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finding of a nation online  作者: はちわれ猫
第五章 一晩の休息
33/144

finding of a nation 30話

 川辺の近くまで移動したナギ達はそこにキャンプを設置して暫く自由行動を取っていた。そんな中辺りの草原を散策していたナギとデビにゃんの上空に突如トレジャー・クロウという黒い大型の鳥型のモンスターが飛んできたのだった。世界中の貴重なお宝を漁り回っていると言われている大型の鴉のようなモンスターで、倒すと貴重なアイテムの入った宝箱をドロップするらしい。そのことを知ったナギとデビにゃんはなんとかしてトレジャー・クロウを倒そうとしたのだがナギ達には上空100メートル以上の高さを飛んでいるそのモンスターに攻撃する手段がなかった。この場にいないナミやセイナ達を呼んできても恐らく攻撃手段は持ち合わせていなかっただろう。それに皆を呼びに行っている間にトレジャー・クロウはこの場を飛び去ってしまうだろう。


 「にゃぁぁぁぁっ、ナギっ!。早くなんとかするにゃっ!」

 「な、なんとかって言われても……そうだっ!。このビリビリミートを空に投げたらあいつ反応して食いついて来ないかな」

 「にゃっ……確かに可能性はあるかもしれないけどあんな高さまで投げることができるのにゃ。あんまり距離が離れてるとモンスターもお肉に気付かずにそのまま通り過ぎちゃうにゃよ」

 「大丈夫。実はさっき魔物用の肉にモンスターをより引き付ける匂いを付与できる魔法を覚えたんだ。その名のデリーフィクティシャス。これを使って投げればきっと食いついてくるはずだよ。ところでデビにゃんあいつの好きな肉の種類とか分かる?」

 

 遥か上空を飛んでいるトレジャー・クロウに対しナギは街で加工したビリビリミートを食べさせる作戦を考え付いたようだ。だがこのままでは空に向かって投げてもトレジャー・クロウには届かず肉に気付いてもらえない。そこでナギは先程ヴォルケーノ・レックスを倒したときに覚えたデリーフィクティシャスという魔法を使うことにしたようだ。デリーフィクティシャスとは美味しいという意味のデリシャスと架空や想像上の等を意味するフィクティシャスを合わせてできた言葉だ。どうやら周囲のモンスターにしか感じ取れない架空の匂いを作り出しておびき寄せる技の技のようだ。匂いを嗅いだモンスターにその肉を食べた時のイメージを擦り込むという意味も込められているらしい。


 「おおっ!。いつの間にかそんな技覚えてたのにゃ、ナギ。確かにそれならあいつを食い付かせることができるかもしれないにゃ。多分あいつは僕と一緒で油の乗った肉が好物のはずにゃ。焼き加減はレア、できるだけ生に近い状態の奴がいいにゃ。味付けは湖沼が少し乗ってくるぐらいでいいはずにゃ」

 「なるほど……、でもビリビリミートもそんなに加工できてるわけじゃないからね。できるだけ条件に近いお肉はと……あったっ!。オイルゲーターの肉で作ったビリビリミート。ちょっとミディアムレア気味だけど味付けはあっさりしてるからきっと大丈夫だよ。それじゃあデリーフィクティシャスの魔法を込めてと……」

 「にゃっ…」

 

 ちょうど良くトレジャー・クロウの好みに合うビリビリミートを加工していたナギは早速その肉にデリーフィクティシャスの魔法を込め始めた。オイルゲーターとは油を体に吸収していく特性を持った巨大なワニ型のモンスターである。水中に住む生物の死骸から発生する油などを長年に渡って吸収し続け、その肉はグリーシー・バッファローと並んで高級霜降り肉として知られている。これならばトレジャー・クロウも食い付くだろうが、ナギがデリーフィクティシャスの魔法を掛け始めた瞬間からデビにゃんの身に異変が起きていたのであった。


 「(にゃ……、なんだかもの凄くいい匂いがしてきたにゃ……ってこれ僕もナギの魔法の効果に掛かってるんじゃないのかにゃっ!。もう今にもあのお肉に飛びつきたくて仕方ないにゃ……)」

 「う〜ん……取り敢えず魔法は掛け終わったけど上手く臭いは付いてるのかな〜。モンスター以外には分からないみたいで僕には全然分からないな〜。どう、デビにゃんなら何か分かる?」

 「だ、大丈夫にゃ……。(いいから早く投げてくれにゃ……、ナギ……)」

 「そう?。でも念の為にもう一回掛けておこうかな。えいっ、デリーフィクティシャスっ!」

 「(にゃあ〜〜〜……。た、耐えるのにゃ、デビにゃん……。ここでお肉に飛びついちゃったら仲間モンスターとして一生ものの汚名を残すことになるのにゃ。ご主人のお肉を食べていいのはあくまでナギの許可が下りた時だけにゃ……)」

 

 ナギは気が付いていなかったがすでにデリーフィクティシャスの魔法の出す匂いはかなりビリビリミートから発せられているようで、すぐ側にいるデビにゃんは今にもお肉食い付きたくて体をウズウズさせていた。だが自分の持ち物ではないナギの肉を食べてしまうなどデビにゃんに取ってはとても許されない行動であった。デビにゃんはビリビリミートから発せられる誘惑の甘い香りを必死に断ち切りながらナギがビリビリミートを投げてくれるのを待っていた。


 「よ〜し、それじゃあ投げるぞ〜。えぇ〜〜〜いっ!」

 “ヒューーーーっ!”

 「にゃぁぁぁぁっ、もう駄目にゃぁぁぁぁっ!」

 「で、デビにゃんっ!」

 

 ナギは勢いよく上空に向かってビリビリミートを投げたのだが、なんとデビにゃんもついに我慢できず肉に向かって飛びついて行ってしまったのだ。デビにゃんは小さな黒い羽を必死にばたつかせ一気に空へと向かっているビリビリミートに追い付いて行った。デビにゃんが本格的に空を飛ぶのはこれが初めてのことである。だがデビにゃんの空の地形適正率は20%程度なので空中ではまともに体勢を維持できず飛べるといっても30メートル程の高さが限界だろう。もしデビにゃんがビリビリミートに追い付いて食べてしまえばトレジャー・クロウでなくデビにゃんの体が麻痺して地面に落下してしまう。最悪の場合戦闘不能に陥ってしまう場合はもある。慌てたナギは咄嗟にコールの魔法を使いデビにゃんを手元に呼び寄せるのだった。


 「ま、不味いよデビにゃんっ!。それ食べたらデビにゃんの体が麻痺して地面に落下しちゃうよ。一体どうすれば……そうだっ!。僕の元に帰って来て、デビにゃん、……コールっ!」

 「にゃぁぁぁぁっ、……にゃぁっ!」

 “パッ…”

 「帰って来たぞっ!。後はトレジャー・クロウが食べるまでしっかり掴まえてれば……」

 

 ナギのコールの魔法のおかげでデビにゃんはなんとかビリビリミートを食べる前にナギの元に戻ることができた。だがナギが必死に抑えつけているにも関わらず肉への執着心は消え去っていないようでデビにゃんはナギの腕を振り切ろうと必死に体をばたつかせていた。


