りてきたぞ。先程別れたばかりなのに一体私達に何のようだ」

 

 “グオグオッ!”


 「え〜っと……、“実は先程お前達に渡したローストビーフには余分があったんだ。一人一切れずつしかないがこの厨房に置いてあるので是非食べて行ってくれ”……っだそうです」

 「ええっ!、あの超美味しそうなローストビーフを一切れだけでも食べさせて貰えるんっ!。それは是非とも頂いて行きたいんじゃけぇっ!」

 「落ち着け、馬子……。グラッジ・ファントム達の好意は嬉しいが今の私達に寄り道をしている時間は……」


 “グオッ!”


 「“あのオルタウラースのゴーストミートを調理したフレンドミートには凄まじい霊力が宿っていて、食した者に暫くの間私のスピリット・オーラと同じ効果を付与する。その霊力がお前達の体に残っている間は俺達のような霊体の相手にも物理ダメージを与えられるようになるから万が一の時に備えて絶対に食べていくべきだっ!”っとまたグラッジ・シャドウが強く仰っておりますわ〜」

 「なにっ!。あの悪霊達に物理攻撃が通じるとなれば確かに戦闘の際にはかなり有効な効果となる。これはお言葉に甘えて頂いて行った方が良さそうだぞ、ゲイル。今までずっと私の肩で休んでばかりいたヴェニルも活躍できるようになるしな」


 “ヴェニッ!”


 「分かった……鷹狩。確かにお前の言う通りだ。時間は惜しいが頂いていくことにしよう」

 「やったぁーーーっ!。ゲイルドリヴルさんの許可も出たしこれで遠慮なくローストビーフを味わって行けるけぇっ!」

 

 “グオグオッ♪”


 時間を惜しんでいたゲイルドリヴルだったが、オルタウラースのゴーストミートを調理したローストビーフの効果を聞いて食していく決断をしたようだ。効果だけなく当然味の方も絶品で、頬に手を当てて喜んでいた馬子は勿論、他の者達もその溢れ出る肉汁の味を味わいながら至高のひと時を過ごしていた。その後グラッジ・ファントムの話ていた通りゲイルドリヴル達はリリスのスピリット・オーラの効果を付与され、万が一の場合起こり得る悪霊達との戦闘に備えた状態で再び2階のバルコニーにから隣の会食が行われている広間へと向かった。






 


 「着いた……、ここが大音楽堂ね。その名の通り楽曲の演奏を聴くホールのようだけど……、随分と広い会場みたいね」


 別れたナギ達を探して探索を続けていたレミィ達は一先ずの目標にしていた大音楽堂へと来ていた。ここにナギ達が転移しているという保証はどこにもなかったが、転移したとすれば元いた場所であるローレイン達と戦った大広間のような広い空間だと思い、入手した見取り図を見てとにかく図面に大きい面積で記された場所を近場から順に回っていたようだ。そしてレミィ達4人が辿り着いた大音楽堂とはその名の示す通り楽曲の演奏のコンサートを開く為の大きなドーム状の空間で、演奏を行う為の中央奥の舞台から扇型を作るように無数の座席が階段状となって並びその数は1000を超える程であった。これはナギ達の住む現実世界でもかなりの規模で観客席後ろの最上段の扉から会場全体を見渡すレミィ達も圧倒される程の空間の広さだった。


 「こんなに席も立ち並んで……おまけに天井までの凄い高さだよ、レミィさん。これだと演奏の音もよく響き渡りそうだね」

 「ふむぅ……だけどここにもナギ達の姿は見当たらないじゃないか。確かにボスは出て来そうなだだっ広い場所だけどよ」

 「そうだね……。でも一応どこかにナギ君達が捕えられてる可能性もあるから舞台裏とかもチェックしていくよ。それでも見つからなかったからさっさと次の場所……」


 “スッ……”


 「う、うわぁっ!」


 一通り会場を見渡したレミィ達だったが、やはりナギ達と思われる者の姿は見当たらなかった。だが念の為舞台裏の探索も行おうとレミィが皆に指示を出そうとした時、突如目の前の地面に黒い円形の影が浮かび上がったと思うと、その影の中から浮上してくるように黒いスーツを着た女性が姿を現した。どう見てもローレイン達と同じこの館の住民の霊だったが、やはり悪霊と化していてレミィ達を襲いに来たのだろうか。


 「な、なんだぁっ!。また暗い雰囲気の青白い顔の女が出て来たぜ。こいつもさっきの奴等と同じこの館の悪霊かっ!」

 「いらっしゃいませ……。本日は演奏者であるルートヴィアナ様主催のコンサートにお出で頂き誠にありがとうございます。開演までまだ少々時間がありますが……、まだ空いている席に案内致しますので私について来てください」

 「な、なんか様子が違うみたいだよ……。コンサートって一体何のことだろう。ついて来てくださいって言ってるけど……どうする?、レミィさん」

 「ちょ、ちょっと待って、シスちゃん。取り敢えず話を聞いてみるから……」

 「………」

 「あのぅ……、実は私達この館で離れ離れになった仲間を探して偶然ここに来ただけで別にコンサートを聞きに訪れたわけじゃないんです。それよりナギ君っていう赤い髪の男の子を含んだ4人組の男女を見掛けませんでしたか。私達ずっとその子達を探して館中を行き回ってるんです」

