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finding of a nation online  作者: はちわれ猫
第二章 ヴァルハラ国建国っ!、そして初めての内政っ!
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finding of a nation 12話

「うわ~、ブラッシングお上手ですね、ナギさん。牛さん達も嬉しそう…。私にもブラッシングの仕方教えてください」

 「えっ…、あ、ああ…、うん…。ゲームの中だから現実とどう違うのか分からないけど、まずこうやって両手でブラシを持って、牛の体の上から真っ直ぐ地面に向かって下ろしていくんだ。ちゃんと腰に力を入れて、腕だけじゃなく体も使って磨いてあげると牛達も喜んでくれるよ、アメリーちゃん」


 ナミ達と同じようにナギも順調に内政の仕事をこなしていたが、同じ内政の仕事を選んだアメリーに何やら絡まれてしまっていた。アメリーはナギがMMOの上級プレイヤーだと勘違いしているようで、取り入ろうとしているようだった。アメリーはMMOをプレイする際はいつもそれなりに上級者のプレイヤー、それも男性限定に思わせぶりな態度を見せて媚びを売り、ゲーム内でのクエストを手伝ってもらったり、無償でゲーム内のお金やアイテムを貰っていた。


 「へぇ~…、現実世界での経験をゲーム内で生かすなんて凄いですね。ところで…、ナギさん程のプレイヤーならもう凄いアイテムとか入手してるんじゃないんですか。確か団体賞で2位に入賞して商品も貰ってましたよね…」

 「う、うん…。魔術札って言う通常の魔法より威力や効果は低いけど、魔術師の職に就いてない人でも瞬時に魔法を発動できるアイテムを貰ったよ」

 「きゃあ~、素敵っ!。魔術師じゃなくても魔法を使えるなんて超便利なアイテムじゃないですかぁ~。でもやっぱり一度使うとなくなっちゃうんですよね…。他にアクセサリーみないな装備品は貰ってないんですか」


 アメリーはナギに魔術札のことを聞き便利なアイテムだとは思ったようだが、消費アイテムは一度使うとなくなってしまうため他に装備品のようなアイテムを持っていないか聞いていた。


 「う~ん…、あっ、そうだっ!。実はさっき友達から魔物の卵を貰ったんだ。もしかしたらドラゴンが生まれてくるかもしれないらしいから楽しみにしてるんだ。僕魔物使いだから卵が孵化するとそのまま仲間にできるみたいだし」

 「ドラゴンっ!。きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ、それって超レアアイテムじゃないですか~っ!。私その卵ほしい~。ねぇナギさんっ!。私にその卵譲ってくれませんかっ!」

 「えっ…、でもこの卵魔物使いが持っていないと孵化できないみたいだし…」

 「大丈夫っ!、私も魔物使いですから。実は討伐の時気に入ったモンスターが見つからなくて一匹も見つからなかったんです…。勿論タダでとは言いません。もし卵を頂けたら私このゲームの間ずっとナギさんと一緒にプレイします~」


 ナギがデビにゃんに貰った卵のことを放すと、アメリーはなんとその卵を自分に譲ってくれるよう言ってきた。どうやらアメリーも魔物使いのようで、まだ仲間モンスターはいないようだった。アメリーはナギの卵がドラゴンが生まれてくるかもしれないと聞いて、渾身の上目遣いで目を潤わせてナギの方を見つめて誘惑していた。だがナギもデビにゃんから貰った大切な卵を渡せるはずもなく、体をたじろかせながらどうやって断ろうか考えていた。


 「ちょっとあんたらぁっ!。いい加減話してばかりおらんで少しは仕事してくれんけぇ。後何匹ブラッシングをせなあかんと思うとるんよ。このままじゃと日が暮れても終わらんじゃろっ!」

 「うるさいわねっ!。さっ…、ナギさん。あんな気の短い人は放っておいてまずはフレンド交換致しましょう。私…、ナギさんともっとお近づきになりたいな」

 「なにっ無視してくれちょるんよ。大体あんたまだ一匹もブラッシングしとらんじゃろうっ!。じゃけぇ私達が頑張って働いとるのに全然仕事が終わらんのじゃ。それにナギ君は真面目に働いてくれとんじゃけぇ邪魔せんとってくれるっ!」


 仕事もせずにナギに話してばかりいるアメリーを見て、同じ内政の仕事をしている天淨馬子てんじょうまこが強い口調で注意してきた。アメリーはまだ一匹も牛をブラッシングしておらず、馬子が怒るのは当然のことだった。管理者のレイコはメリノと共に離れた場所の牛をブラッシングしていたため、アメリーがサボっていることに気付かなかったようだ。因みにナギと馬子はそれぞれ十匹以上はもうブラッシングを終わらせていた。