 「にゃぁぁぁぁっ、放してくれにゃぁぁぁぁっ!。あの肉は僕の肉にゃぁぁぁぁっ!」

 「で、デビにゃん……、落ち着いてっ!。あの肉はビリビリミートなんだよ。食べたらデビにゃんの体が痺れて動けなくなっちゃうよ。今あのトレジャー・クロウが食べてくれるはずだからもう少し我慢して……」

 「にゃぁぁぁぁっ!」


 デリーフィクティシャスの魔法の効果の高さはデビにゃんの様子を見ていれば一目瞭然だった。デビにゃんの頭の中にはすでにあの肉のことしか頭になく主人であるナギの腕を引っ掻き回しながら腕の中で悶え苦しんでいた。肉を食べたいというより食べることができないことが苦痛という感じだった。当然それはトレジャー・クロウも同じようで、ナギの投げた肉がなんとか50メートル程の高さまで到達するとすぐにビリビリミートに目を向け、飛ぶ方向を変えたと思うと一目散にその肉に向かって急降下してきた。そしてサッとビリビリミートを咥えたと思うとすぐ再び上空に舞い戻って行き、安全な高さまで来たと判断するとゆっくりと味わいながらそのビリビリミートを食した。そしてビリビリミートが消えたことによりデリーフィクティシャスの魔法の効果も切れデビにゃんも正常に戻っていった。


 「にゃぁ……にゃあっ!。一体僕どうしてたんだにゃ。なんでナギに抱っこされてる……ってにゃぁぁぁぁぁぁっ!。ナギの腕が傷だらけになっちゃってるにゃっ!。もしかして僕がやっちゃったんだにゃっ!」

 「違うよ、デビにゃん。これは僕がデビにゃんのことを考えずに魔法使ったせいだから自分でやったようなもんだよ。だからデビにゃんが悪くないから気にしちゃいけないよ」

 「にゃぁ……す、すまないにゃ、ナギ……。まさかデリーフィクティシャスの魔法の効果がこんなに強いなんて思わなかったにゃ……」

 「僕がちゃんとコントロールできてなかったのが悪かったんだよ。ちゃんと使えば仲間モンスターには影響ないようにもできたはずなのに……。それよりトレジャー・クロウはちゃんとビリビリミートに食い付てたよ。もう食べちゃったんじゃないのかな」

 「それならもう体が痺れて来てるはずにゃ。流石に麻痺状態になれば飛行状態を維持できずに地面に落ちてくるはずにゃ。落下ダメージで死んじゃうんじゃないのかにゃ」

 「そうだよね……。あっ、あいつが落ちていくよ。僕達も落下地点に向かおう」

 「了解にゃ」

 

 正気に戻ったデビにゃんはナギの体を傷付けてしまったことを悔いていた。だがナギに優しい言葉を掛けられたおかげで心には傷を負わずにすんだようだ。そしてデビにゃんが食べずに済んだビリビリミートを美味しそうに完食したトレジャー・クロウはその効果で体が痺れてしまい、飛ぶための体勢を維持できず急速にに地面へと降下していった。その途中で完全に体が麻痺してしまったとか50メートル付近の高さから地面対し垂直に落下してしまっていた。


 「せいっ!。……はぁ……、やはり手掴みで魚を捕えることはできんか。早く釣竿が欲しいのぅ……ってんん?」

 “ヒューーーー……”

 「な、なんじゃ……っ!」

 “ドッボーーーンっ!”

 「ひえぇぇぇぇっ!」


 その頃ボンじぃはというとコートを脱いでズボンの裾を上げ、裸で川の中に入り手で魚を掴み取ろうとしていた。一応靴や服を脱いで水に入った方が動きやすいようだ。ゲームの中なので濡れてもすぐに乾いてしまうようだったが。流石に手掴みで魚を獲るのは難しくボンじぃが肩を落としてため息をついていると水面に突如として上から何かが降ってくる影が映し出された。慌ててボンじぃが空を見上げると先程ナギがビリビリミートを食べさせたトレジャー・クロウが真っ直ぐ凄いスピードで落ちてきていたのだ。トレジャー・クロウはそのままボンじぃの目の前の川の中に落下すると大きな水飛沫と共に水面に叩きつけれてしまった。


 「い、一体何事じゃっ!。空から何かが降ってきたようだが……んん?。こ、これは……、大きな鳥かの」

 「お〜い、ボンじぃ。今そこに大きな黒い鳥が落ちてこなかった〜」

 「おお、ナギや。その鳥なら今しがたわしの目の前に振って来たぞい。全くこやつのせいで体中びしょ濡れじゃわい。もう乾いてしまったがの」

 「だったら気にすることないにゃ。それよりこの鳥は凄いお宝を持ってるかもしれないのにゃ」

 「なんとっ!。ならば早く止めを刺さねば……っと言いたいところだがもう息絶えておるようじゃのぅ……」

 

 どうやらボンじぃの前に落ちてきたトレジャー・クロウは水面に叩き付けられた衝撃ですでにHPが尽きてしまったようだった。地面に落下するよりはダメージが少なくて済んだだろうが、あの体勢では水の中に落下したといっても衝撃に耐え切れなかったようだ。トレジャー・クロウのHPと物理防御力がさほど高くなかったということもあるだろう。ステータスが低い分遭遇率はかなり低いようだが。戦闘不能となったトレジャー・クロウは水面に浮いたまま消滅してしまった。そしてそのトレジャー・クロウが消滅した後に赤い色の大きな宝箱が出現したのだった。


 「うわぁっ、本当に宝箱が出現したよ、デビにゃんっ!」

 「にゃあ、僕言った通りだったにゃぁ、ナギ。それよりまずは宝箱をアイテム化するのにゃ」

 「ひやぁ〜、これまた豪勢な宝箱じゃわい。しかも大きさも1メートル近くあるのぅ。これは財宝が山ほど入ってそうじゃわい」


 ナギ達の前に出現した宝箱は全長1メートル程の大きさで、奥行きは40センチ程度、高さは蓋の部分を合わせて70センチ程のあった。ゲームの世界ではお馴染みの形で、収納部分は長方形、蓋の部分は円柱を縦に割ったような丸みを帯びた形をしていた。箱の各ふちには金でできた板が張り付けられており、蓋の正面には宝石が埋め込まれていた。他の部分にも金で模様が描かれており、中の宝以前にこの宝箱自体がかなりの価値が有りそうなものだった。ただあくまで豪勢なグラフィックで演出されているだけでこの宝箱自体には何の効果もなく価値も全くない。中のアイテムを全て取りだして不要と判断された時点でその場から消滅する。ナギは一先ず宝箱ごとアイテム化して皆のところに戻ることにした。

 

 



 「ええぇ〜〜〜っ!。トレジャー・クロウって鳥型のモンスターを倒したらこの宝箱を落としたですってぇぇぇぇぇっ!」

 

 

 宝箱をアイテム化したナギ達は女性陣のいるテントへと向かい再びトレジャー・クロウの落とした宝箱を皆の前に出現させた。ナミ達は突然の出来事に驚くと同時に歓喜の声を上げていた。かなり豪勢な宝箱であったので皆もかなり貴重なアイテムが入っているのではないかと期待していたのだろう。皆宝箱を入手したナギに感謝を示し褒め称えていた。


