finding of a nation プロローグ
この度はfinding of a nationの小説を見ていただき誠にありがとうございます。R2.12月12日の時点で130話程投稿しているのですが、自分のやりたいと思ったことを詰め込み過ぎたせいか結構なボリュームになってしまって話の内容も中々進みません。しかも1話辺りの文字数も5000~30000文字と結構な長文も多いです(笑)。なので少しでも興味を持って貰ったのなら時間が空いた時でいいのでゆっくり読み進めて貰えると嬉しいです。
ここは西暦2036年の日本、2020年から2030年様々な分野の科学技術が急成長を遂げ、特にゲーム分野における技術力の成長は凄まじかった。立体映像を使って対戦ができる格闘ゲームや、トレーディングカードゲーム、完全自立型AIを搭載した恋愛シミュレーションゲーム、中でもまるで自身が実際にゲームの中に入り込み、ヴァーチャル・リアリティ空間の中であたかもゲームの世界のキャラクターそのものになったような感覚でプレイできるオンラインゲーム、VRMMOがとりわけて人気だった。
今日はそんなVRMMOの最新作、finding of a nation が本日夜9時から第一回のプレイサーバーが解放される日だった。プレイヤーは事前に抽選によって選定しており、この物語の主人公、澄川愛流も抽選に受かっていた。愛流は富士山近くの高原で、父親が経営している天川牧場で家族の仕事の手伝いをしていた。年齢は22歳、性別は男性で、父、母、妹、従業員の男性一人と、女性一人、お手伝いの女性一人の計7人でそこで一緒に暮らしていた。現在の時刻は夜の6時、牧場の仕事を終えて家族や他の従業員たちと夕食を取っていた。
「“ズズズッ…”このシチュー美味しいね、母さん」
「でしょ、今日はコーンクリームを入れてみたの。どうやら正解だったみたいね、ふふふっ」
今愛流が話しかけたのが母親の澄川麗子、麗子もここの仕事を手伝っていて、家事は他の家族や従業員と分担して行っているようだ。しっかりした性格で、実質のこの牧場を管理している。
「ああ、確かにコーンをそのまま入れるより、クリームにして一緒に溶かしたほうが美味しいね」
「本当っ、流石お母さんね」
今話し掛けたのが父親の晴夫と、妹の美子だ。二人の性格は似ていて、明るく元気な性格をしている。ただ父親はおっとりしていて大人しいが、妹の美子は忙しくいつも慌ただしくしている。
「はいはい、私ばっかり褒めてないで、毎日に家事に専念して私の生活を支えてくれている翡翠ちゃんにもお礼を言いなさい」
「そんな……わざわざお礼なんて。皆さんが働いてる分私は家事に専念しているだけなんですから」
今麗子が視線を送ったのがここでお手伝いをしている粋川翡翠、真面目な性格で、他の者達と違い牧場の仕事はせず家事に専念している。
「何言ってるんですか、翡翠さんがいるから私達は毎日健康に働けているんです。それにちゃんと感謝しないと長生き出来ないですよ。人間健康が一番ですからね」
今話したのが従業員の女性である翁川美禍、男勝りな性格で、愛流からは姉のように慕われている。
「……うっす。…ご馳走様です。…今日も料理上手かったっす…」
そして今話したのが最後の住民である男性従業員の岩山登である。大きい体格の割に無口な性格で、喋る前にいつも少し間を置くのが特徴である。
「僕もご馳走様ーーっ、僕が今日一番風呂ねーーーっ!」
「ああっ!、愛流、ちゃんと自分の食器ぐらい片付けてから行きなさいっ」
夕飯が終わると愛流は一目散に食器を洗い風呂場へ向かって行った。今日の9時から解禁されるfinding of a naiton に遅れるのが嫌で先に入っておきたかったのだろう。
風呂から上がった愛流は冷蔵庫からコーヒー牛乳をを取り出し、自分の部屋に戻ってパソコンの電源を入れていた。
「“ゴクッ、ゴクッ…”ぷふぅ〜…やっぱり風呂上がりのコーヒー牛乳は最高だな。さて、まだ8時前か…。サーバー解放までまだ時間があるし、海留にでもチャットで連絡取ってみるか…」
愛流はfinding of a nation のサーバーが解放されるまでオンラインゲーム仲間の之屋海留にチャットで連絡を取ることにした。海留も愛流と同じくfinding of a nation の抽選に受かっており、今日のサーバー解放を楽しみに待っていた。愛流は海留に今日のfinding of a nation へのログインに時間制限が掛けられていることについて聞いてみた。
「こんばんは、カイル。もうゲームを始める準備は出来てる?。ところで、なんでゲームへのアクセスにタイムリミットなんて掛けられているんだろ。9時にサーバーが解放されて、9時30分までにログインが確認できなかった者は、アクセス権を放棄したとみなされ、以後今期のこのゲームにログインすることは出来ないって、ちょっと厳しすぎない」