 「ナギ……さぁ、そんな名前聞いたことありませんしそのような姿の人物を見掛けたこともありませんね。ルートヴィアナ様達なら何か知っているかもしれませんが……」

 「ルートヴィアナ……、確かその人が今から開かれるコンサートを主催して自分で演奏もするんだよね。その人ならナギ君のことを知ってるかもしれないってことだけど……、一体どういった人なの」

 「ルートヴィアナ様はイグナーラ様とヨーゼリ様と共にこのエリアを管轄する三姉妹の魔族の一人です。長女であるルートヴィアナ様は実質一番の権限の持ち主ですので、このエリア内での出来事なら誰よりも精通しているはずです」

 「……っ!。このエリアを管轄する魔族ですって……分かったわ。それじゃあ悪いんだけどえーっと……」

 「……私のことはルナーラとお呼び下さい」


 レミィ達の前に姿を現した女性の霊はルナーラという名前のようだ。服装は先程も言ったが全身黒のスーツ、髪型は前髪を少し残して後ろで団子状に束ねて折り、髪の色は黒色だった。しっかり者でありながらも他者を安心させるような穏やかも感じさせ、まさに受け付けの対応に打って付けの雰囲気を持つ女性で、ナギ達や演奏を行うルートヴィアナのことを問い質しているレミィも丁寧な対応で話しやすそうな感じだった。


 「それじゃあルナーラさん。さっきはああ言ったけどやっぱり私達もルートヴィアナさんの演奏を聴いていくことにするわ。それで悪いんだけどもし空いてるならなるべく舞台に近い席に案内してくれないかしら」

 「……っ!。ちょ、ちょっとレミィさんっ!。私達は今ナギ君達を探してる最中なのに呑気に演奏なんて聴いてていいのぉっ!。こうしている間にナギ君達がここのボスにやられちゃうかもしれないんだよっ!」

 「シスの言う通りだぜっ!。それにこの会場の雰囲気からしてどう見てもクラシックかなんかのコンサートだろ……。バンドのライブとかなら俺も盛り上がれるけどそんなの聞いてたらナギ達を探すどころかここで熟睡しちまうぜっ!」

 「確かにその通りだけど二人共今のルナーラさんの話を聞いてたでしょ。ルートヴィアナとかいうこのエリアを管轄する魔族ならきっとあの仕掛けの転移場所も知ってるだろうし、このコンサートに顔を出すなら隙を見てやっつけてナギ君達のことを聞き出す絶好のチャンスだわ。私もクラシックはあんまり興味ないけどここは様子見がてらその魔族達の演奏を聞いてみましょう。……デビにゃんもそれでいいかな」

 「にゃっ……レミの言う通り僕もこれはナギ達に辿り着く為の情報を得る絶好の機会だと思うにゃ。けど更なる敵の罠の可能性もあるし……、皆最新注意を払って演奏を聴くにゃ。特にあんまり音楽の教養のなさそうなエックスワイゼットは冗談でも眠ったりしちゃ駄目にゃよ」

 「な、何が音楽の教養がないだ……っ!。デビ猫言われずとも俺だってクラシックの1曲や2曲眠らずに聴いていられるわ。なんなら演奏の後この俺の教養に満ちた感想を聞かせてやるぞ」

 「はぁ……、クラシックの楽曲っていうのはいくつも楽章で構成されていて、場合によってはコンサート全体を通してやっと一つの楽曲を演奏し終わるようなものもあるのにゃよ。1曲や2曲の部分聞いたところで感想もクソもないにゃ」

 「ぐっ……まさかデビ猫に教養のなさでここまでコケにされるとは……」

 「さてと……、それじゃあ皆に納得して貰ったことだし席に案内してくれるルナーラさん。さっきも言ったけどなるべく舞台に近い席によろしくっ!」

 「かしこまりました……。それでは私の後について来てください」


 ルートヴィアナがこのエリアを管轄する魔族だと聞いたレミィ達は当初の予定を変更してコンサートを聴いて行くことにした。恐らくナギ達に関して何等かの情報を握っていると判断してだろうが、だとしてもそう簡単に情報を渡すとは考えにくい。取り敢えずはルナーラに導かれ舞台から10列程手前の席に着くことになったのだが……。これまでナギ達を探して歩き回って疲れていたのか、レミィ達は席の前まで案内されるとスッとため息をついて尻もちをつくように腰を深くつけてそれぞれの席に着いた。


 “ドサァ……”


 「ふぅ〜……、なんだかんだこれまで歩き回って疲れちゃった。良い機会だしこの柔らかくて弾力のある背もたれに持たれてゆっくり休ませてもらおうっと。……ふぃ〜、これでクラシックなんて流れてきた日には子守歌でも聞かされるみたいに気持ち良く眠っちゃうよ……」