 「マジかよっ!。すげぇじゃねぇか、ナギっ!。全くお前といるとラッキーなイベントばかり起こるな。実はプレイヤーによってゲームの内の扱いに差があるんじゃねぇか。実はナギだけ選ばれし勇者に設定されてたりよ〜」

 「(にゃっ!。レイチェルの奴以外と鋭いにゃ……。でもナギとナミが現状このゲームにおいて特別な存在なのは確かだけど、ゲームの確率そのものは公平に設定されているはずなのにゃ。でも公平っていってもこのゲームの場合そのプレイヤーの人格やそもそもの現実世界での行動、ゲームに対する思いなんかも正確に測定できているのにゃ。つまり道徳やモラル、カリスマ性や独自性、それに堅実性や忍耐力まで現実世界での人物のありとあらゆる特性が隠しステータスとして反映されてるのにゃ。きっとナギの誠実な性格と日頃のゲームに対する感謝がこの幸運を招きよせているのにゃ)」

 「そ、そんなことないよ。あくまで偶然だよ、偶然。レイチェルだって鉱山で珍しい鉱石手に入れてたじゃないか。そのおかげでヴァイオレット・ウィンドだって作成できたんだし。きっと僕達全員の運の力でこの宝箱も手に入れたんだよ」

 「良いこと言うね、ナギ君。きっとその純水無垢な心がこの幸運を引き寄せとるんじゃよ。私らも見習わんといかんね」

 「でもちょっと待ってください。折角入手したお宝ですけどこのゲームは確かアイテムは一度自国に納品しなければならないのではないでしょうか。この宝箱の中身は本当に私達のものになるのでしょうか……」

 「あっ……」


 宝箱の入手の喜びを分かち合っていたナギ達だったが、宝箱を開ける前に共通した疑問が皆にはあった。それはこのゲームにおいて入手したアイテムは国に納品しなければならないというシステムだ。最初の討伐の時はほとんどのアイテムが自動的に納品されてしまっていたがその理屈だとこの宝箱のアイテムも一度ヴァルハラ国に納品されてしまうことになる。そう考えるともし珍しいアイテムを入手してもその喜びはほとんどなくなってしまうが自身に手に入るアイテムと国に納品されるアイテムに何か違いがあるのだろうか。内政で入手したアイテムは基本的に全て国に納品されしまうようだが。


 「そうね。折角だからこのゲームのアイテムの入手について今説明してしまいましょう。結論から言うとその宝箱のアイテムは全て私達のものになるわ」

 「本当っ!。じゃあ安心して宝箱の入手を喜べるね。でも最初の討伐の時に入手したアイテムはほとんど納品されちゃってたよ。そう言えばここに来るまでに敵が落としたアイテムとかってどうなってるのかなぁ……」

 「最初の討伐の時はゲームの公正を規す為に全て回収されることになってただけよ。セイナみたいに何千体も倒した人達との間でいきなりアイテムの格差が開き過ぎちゃうでしょ。ここまでに敵から入手したアイテムもちゃんと手元にあるから安心してちょうだい。一先ずパーティ用のアイテム欄に全て登録するよう設定してあるわ。リーダーは私だしね」


 どうやらこの宝箱のアイテムは全てナギ達の手に入るようだ。そして城を出てからここまで来るまでに討伐したモンスターがドロップしたアイテムも全て入手できているようで、リアによってパーティ用のアイテム欄に収納されるよう設定されていたらしい。どうやらパーティのリーダーに指名されたリアにはアイテムの入手の仕方や配布の仕方を決定する権利があるらしい。今は一先ず全ての入手アイテムをパーティで共有できるようにしていて、皆の許可なしには勝手に使用できず自分の持ち物にも出来ないようになっているらしい。この後も皆に公平になるよう分配するということなのだろうか。


 「そうなのっ!。ちょっと開いてみようかな……って本当だっ!。ちゃんとパーティアイテム欄って項目に今まで入手したアイテムが保管してある」

 「おおっ、確かに色々あるな。主にドラゴンラプターの肉と骨ばかりだがシザーライナーの角という物があるな。あとはテディベアラーの毛皮……むっ!。この青の宝玉というのはウィザードラゴンラプターの頭に埋め込まれていたものではないか。かなり貴重なアイテムのように思えるのだが……」

 「他にも貴重なアイテムっぽいのもあるにゃよ。このヴォルケニック・ジュエル・ロックってさっきのヴォルケーノ・レックスが落としたものじゃないのかにゃ。砕くと複数の玉石を取り出すことができるって書いてあるにゃ」

 「そうね。割と貴重なアイテムも手に入ってることだし、宝箱開ける前に一度アイテムの分配でもやっとこうかしら。今はパーティ用のアイテム欄に保管されるようになってるけど、設定によっては自動でパーティメンバーに振り分けるようにもできるわ。敵に止めを刺したプレイヤーのみアイテムが入手できるようにも出来るけど、これだとサポート職の人達が不遇な思いをすることになるからあんまりお勧めはしないわ。こうやって皆で話し合いながら分配するのが一番いいかもしれないわね」


 今までに倒した敵がドロップしたアイテムを無事入手できていると知ったナギ達は、宝箱を開ける前に一度そのアイテム達を分配してみることにした。昔のMMOであれば画面上で敵が消滅した地点にドロップアイテムが出現したためすぐにアイテムを拾える位置にいる前衛キャラがアイテムを取るのに非常に有利だった。しかも完全に拾ったもの勝ちだったので遠距離攻撃型のキャラやサポート型のキャラが全くアイテムを入手できず苦い思いしている時期があった。固定パーティならば後で後衛職のメンバーにもアイテムを分けたりしていたのだが、野良パーティでは狩りが終わった後一言挨拶済ますだけで解散してしまうことが多かったため後衛職にまでアイテムが回ってこないことが多かった。そういった事態を回避するため様々なシステムの変更がされていった。一時は一つのアイテムを入手する場合パーティ内の全てのプレイヤーに配布されるようになったり、そもそも敵からのドロップアイテムの入手がなくなったりもした。最終的にはドロップアイテムをなるべく均等になるように自動で分配してくれる仕様に落ち着いたようだ。VRMMOに移行してもそれは変わらず、低ランクのアイテムは自動で分配、高ランクのアイテムは一先ずプールしておき後から話し合いをしながら分配するのが主流になっていた。ランク別以外にも詳細な設定ができるようになっており、例えばある特定の種類やカテゴリーのアイテムを優先的に選択したプレイヤーに配布するようにできたり、正確にパーティへの貢献度を測りその数値が高いプレイヤーにより多くアイテムが分配されるようにもできた。今ナギ達はそういった設定を全くしていなかったので全てのドロップアイテムがパーティ用のアイテム欄にプールされるようになっていたようだ。