どうやらこのゲームは時間内にログインが確認できないとアクセス権を取り消されてしまうらしい。オンラインゲームにして厳しすぎる決まりだが、どうやらこのゲームのゲーム性に関係してくるらしい。
「こんばんは、ナギ」
愛流はオンラインゲームをプレイする時いつもキャラネームを伊邪那岐命(いざなぎのみこと)にしていた。そのため仲間内では省略してナギと呼ばれていたようだ。因みに海留は自分の名前をそのままカタカナして使っていた。
「どうやらそれはこのゲームのゲーム性に関係しているみたいなんだ。このゲームは建国シミュレーションバトル型MMORPGって言うらしく、複数のプレイヤー…それも一万人近くが集まって一つの国を建国して、その国を他国より強くしていくゲームみたいなんだ。それで恐らく最初にその一万人ものプレイヤーが集まって、ルールの確認や役職の決定とかをするんだろうけど、それがかなり重要らしくてそれに遅刻しないように促してるんだと思うんだ。アクセス権を取り消すとか言ってるけど、それはただの脅しで本当はちゃんと救済措置を取ってくれると思うよ」
「なるほど…そういうことだったのか」
海留の説明に愛流は納得したようだった。愛流はもう少しチャットを楽しみたかったが、海留がそろそろゲームにログインする準備をしたいらしく、仕方なく愛流もチャットを終わらせてログインする準備をすることにした。まぁ遅刻者にあのようなペナルティを宣告されていては仕方のないことである。
「さぁて…それじゃあVRダイビングベットの設定でもするか…」
VRダイビングベットとはVRMMOにログインする時に使用するベットのことで、ヴァーチャル・リアリティ空間に潜るという意味からこの名前が付けられている。枕元にダイブ専用のコンピューターと、キーボードが備えつ得られているが、外観はそこまで機械っぽくなく、マットも通常のベットのように選択でき、寝心地も全く変わらない。当然高級なマットを使えば寝心地よくゲームをプレイできる。そしてこの時代のVRMMOは睡眠学習システムを取り入れており、なんと睡眠取っている状態で、まるで夢を見ている時のようにゲームをプレイできる。夢を見ているといっても意識ははっきりしており、これが夢ではなくゲームのなかであることも認識できている。記憶もしっかりと残り、夢の中で別の人生を送れているような感覚になる。当然睡眠による回復の効果もあり、全く疲れずにVRMMOを遊ぶことができる。
「よしっ…これで設定完了っと。後は9時になるのを待つだけか…」
VRダイビングベットの設定も終わり、愛流はfindiing of a nation が解禁されるまでベットの機能を使って少し説明書を読んでみることにした。これもヴァーチャル・リアリティ空間で映像を通して見ることができ、本を読むのが苦手な愛流にはちょうど良かった。だがこのゲームの説明書は容量にして8,297KB…、とても愛流に読み切れる量ではなかった。
「うわぁ〜…、こんなの全部覚えられるわけないよ…。ふぅ…なになに、ゲームの職業について…」
説明書の膨大な量に途方に暮れていた。取りあえずゲームの基本となりそうな職業について調べてみたのだが…。
「えーっと…、職業は大きく分けて3種類あり戦闘職業、内政職業、副業を、ゲーム開始じにそれぞれ一つずつ選択する…ってええっ!。職業って3つも選ばなきゃいけないのっ!。しかもそれぞれの職業が経験積んだり他の職業と組み合わせることでパワーアップしていきますだって…。もうこんなの分けわかんないよ…」
どうやらこのゲームは3種類の職業にそれぞれ就かなければならないらしく、それぞれの分野に膨大な職種が用意されており、それを選ぶだけで愛流にとっては一苦労だった。仕方なく愛流は戦闘系の職業だけでもゲームをプレイする前に決めようとしたのだったが、結局何も決まらない内に9時になってしまうのだった。
「う〜ん…やっぱり魔術師かな〜、でもやっぱり近接系の方が需要ありそうだしな〜…治癒師はちょっと苦手だし、一体どうしようかなぁ…って後3分でfinding of a nation にログインしますっ…、アクセス権と持つ者は直ちにベットに横なってダイブの準備をしてくださいだって〜っ…。もうそんな時間になっちゃたのか…」
VRダイビングベットに設定されていた時間が近づいため、愛流の前にアナウンスの画面が流れてきた。
「くそ〜、こうなったらゲームの中に入ってから考えるか…。少しは時間もあるだろうし、カイルの意見も聞けるかもしれないしね。それじゃあfinding of a nation の世界に…レッツっ、ゴーっ!」
こうして愛流はゲームの世界へと入って行くのだった。結局ほとんど説明書を読めなかった愛流だったが果たして大丈夫なのだろうか。不安を胸に抱きながら愛流はログイン画面へと移って行くのだった…。