 「なんですってぇーーーっ!。私はあんたみたいに汚い動物に触れるほど下品な乙女じゃないのっ!。この仕事だって仕方なく自分が割り振られてたのに来ただけだし、チュートリアルが終わったらすぐに違う内政職に就くわよ。それよりナギさん…、早く魔物の卵を私に譲ってください。このままじゃ私仲間モンスターなしで戦場に出ないといけません」

 「僕も馬子さんの言う通りだと思うよ。アメリーちゃん。いくら職を変えるつもりでも一度引き受けた仕事は最後までやらなきゃいけないよ。それに…、言いにくいけど僕ぐらいの年頃の男の子にそんな誘惑しても意味ないよ。若い子は年上の美人な人に憧れるからね。例えばブリュンヒルデさんとかゲイルドリヴルさん。誘惑するならもっと年配のおじさんプレイヤーにした方がいいよ」

 「なっ…、ナギさんまでそんな事言うなんて…。もういいわ…、アイテムもお金もくれないんならもうあんたなんて用済みよっ!。こんなしけた牧場もさっさと出ていってあげるわ。それじゃあねっ!」


 卵の譲渡をナギに断られてしまったアメリーは怒って牧場の外へ出ていこうとした。ナギも牧場で働く者として先程のアメリーの発言は許せなかったのかかなりきつい言葉でアメリーの要求を断っていた。


 「ふんっ…。何よ…、私の魅力が分からないなんてとんだ鈍感男ね。仲良くしてくれたら少しぐらいは後でいいことしてあげようと思ってたのに…。そもそもこんな牧場に来たのが間違いだったのよ。こうなったらもう内政の仕事は一切しな…」

 「ちょっと待ちなさい…」

 「ひっ…」


 もうやけになって内政の仕事を放って出ていこうとアメリーの後ろから、いつの間に来たのかレイコが凄い形相で怖いくらい静かで低い声でアメリーに声を掛けてきた。レイコの声を聞いたアメリーは背筋に悪寒が走り、顔を引きつらせて身体をピーンと硬直させて動けなくなってしまっていた。


 「私さっき言ったわよね…。一度受けた仕事は全部終わらせるまで帰らせないって…」

 「べ、別にいいわよ…、もう…。功績ポイントなんて他のプレイヤーに手伝って貰って貯めるから勝手に引いといていいわよ。私はもうこの国で内政の仕事なんてしないって決めたのっ!」

 「つべこべ言ってないでさっさとこっちに来て仕事しなさいっ!。あんたのノルマの牛40頭のブラッシングが終わるまでは日が変わるまでは絶対帰しませんからね。どうしてもキャンセルしたかったら私の目を盗んでこの牧場から半径5キロ以上のところまで逃げおおせることね。言っとくけど私だけじゃなくて牧場の外の住人もあんたを捕まえようとしてくるからね」

 「そ、そんな…。それじゃキャンセルなんてどう考えても無理じゃない…」

 「それじゃあメリノ。悪いけどこいつとポジションチェンジお願い。こいつは私が目を放さず監視してるから」

 「は、はい…」

 「あんた達3人はこの辺りの牛のブラッシングを終わらせてちょうだい。あんた達になら放っておいても真面目に働いてくれるでしょうし。後ブラッシングが終わった牛にちゃんとマークつけといてね。端末パネルを牛の前に向ければ操作できるから」


 レイコに言われてメリノがナギ達の所に来ると、アメリーはレイコに首根っこを掴まれて向こうの牛のいる所へと連れて行かれてしまった。ナギ達はその真面目な仕事ぶりから自分の監視は要らないと判断したのだろう。


 「ふぅ~…、何とか向こうへ行ってくれたか…。さっきは助けてくれてどうもありがとうございます、馬子さん」

 「別にええよ。それよりナギ君がお人好しすぎるんよ。じゃけぇ、あんな性悪女に付け込まれるんよ。それよりさっさと仕事再開しんけぇ。このままじゃ本当に日が暮れても終わらんよ」

 「そ、そうだね…、分かったよ。メリノ、一緒に頑張ろう」

 「はい、後でナギさんの家の牧場について話を聞かせてください。特に羊のことを」


 こうしてナギ達は再び畜産の仕事を再開していった。アメリー以外は皆真面目なプレイヤー達のようで黙々と作業を続けていた。先程レイコにブッ飛ばされた二人の男性プレイヤーも根は真面目だったらしく、牛小屋の柵は壊れる前以上に綺麗に修理させれていた。これならば二人のNPCへの悪評もすぐに消え去ることだろう。そして日が暮れるころにはほとんどのプレイヤーが作業を終えて、ナギ達もそれぞれ後一頭のブラッシングでノルマを達成するところだった。ゲーム内の時刻は6時を回ったところで、上空には綺麗な夕焼け空が広がっていた。