 「さて、それじゃあ分配しておこうと思うけど皆何か欲しいものある?。完全にランダムに振り分けてもいいんだけど折角だから皆の希望通りに分配できるよう努力しましょう」

 「僕はできればモンスターの肉のアイテムが欲しいな。できるだけ質のいい肉を手に入れておけば効果の高いモンスターミートが作れるし」

 「僕は錬金術の素材に使える魔物の骨や爪、眼球とあと魔物の体液なんかも貰えると嬉しいにゃ」

 「私は副業が宝玉師だからヴォルケニック・ジュエル・ロックが欲しいわね。勿論玉石に砕いてからでいいわ。いくつ出てくるか分からないけど1つ貰えればそれでいいわ」

 「なんだったら砕かずにお前がそのまま貰っちまえよ、ナミ。どうせ宝玉師の復職に就いてるのお前だけなんだし、私等が玉石のまま持ってても仕方ないしな」

 「えっ、いいのっ!」

 「うむ、私も別に構わんぞ。それに他のアイテムも特に欲しいと思えるものはない」

 「もろうとき、ナミちゃん。私も別に欲しいものないし。MMOのアイテムって説明みただけじゃと何がなんだか分からんのが多いけんね」

 「ありがとうね、皆。ちゃんと宝玉に加工で来たら皆にプレゼントするから期待しといてねっ!」


 皆にアイテムの分配の希望を取ったリアだったがナギとデビにゃん、それにナミ以外からは欲しいアイテムの希望が出ることはなかった。特定のアイテムを取り扱う職に就いているナギ達以外にとって特に必要と思えるようなアイテムはなかったようだ。実際大抵のMMOのアイテムは特に使いどころもなくプレイヤーからは不要と見なされ店に売却されたり場合によっては捨てられてしまうものが多い。ただこのゲームのアイテムの多くは鍛冶や錬金術などの素材にすることができるためそれらの職に就いてる者には全てのアイテムに利用価値があると言える。副業職の転職は戦闘職に比べて比較的容易なため取り敢えず確保しておいたいいように思えるがセイナ達はアイテムにはあまり興味がなさそうだった。恐らく普段のMMOのプレイでは要らないと思われるアイテムはほとんど売り払ってしまっていたのだろう。


 「期待しています、ナミさんっ!。私も特に希望するものはありませんし鍛冶屋や錬金術、宝玉師に就いているナギさん達に全てのアイテムを預けてしまっても構わないのではないでしょうか」

 「それがそうもいかないのよ。確かに討伐の時と違ってアイテムは全て私達の手に入るようになってるけど、このアイテムは全て国に対して納品することもできるのよ」

 「でも納品するかどうかはこっちで決められるんでしょう。だったらそんなこと気にする必要ないんじゃないの」

 「ところがこのゲームには半年ごとに各プレイヤーごとに納品アイテムの質と数の査定があって、その時に一定以上の納品の評価がないと功績ポイントを大きく取り下げられてしまうのよ。だからどんなにアイテムを必要としないプレイヤーでもパーティからアイテムの分け前はきちんと貰っておかないといけないの。基本的に要らないアイテムは店で売るより国納品した方がいいわ。もし納品を渋ってると国の方から自動で徴収されて自分の意図しないアイテムが国に納品されてしまうこともあるから気を付けてね」


 アイナは手に入れたアイテムをそれらの利用価値を引き出すことの出来るナギ、ナミ、デビにゃんに全て預けてはどうかと提案した。自分達が持っていても特に使い道のあるアイテムは少なく、ナギ達に加工して貰った方が有効に活用できると判断したのだろう。ナギ達なら加工したアイテムを自分達で独占せず後でちゃんと加工したアイテムを配布してくれるだろう。ナギ達を信頼していたからこそ出て来た言葉かもしれない。だがリアが言うにはどうもそういうわけにはいかないらしい。このゲームの入手したアイテムを国に納品するかどうかはプレイヤーの自由のようだが、やはり期間ごとに一定のアイテムの国に納品しなければペナルティが課せられるらしい。更にアイテムの納品ポイントが不足している場合は監視プログラムによって自動的に徴収が行われるらしい。下手をすれば自分の持っている重要なアイテムが勝手に納品されてしまう可能性もあるということだ。場合によっては装備中の武器や防具であっても強制的に納品されるため、プレイヤーにとっては大きな痛手となるだろう。例えばレイチェルの今装備しているヴァイオレット・ウィンド

などが徴収されたりしたら戦闘面の影響だけでなくプレイヤーの精神にも大きなダメージを負ってしまうことになるだろう。このゲームの目的は自国を強化して他国に打ち勝つことなので当然のルールではある。なので今入手しているアイテムは国への納品用にパーティ全体に分配する必要があるということだ。また内政の仕事によって国に納品したアイテムはこの納品ポイントには含まれず、更に内政の仕事にも期間内に取得しなければならない成果ポイントというものが設置されており、アイテムの納品と同じく規定ポイントに届かなければ功績ポイントが取り下げられてしまうことになる。アイテムの納品ポイントと内政による成果ポイントが分かれているのは恐らく周囲の探索や領土の拡張、そして内政による自国の強化をバランスよく行わせるためだろう。また副業職によって生産したアイテムは納品ポイントも高く功績ポイントも多く加算され戦闘職、内政職、副業職の仕事をバランスよく実行することを促すようなシステムとなっている。


 「なるほどのぅ。ならば高ランクのアイテムや利用価値の高いアイテムは事前に希望を取って分配しておき、残ったものを納品時のポイントが公平になるよう振り分けるのが妥当というわけか」

 「そういうことよ。皆の希望を聞く限りだと特定のアイテムが欲しいのはナギ、ナミ、デビにゃんの3人のようね。取り敢えずヴォルケニック・ジュエル・ロックはナミに配布するとして、残りの中で特に貴重そうなアイテムは青の宝玉ぐらいか。これは多分武器や防具に加工できるアイテムだろうから取り敢えずナギに渡しておくわ。どんなアイテムに加工できるかどうかは分からないから城に帰ったら自分で調べといて。もしこのメンバーや知り合いに有効なアイテムに加工できそうなら後で連絡しておきなさい」

 「分かったよ。あとできれば質のいい肉も欲しいんだけど……」

 「分かってるわよ。ヴォルケーノ・レックスの肉は全部あなたに上げるわ。でかいだけあって肉も大量に落としていったみたいね。アイテムの数で言うと54個ってなってるわ。これで当分モンスターミートには困らないでしょう」

 「にゃぁぁぁぁっ!、僕の錬金術の素材はどうなってるにゃぁぁぁぁっ!」

 「えーっと、錬金術の素材で有効そうなのは……、シザーライナーの角、テディベアラーの眼球、スミロドンの牙、ウィザードラゴンラプターの体液、後は今ナギが倒してきたトレジャー・クロウの嘴と羽ぐらいね。それは全部デビにゃんに上げるわ。残りは納品した時のポイントが平等になるよう自動で振り分けてもらいましょうか。勿論今アイテムを渡した3人以外に多めに行き渡るように設定しておくわ」

 「それでいいぜ。リアが率先して分配の方法を考えてくれるから揉め事にならなくて助かるな」

 