 「駄目だよ、シスちゃんっ!。心と体を休めるのはいいけどこれから私達はこのエリアを管轄する魔族と対峙するかもしれないんだから絶対に眠ったりしちゃ駄目。……まぁ、そういう私もここに腰掛けた瞬間疲れがドッと出て一瞬意識が飛んじゃいそうだったんだけどね」

 「にゃっ!、それなら皆僕の猫錬金特性の“眠々(みんみん)エキス”を飲むといいにゃ。これを飲むと少し疲れが取れるのは勿論8時間分の睡眠効果も得られるから一気に目が覚めるはずにゃ。……その分夜はあんまり眠れなくなっちゃうだろうけどにゃ」

 「へぇ〜、そんなのあるんだぁ〜。流石仲間モンスターのデビにゃんは気が利くね。普段もこうやってご主人様のナギ君を色々サポートしてあげてるのかな〜」

 「にゃぁ……それがナギの奴意外としっかりしてて逆に僕の方が世話されちゃってるぐらいなのにゃ。夜寝るのも早いし朝も必ず僕より早く起きて朝食の準備をしてるのにゃ。まぁ、戦闘になれば当然僕のサポートも必要になってくるだろうけどにゃ。それより早くこの眠々エキスを飲むにゃ、シッス、それに皆」


 デビにゃんから貰った眠々エキスを飲んだレミィ達、一気に8時間分の睡眠効果を得たことで体に溜まっていた疲れとそれによる眠気も吹き飛んだようだ。これで眠りに落ちてしまう心配もなく悠々とくつろぎながら演奏を聴いてルートヴィアナ達の偵察を行うことができそうだ。


 「それにしても先程から他の席にどなたも見当たりませんが観客は私達しかいないのでしょうか……。折角こんな広いホールなのに私達だけポツンっと取り残されているようでなんだか寂しいです。……ねぇ、クーちゃん」

 「そうぉ?、私はこんな広い場所を自分達で貸し切ってるなんて気分いいけど。それに自分達の為だけにプロの奏者に演奏させるなんて王族ぐらい身分の高い者でないとできないことよ」

 「けっ!、王族だかなんだか知らないが自分一人で演奏を聴いて何が楽しいんだか。大勢の観客と一緒に盛り上がるのがライブの醍醐味ってもんだろうが。そんなに一人がいいなら家でCDでも聞いてろっ!」

 「でもどうやら他の観客達もやって来たみたいだよ……、アクスマン君。それも私達と同じ人じゃない者達がね……」

 「なにっ!、それはもしかして……」


 “グオォ〜ッ♪”

 “グオグオッ♪”

 “ウガァ〜ッ♪”


 完全に貸し切りの状態で席に案内されたレミィ達だったが、暫くして他の観客達もホールに続々と訪れて来た。だがそれはレミィ達と同じ人ではなくこの館に登場するグラッジ・シャドウやマッドゾンビ、その他のモンスター達ばかりだった。純粋にコンサートを楽しみに来ただけなのかレミィ達に敵対する行動を取ることはなかったが、皆順々に自分達に割り当てられた席に着き、あっという間に広間の席の半分程が埋まってしまった。


 「うおっ!。……まぁ当然のことだろうが俺達と同じ人と思われる奴は一人もいないな。しかしあんなゾンビや骸骨共にクラシックなんて敷居の高い音楽のニュアンスが分かるのか」

 「そんなことより私達に襲ってこないか心配だよ……。今は私達と同じコンサートを楽しみに訪れた観客っぽい行動してか取ってないけど……。こんな大勢のモンスター達に囲まれて戦うことになったら……レミィさんっ!」

 「確かに私達が圧倒的に不利になっちゃうね……、シスちゃん。だけどナギ君達のことを考えるととてもコンサートを待ってる時間なんてないし……、ルートヴィアナとかいう魔族達の演奏が始まったら早い段階で隙を見て仕掛けるよ。皆この程度の数のモンスターに囲まれたからってひよっちゃいないよねっ!」

 「当たり前にゃっ!。こんな奴等僕のデビル・アックスクラッシャーであっという間に片付けてやるからいつでも指示を出してくれよにゃっ!、レミィっ!」

 「ふふっ、了解っ!」


 こうしてレミィ達は大量のモンスター達と共に会場の席に着いた状態でルートヴィアナとかいう魔族が現れるのを待った。そして演奏が開始して間もない内にこちらから攻撃を仕掛けるつもりのようだが、このエリアを統括する魔族3体とこれだけ多くのモンスター達と一気に敵対状態になればレミィ達の不利は否めない。だが逸早くナギ達の居場所を突き止める為にもそうせざるを得なかったようだ。時間さえあればコンサートの終了後にそれぞれの魔族から一人を選んで後をつけ、完全に自分達に有利な状況で仕掛けることもできたのだろうが……。そして来場するモンスター達の波も止まり、再び会場が静けさを取り戻すこと約10分、レミィ達が覚悟を決めてまだ誰もいない舞台上を見つめる中とうとうそこにルートヴィアナと思われる魔族の女性が姿を現すのだった。


 




 

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