 リアの提案によりヴォルケニック・ジュエル・ロックはナミに、ヴォルケーノ・レックスの肉は入手した54個を全てナギに渡すことになった。またウィザードラゴンラプターのドロップした青の宝玉もナギが受け取ることになった。宝玉という名称から宝石に属するアイテムに思えたがどうやら武器や防具に加工できる鉱物に属するアイテムらしい。錬金術師であるデビにゃんには錬金術に利用できそうなアイテムの中でも特に珍しいものだけを渡し、他のアイテムはゲームのシステムで自動で割り振ることにしたようだ。ほとんどがドラゴンラプターの肉や骨、爪や牙などであったが一応鍛冶や錬金術の素材にもできるためナギやデビにゃん達にとってはありがたいアイテムであった。他のプレイヤーにとっては残念だがほとんど価値のアイテムで国に納品してポイントの取得に使うのが妥当な選択だろう。


 「取り敢えずこれで分配は終わりね。レイチェルが調子のいいこと言ってるけどアイテムの分配ぐらい自分達で出来るようになっておきなさいよ。プレイヤーの方が我欲が強いから分配で揉めると後々面倒なことになるわよ。その後のプレイや連携にも影響が出てくるしね。特に本当なリーダーをするはずだったナギっ!」

 「は、はい……っ!」

 「あんた達プレイヤーは些細なことでパーティの連携が崩壊したりするんだからちゃんと統率してメンバーの一人一人に気を配るようにしておくのよ。なよなよしてると舐められるし高圧的になりすぎても反発を買っちゃうからね」

 「う、うん……。気を付けるようにするよ」

 「それといくらNPCとはいえ私だってあなた達に何かを要求したりする時もあるからね。ちゃんと要望に応えないとプレイヤー達と同じように怒ったり場合によっては勝手な行動を取るようになっちゃうからね。まっ、プレイヤーと違ってさほどプレイに影響が出ることはないけど私への印象はそのままNPC全体の評判に繋がるから注意しといてね」

 「わ、分かったわよ、リア。NPCだからってアイテムの分配を渋ったりなんてしないからそんなにツンツンしないでってばぁ〜。このジュエル・ロックだってちゃんと玉石を取りだして宝玉に加工したらリアにもプレゼントしてあげるから〜」


 今回はリアがアイテムの分配を仕切ってくれたおかげで特に揉め事もなく進行したが、もし他の者がリーダーであったならばなかなか分配の割振りは決まらなかっただろう。ナギ達はまだアイテムについての知識もないので皆の性格からいって全てランダムに割り振ることになったのでないだろうか。またナギ達は皆アイテムに対してそこまで執着がなかったためスムーズに進行したが、物欲の強いプレイヤーとパーティを組むことになった場合リーダーが強く仕切らなければ崩壊の危機に陥ってしまうかもしれない。本来ならリーダーを務めるはずだったナギはリアの言葉を深く胸に刻んでいた。そしていよいよトレジャー・クロウの落とした宝箱を開ける時がやって来たのだった……。


 「それじゃあ宝箱を開けてみましょうか。ここはトレジャー・クロウを倒してこの宝箱を入手したナギに開けてもらいましょう」

 「そうじゃね。本来なら全部ナギ君の物でもおかしくないことじゃし」

 「だよな。わざわざ私等のとこまで持ってこなくてもそのまま自分の物にしとけば良かったのに」

 「そ、そんなことできないよ。確かに直接宝箱を入手したのは僕だけど、ここまでこれたのは皆のおかげなんだから。……でもなんで宝箱は自動でパーティ用のアイテム欄に保存されなかったんだろう。トレジャー・クロウの羽は自動的にアイテム欄に登録されてたのにこの宝箱はモンスターの消滅した後に出現したままだったよ」

 「それはこの宝箱がダイレクトドロップアイテムだったからにゃ。ダイレクトドロップアイテムはモンスターが死亡した場所に出現するアイテムのことで、その場から半径3メートル以内にいるプレイヤーがアイテム化して自身の所有物にすることができるのにゃ。それ以外の今ナギ達が分配したアイテムはオートドロップアイテムって言って、ナギ達の端末パネルのアイテム欄に自動で入手されたことになるにゃ」


 敵を倒すことにより入手できるアイテムには自動でアイテム欄に入手できるオートドロップアイテムと、直接そのアイテムの半径3メートル以内に近づいてアイテム化しなければならないダイレクトドロップアイテムがある。前者は全て自動で入手できるためプレイヤーからの問題点は全くないのだが、後者については注意しなければならない点がいくつかある。まずアイテムをドロップする敵が消滅した地点に出現するため場合によっては侵入が困難な地点にドロップしてしまうことがある。例えば先程のトレジャー・クロウが山の頂上まで飛行したあとで地面に落下し、あの宝箱をドロップした場合ナギ達はその山の頂上付近まで登らなけら宝箱を入手できないのである。ダイレクトドロップアイテムは出現してから1か月は消滅することはないので大抵の場所であれば取りに行くことができるが、場合によっては時間を大きくロスしてしまうことになる。一応アイテム化はそのモンスターとの戦闘に関わったとされるプレイヤーにのみ権利が与えられるが、場合によってはプレイヤー同士の揉め事になってしまうこともある。主に貴重と思われるアイテムに適用されるシステムで、全てのアイテムをオートドロップ化しないのはアイテム入手の演出を損なわないためである。これに対しマップの固定の場所やランダムな場所に配置されているアイテムをアレンジメントアイテムと言う。ダイレクトドロップアイテムと同じく半径3メートル以内に入らなければアイテム化することができずこのアイテムの場合は全てのプレイヤーに入手する権利があるため早い者勝ちというシステムになっている。


 「なるほど……。アイテムにも色々あるんだね。それじゃあ皆の言う通り僕が宝箱開けるね。……じゃあ開けるよ」

 「………」


 皆のアイテムの入手への理解が深まったところでつにナギが宝箱の蓋を開ける時が来た。皆は沈黙したまま息を飲み込み、ナギに相づちをして宝箱の蓋が開かれるのを待った。


 “……パカッ……、パアァ〜〜〜〜ン……”

 「う、うおぉぉぉぉぉぉぉっ!」


 ナギが宝箱の蓋を少し持ち上げるとその隙間から凄まじいまでの黄金の輝きのエフェクトが漏れ出してきた。そしてその輝きがナギが蓋を開けていくとともに大きくなっていき完全に開いた瞬間には女性陣用のテントの中が完全に黄金の光に包まれていた。その光はテントの外にまで溢れ出し女性陣用のテントはまるで黄金の火が灯っているランタンのように見えてしまっていた。そしてナギが完全に蓋を開いた後時間とともにその黄金の輝きは宝箱の中に収束していくように収まっていった……。


 「……ひ、光が消えていったね……。宝箱の中身は一体……ってうわぁっ!」

 「ど、どうしたのにゃ、ナギっ!。……ってにゃぁぁぁぁっ!」

 「何々っ!。私にも見せて見せて……ってきゃぁぁぁぁぁっ!。映画に出てくるような金銀財宝が一杯っ!。まるで本当に古代の王朝の遺跡に眠っているお宝みたい。これがゲームのアイテムなんてとても思えないわっ!」

 “ジャラジャラジャラジャラ……”

 

 宝箱から溢れ出ていた光が消えナギが中身を確認した。そこには宝箱一杯によく映画などで来る財宝が敷き詰められており、金や銀でできた装飾品、真珠のネックレス、宝石の埋め込まれた王冠、そして古代の金貨のようなものが山のように入っていた。ナギ達は何度も財宝を手に取り滑り落としていた。映画などでよく財宝を目の前にした敵キャラクターなどが取っている行動だがそれが当然の反応だろう。


 「どれどれ……。ひやぁ〜〜〜、こりゃ確かにすんげぇなぁ。完全に本物のお宝じゃねぇか」

 「ほ、本当ですっ!。どれも光輝いててとっても綺麗です」

 「ほ、本間じゃ……。これだと私等の世界だと何百億円って価値があるんと違うじゃろうか」

 「そうじゃのう。長年生きてきたがわしでもこれ程の財宝は一つでも直に見たことはないわい。遺跡の発掘展にでも出向かんと拝めんお宝じゃろうな……んん?。セイナよ、お主はあまり感動しておらんようではないか。まさか芸能人だからこの程度のお宝見慣れてるというのでないだろうな」

 「そんなことはない。私もこのようなお宝を直で見たことなど一度もない。ロケで遺跡発掘の取材に行ったことはあるがこれ程の財宝は拝めなかった。だが私はあいにく光物にはあまり興味はないのだ。それよりゲームの宝箱だというのに剣や盾など高性能な装備が見当たらないので少し残念に思っていただけだ。装飾品はかなりの数があるようだが皆装備できるのだろうか。ゲームのアイテムは実際にの効果や性能を見てみるまで価値は分からんからな」


 光輝く財宝を前にすっかり感動してしまっていたナギ達だったが、どうやらセイナはあまりその財宝には興味がないようだった。そしてもう一人ナギ達の中に全く財宝に関心を示さない人物がいた。その人物は財宝を手に入れて盛り上がっているナギ達に水を差すように素っ気無い言葉を掛けるのだった。


 「セイナの言う通りよ。ゲームのアイテムなんだから見た目がどんなに輝いてても意味ないわ。まっ、一定の価値はあるでしょうけど。この財宝のほとんどは国への納品用に用意されたアイテムね。店に売っても大した値段にはならないし、一応腕輪やネックレスなんかの装飾品は装備できるみたいだけど性能が設定がされているのはほとんどないわ。付けても見掛けが変わるだけでステータスは全く変化しないわ」

 「ええっ!。こんなに凄っごいお宝なのにお店でも高値で引き取ってくれないのっ!。私達の世界だったら間違いなく億を超える値段で引き取ってくれるわよ」

 「億なんてとんでもないわ。でもそうね……、一応これ全部お店で売れば2、3百万ぐらいにはなるんじゃないかしら。最も国に納品した場合はもうその期間のポイントはクリアしたようなものね。期間内により多くポイントを取得すれば功績ポイントも大量に貰えるし取得ポイントの合計が上位に食い込めば賞も用意されてるわ。そういう意味ではかなりの価値はあるわよ」


 セイナと同じく財宝を前にして全く盛り上がっていなかったリアだったが、どうやらゲームのNPCであったためこの財宝がナギ達の世界程の価値がないことを知っていたらしい。ただ金銭的な価値は確かにそこまで高くないのだが、国に納品した場合はかなりの功績ポイントのプラスになるらしい。更に光り物を納品した場合は自国に金銭ボーナスが加算され、それが市場に出回ることで商業も活性化し商売人や裕福層のNPCの評価がかなり上昇する。ゲーム内の効果で考えればナギ達の世界と同等程度の価値はあるかもしれない。


 「なるほど。つまりこのアイテムのほとんどはプレイヤーより自国の強化に用意されたアイテムと言うことですね」

 「この収入を使ってブリュンヒルデさんが国に新しい施設を用意してくれたり、政策を実施したりしてくれるってことだね。あと店の品物の種類も増えたりするかもしれないよ」

 「うむ、確かにそれを考えると国に納品するのが一番だろう。実感は沸きにくいが全体な効果で考えるとリアの言う通りかなりの価値があるアイテムには違いないだろう。ところでプレイヤーに対して利用価値のアイテムは入っていないのか、リアよ」

 「ちょっと待ってね。今プレイヤー用の効果が付与されているアイテムを検索するから。その中でも一定の効果の高さがある物を限定して絞りだすわ」


 リアは宝の中でプレイヤーへの効果が付与されているアイテムを検索した。すると10個のアイテムのが検索条件に絞りだされた。そのほとんどが装飾品であり様々な効果が付与されていた。

 

 「皆も端末パネルで画面を見てちょうだい。宝箱のアイテムはもう全てパーティ用のアイテム欄に移しておいたから」


 宝箱に入っていたアイテム一覧


  ・魔滅の十字架ネックスレス……首飾りの装飾品。色は銀、形は十字架、アイテムに取り付けられている宝石は5つ。十字架の各先端と中央に取り付けられている。全てアウイナイトと呼ばれる濃いブルーをした宝石である。(装飾品の効果は取り付けられている宝石によって性能が変わる)


  ・ハンド・グラス・シェルの真珠ネックレス……手鏡という意味の名を持った貝から取れる真珠で作られたネックレスである。貝を開いた時上蓋の裏の部分が鏡のように貝を手に持った者の姿を映し出すことからこう呼ばれている。実際にこの貝殻を手鏡として使用している者もいる。このアイテムに宝石を取り付けることは出来ない。


  ・南風の腕輪……武器に風属性変換率を付与する腕輪。ゲイルドリヴルが受賞した東風の腕輪と違い物理攻撃力の値が10%上昇する。取り付けられている宝石は一つ。


  ・マール・ピアス……マールとはマグマ水蒸気爆発による火山地形のひとつである。爆発の影響により火口の周囲に環状の丘ができ、火口の中に水が溜まり湖となることがある。その為湖を表すような所々で折れ曲がった円形の形をしていて、火山地形であることを表すためか真っ赤な色に染められていた。まるで真っ赤な湖のようである。装備すると火属性の魔法ダメージが10%上昇する。取り付けられている宝石はない。


  ・聖水結晶……天然の聖水が固まってできた結晶。武器、防具、装飾品、錬金術など多くのアイテムの素材にできる。また通常アイテムとして使用することもでき、その場合一定時間自身に近づいて来たステータスの低いモンスターを恐慌状態にすることができるようになる。


  ・クリアブルドラゴンのエキス……クリアブルドラゴンとはクリアブル草の名の元となったと言われるドラゴン型のモンスター。水中にのみ生息できその体は全て透き通った水でできている。このエキスは消耗型のアイテムではなく鍛冶や錬金術の素材となるアイテムである。このエキスを素材にすればアルケミー・ソルーションという魔物武器を作成することができる。


  ・ヴァイブル・ウォーター……命の泉でみ汲むことの出来る幻の水。使用するとHPを最大まで回復させその後一定時間自己治癒能力を大幅に上昇させる。


  ・ダイヤモンド・ダガー……剣身がダイヤモンドでできた短剣。武器ランクはC。物理攻撃力の基本性能は152ポイント。


  ・聖典魔術書3……書物スロットにセットすれば聖属性の特技と魔法の威力や効果が10%上昇する。


  ・レイヴン・フェザーの日記2……幻の召喚獣ジャック・クロウの召喚に成功した伝説の召喚術師の日記。全て集めることができればプレイヤーに特殊な効果がもたらせるかもしれない。


 


 「……異常がプレイヤーに取って利用価値のあるアイテムよ。残りは全部国納品しちゃった方がいいアイテムだからランダムに振り分けて構わないと思うわ。取り敢えずこの10個アイテムだけ先に分配しちゃいましょう」

 「それなら優先順を決めて順番に選んでいくってのはどう。まず宝箱を発見したナギとデビにゃんが1番と2番で、リーダーも務めてアイテムの説明もしてくれたリアが3番、残りの順番はジャンケンで決めるってのはどう?」

 「私はそれでいいぜ。残った一個は後で決めればいいか。皆はどうだ?」

 「私もそれでいいよ。ジャンケンには自身があるし」

 「わしもそれで構わんわい。……本当は宝箱はわしも元に振って来たと言いたいところじゃが、そんなこと言っても怒らせて順位を最後にされてしまうだけじゃろうな。ここはなんとしても勝手おかねば……」

 

 宝箱のアイテムの確認が終わったナギ達は再びアイテムの分配タイムに入った。ナミの提案では利用価値の高い10個のアイテムを優先順を決めてその順番通りに一人一つずつアイテムを取得していこうというものだった。アイテムを入手したナギとデビにゃん、そしてリーダとしてパーティを支えてるリアの3人を優先して、残りの順番はジャンケンで決めようとのことだった。皆この意見に賛成だったので、そのままナミの提案通りにすることになった。


 「でもいいのかな……。宝箱を見つけたからって優先してもらって。さっきも一杯お肉を貰っちゃったし、なんだかちょっと申し訳ない気がするんだけど……」

 「私もちょっと気が引けるわね。確かにリーダーをさせて貰ってるけど、私はこのゲームのNPCで序盤の内はあなた達より知識があって当たり前よ。私の指示には従ってほしいし知識は吸収していってほしいけど別に優遇してほしいわけじゃないわ」

 「いいからいいから。リアもさっき言ってたでしょ。こういうのはちゃんとパーティへの貢献度に応じて決めないとね。皆ナギやリアにはもの凄く感謝してるだから。当然デビにゃんにもね」

 「にゃっ!。皆ありがとうにゃっ!。ナギ、これは受け取るしかないにゃ。これは単にアイテムを譲ってくれてるだけでなく皆の信頼をナギに送ってくれてるのにゃ。それを無下にするようなことすると余計皆をがっかりさせちゃうのにゃ。リアもここは皆の言うことに従っておくにゃ」

 「はぁ……、分かったわよ。NPCとしてはこんなことされるとあなた達に対してまた構わないといけなくなっちゃうのよね。ってことでまた何か困ったことがあればいつでも相談してもらっていいわ」

 「僕も折角の好意だし受け取っておくよ。実はどうしても欲しいアイテムもあったんだ」

 「それじゃあナギが1番で決まりにゃ。ナミは僕が2番って言ってたけど3番でいいにゃ。代わりにリアが2番目に選ぶにゃ。NPCとしての実力も貢献度も今はリアの方が上にゃ」

 「よ〜し、じゃあ私達はジャンケンで残りの順番を決めましょう。言っとくけど私はジャンケンも物凄く強いわよ〜」

 「うむっ、望むところだ」

 

 こうしてジャンケンの結果残りのメンバーの順番も決まった。まず1番はナギ、2番がリア、3番がデビにゃん、ここまではすでに決まっていたことだ。そして残りのジャンケンで決めた残りのメンバーの順番が、セイナが4番、ナミが5番、馬子が6番、アイナが7番、8番がボンジィ、そして最後がレイチェルとなった。


 「かぁ〜〜〜っ!。よりもよって私が一番最後かよっ!。駄目だ……、昨日の麻雀と言いこのゲームを始めてから勝負事でまるで勝てる気がしねぇ。PvPでこの状況は不味いんじゃねぇのか、おい……」

 「あんたはすぐ調子に乗るからそういう目に合うのよ。ジャンケンだって次に何を出すかは心理戦なんだからちゃんと考えないと勝てっこないでしょ。私の場合は直感だけどセイナには勝てなかったわね。やっぱりこれが芸能人のオーラってやつなのかしら」

 「うむっ、実は私は何故かこれまで勝負事で他人に負けたことはないのだ。昨日の討伐では不仲に惜敗を喫してしまったがこのゲームをクリアするまでには必ず逆転して見せるっ!」

 「って言っても討伐数で負けただけで他では圧倒的に勝ってると思うけどね。特に性格面ってところで……」

 「わしもなんとか最後は避けられとはいえ8番か……。まぁジャンケンで決まったのなら文句は言えんわい。ではナギよ。早速お主から選んで行くのじゃ!」


 ジャンケンで負けた者は悔しがりながらも結果に文句を言う様子はなかった。どうやら宝箱の分配もスムーズにいきそうだ。ホッとしたナギはボンじぃに促されるとアイテムを選んで行った。もう選ぶアイテムは決まっていたのか5秒も掛からずに即決してしまった。そして続いてリア、デビにゃんとジャンケンに参加しなかった者達が引いていった。


 「僕はこれに決めてたんだ、クリアブルドラゴンのエキス。さっきクリアブル草ってアイテムもゲットしたしもしかしたら早速魔物武器の鍛冶ができるかもしれないよ」

 

 どうやらナギは魔物武器に加工できるクリアブルドラゴンのエキスを選択したようだ。ナギがこの素材がどのような武器に加工できるかまでは分からないが、その魔物武器であるアルケミー・ソルーションはかなりランクの高い武器で、どうやらこのエキスだけでは素材が足りないようだ。ナギが先程手に入れたクリアブル草も鍛冶に使用するのだろうか。


 「私はマール・ピアスにするわ。私の得意な火属性魔法の攻撃力を更に上げてたいしね」

 「やっぱり〜、リアはそれを選ぶって思ってたのよね。私も所持属性が火属性だから欲しかったんだけど、武闘家だからまだ魔法ダメージなんて発生させられないもんね。それにリアの真っ赤に染まった服装にとても似合うと思うわ。折角だから今付けてみてよ」

 「あっ、私も見てみたいけぇっ!。できれば端末パネルを操作せずに直接付けてみてくれへん」

 「もうっ、しょうもないことで一々うるさいね。分かったわよ。今付けてみるからちょっと待ってて」


 リアは自身の所持属性と得意な魔法の属性に合わせてマール・ピアスを選択したようだ。これでリアのヴォルケニック・ラヴァ・コラムの威力も更に強化されるというわけだ。リアの真っ赤な服装にマール・ピアスが似合うと思ったナミはリアに早速付けて見せてくれる頼んできた。馬子にも頼まれてリアは自らの手で直接耳にピアスを付けることになったのだが、どうやらこのゲームの装備品、特に装飾品は端末パネルを操作せずとも直接装備することができるものもあるようだ。リアは顔を傾けると片耳ずつピアスを付け始めた。

 挿絵(By みてみん)


 「おお……、ピアスを付ける仕草もこれまたセクシーじゃの、リアちゃん」

 「だからいい加減色気づくのはやめろよな、じじぃ。……ってんん?。なんだ、ナギ、お前までリアに見とれてんのか」

 「そ、そんなことないよ。ただリアって本当に赤が似合うなぁって思ってだけ。僕も髪の毛が赤いからそれならやっぱりリアみたいに強気な性格になった方がいいのかなぁって考えたんだよ」

 「あら、あなたはそれで十分赤い髪が似合ってると思うわよ。赤って仲間思いってイメージがあるから私よりあなたの方がピッタリだと思ってたんだけど……」


 ナギとボンじぃはリアのピアスを付ける仕草に少し見惚れてしまっていた。他の者達も全身を真っ赤に染めたリアの姿を見て改めてその美しさを実感していた。ここまで全身を赤に染めて違和感がないというのも珍しいことである。リアはピアスを付けながら赤が似合うと言ったナギ達に返事を返していた。


 「にゃぁーーーっ!。それならナギにピッタリの色なのにゃ。仲間モンスターの僕からしてみてもナギの仲間への愛情はひしひしと感じ取れるにゃ」

 「や、やめてよデビにゃん。そんなこと言われるとなんだか恥ずかしいよ……」

 「そんなことより、そっちの赤い髪の奥さんのことも褒めてあげた方がいいんじゃないの。さっきから恨めしそうな目で私のこと睨んでて怖いんだけど」

 「えっ?」

 「なっ……、だ、だれが奥さんよっ!。それに恨めしそうな目でなんて見てなかったでしょ。私もリアの赤が似合う雰囲気が羨ましいって思ってただけよ」

 「そう、それじゃあ恨めしそうって言葉は撤回しておくわ。それと奥さんってのも未来の奥さんに変更しといてね」

 「もうっ、未来のことなんて誰も分かんないでしょっ!。そんなに私達のこと恋人同士にしたいんだったら逆にもう放っておいてよっ!」

 「分かったわよ、私が悪かったわ。それよりはい、ピアス付け終わったわよ」

 「おお……っ!」


 皆リアがピアスを付け終わった姿を見てその凛々しくも優美な姿に感嘆してしまっていた。少しピアスの赤い色が増えただけでリアの力強く美しい雰囲気が更に強調されてまるで野に咲く薔薇のようだった。


 「もう、そんなにジロジロ見なくていいから次のアイテムを選びなさいよ。次はその黒猫でしょ。いいから早く選びなさいよ」

 「わ、分かったにゃ……。(同じNPCの僕でさえリアの力強さに見惚れてしまっていたにゃ。これはリアは電子生命体の中でもかなり特別な存在かもしれないにゃ」


 リアに促されデビにゃんはアイテムの選択に入った。皆まだリアに見とれていたようだがデビにゃんがアイテムを選んでいるのを見て気を取り戻し、自分達の選択するアイテムをどれにするか考えていた。

 

  「それじゃあ僕は魔滅の十字架ネックスレスにするにゃ。宝石が5つも付いてるしこの十字架には邪悪なモンスターを封じ込める聖なる力が込められているにゃ。装備中にアイテムとして使用できて対象のモンスターにダメージを与えて5秒間硬直状態にすることができるにゃ。当然装備品としても高い魔法防御力と宝石による効果が付与されているにゃ」


 どうやらデビにゃんは魔滅の十字架ネックスレスにしたようだ。残りのメンバーも順番に選んでいき皆の選んだアイテムは次のようになった。


 1.ナギ クリアブルドラゴンのエキス

 2.リア マール・ピアス

 3.デビにゃん 魔滅の十字架ネックスレス

 4.セイナ 聖水結晶

 5.ナミ 南風の腕輪

 6.馬子 聖典魔術書

 7.アイナ レイヴン・フェザーの日記

 8.ボンじぃ ヴァイブル・ウォーター

 9.レイチェル ハンド・グラス・シェルの真珠ネックスレス

 

 

 「はい、取り敢えず皆一つずつは取り終わったわね。この残ったダイヤモンド・ダガーはどうする。他の財宝と一緒にランダムに振り分けちゃう?」

 「う〜ん、それなんだけど折角だからあの気絶した男の人にあげたらどうだろうって思ってるんだけど……」

 「ええっ、どうして?」

 「今までパーティの定員が8人だったからこの人数でも大丈夫だと思ってたんだけど、今日のドラゴンラプター達との戦闘を経験してもっと大人数で行動した方がいいと思ったんだ」

 「なるほど……、それでアイテムを出しに一緒に集落まで行ってもらおうってわけか。私もは別に構わないぜ。短剣なんて誰も装備しそうにないし、あいつも装備できなさそうだけどな……」

 「私もいい考えだと思うよ。リアもさっきの戦闘の時本当はもっと大人数で行動するのが普通って言っとったけぇ。リアもそれでいいじゃろ」

 「まぁ確かに私もそう言ってたからね。それにこのお宝は元々ナギの物なんだし好きにしていいと思うわよ。ちょっと勿体ない気もするけどね。私ももうプレイヤーだからって差別したりしないから安心して誘っていいわよ」

 「うん、それじゃあ目を覚ましたら今の話を持ち掛けてみるよ」


 ナギの提案でダイヤモンド・ダガーは集落へ向かうクエストに同行することを条件に気絶している男に渡してみることにした。もしかしたら断られるかもしれないがナギの言う通り一人でも仲間を増やしておいた方が良いだろう。確かにパーティでないと効果が軽減されたりそもそも及ばなかったりすることもあるが、基本的な連携を取るには問題ないだろう。クエストの報酬も問題なく分配できる。


 「それじゃあそろそろ食事の準備に取り掛かりましょうか。仕事を割り当てるから一先ず外の焚火の周りに集合してちょうだい。言っとくけどお金を節約するために素材から買ってあるからね。調理済みの料理アイテムを買うと楽だけどすぐ所持金がなくなるから贅沢は給料を上げてからにしなさい。さあっ、さっさと外に行った行ったっ!」


 アイテムの分配の終わったナギ達は今度は食事の準備をするためにテントの外へと出ていった。リアが言うには現実世界と同じように実際に素材を調理して料理を作るようだが、果たして一体何を作るつもりなのだろうか。恐らくキャンプでも定番のメニューなのだろうが、ナギ達は上手く調理できるのだろうか。これだけ女性陣がいれば大丈夫だとは思うが……。

 そしてその頃テントの中で気絶したまま眠っている男はというと……。


 「……うぅ…う、う〜ん……はっ!」

 “バッ……、キョロキョロ……”

 「ど、どこだここは……」


 ナギ達が食事の準備に取り掛かろうとしていた頃どうやらテントの中で気絶していた男が目を覚ましたようだ。男はナギ達に助けられた時のことを覚えておらず周囲を見渡して自分がどこにいるか分からず困惑してしまっていた。一体この男は何者なのだろうか。ナギ達と同じプレイヤーであることは間違いないようだが果たしてどれだけの実力を秘めているのだろうか。初日からここまで進行してくるプレイヤーならかなり熟練したMMOプレイヤーであるはずだが……。


 

 

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