 「ふぅ~…、これで最後だぞ~。何だか現実世界より体が思うように動かなくて偉く時間が掛かっちゃったな…。やっぱりゲームの中のスキルのレベルが関係してるのかな。牛達も中々満足してくれなかったし…」

 「本当ですね…。でもやっぱりナギさんのブラッシングした牛の方が喜んでる気がします。僕がブラッシングした牛とナギさんがした牛のコンディションを比べてみても総じてナギさんの担当した牛の方が高いですし…」

 「えっ…、そんなの見れるの…」

 「はいっ、端末パネルでこの牧場の家畜一覧を調べれば大体分かりますよ」


 端末パネルを調べれば牧場にいる牛達の体調はある程度把握出来るようだった。ただ場合によっては端末パネルに表示されているデータと違うこともあるため、データ上では健康となっていても実際には病気に掛かっている場合もある。その場合は実際の牛の行動や表情を見て判断しなければならないが、もしプレイヤーが発見し治療に成功した場合は多大な功績ポイントが手に入り、労働者の間の評判も良くなる。しかし誰も気付かなかった場合その家畜は病死してしまうこともあり、疫病などに掛かっていた場合は国の畜産に大打撃を与えることになる。


 「は~い、皆、今日はお疲れ様。もう皆ノルマは達成したみたいね」

 「お、お疲れ様です、レイコさん。あの…、アメリーちゃんはどうなりましたか…」

 「ああ…、何とか無理やり働かせて、あと数頭でノルマ達成よ。もうここまできたらいくらあの子でもちゃんと終わらせるでしょうね。計算高い子だから折角のポイントを無駄にしたりはしないでしょ」


 どうやらアメリーもあと少しで仕事を終えるようだ。ここで逃げ出したらここまでの作業が無駄になった上にポイントがマイナスされてしまう。流石のアメリーでもここから仕事を放りだしたりはしないだろう。


 「それじゃあ今日の皆の仕事の査定を始めるわね。監視システムによって導き出される達成率によって仕事の評価が決まるから。初日だったら50%超えてれば上出来ってところかな。まず馬子ちゃんからね」

 「は、はい…っ!」


 ナギ達の仕事が終わり、今日の仕事内容の査定がレイコによって行われるようだった。内政の仕事の査定もゲームの監視プログラムによって達成率が導き出され、それによって評価が決まる。その評価によって内政値の上昇率や、得られる功績ポイント、報奨が貰えるかどうかが決まる。


 「ええっと…、馬子ちゃんの達成率は…67%のDランクっ!。凄いわっ!、初日から50%どころか60%を超えるなんて…」

 「は、はい…ありがとうございます」

 「でも残念ね…、あと少しでCランクだったのに…」

 「は、はぁ…、ランクって何に影響するんだろう…」


 達成率の評価はいくつかのランクに分かれており、0%未満がGランク、つまり周りの労働者に迷惑を掛け内政値を大きく減少させてしまった場合だ。自国のNPCの間でも悪評がかなり広まってしまう。30%未満がFランク、50%未満がEランク、70%未満がDランク、80%未満がCランク、90%未満がBランク、そして100%未満でがAランクに設定されている。因みに100%以上の場合は全てSランクに判定される。


 「次はメリノね。メリノの達成率は…48%のEランク。初日にしてはまずまずの数字ね。スキルが割り振られていたのが功を奏したのかしら」

 「次はナギね…っ!、達成率73%のCランク…これは凄いわね…」

 「なっ、なんじゃってぇぇぇっ!」

 「73%…、それって凄いのかな…」


 なんとナギの達成率は70%を超えてCランクだった。レイコも驚いていたが、それ以上に馬子が大声を出して驚いていた。どうやらナギに評価が負けていたことが悔しかったようだ。


 「70%を超えてCランクの評価を得たことでナギには報奨金が出るわ。はい、3万yenイェン

 「えっ…」


 レイコはナギに報奨金だと言ってお金が入っている封筒を手渡そうとした。どうやらこの世界の通貨は日本円と同じで、円を英語に直してyen、イェンと言うらしい。一応紙幣や硬貨のグラフィックも用意されているようで、支払いなどのお金のやり取りは端末パネルを使ってもいいし、実際に紙幣や硬貨を使ってもいい。ただし不正な金銭の受け渡しを防止するために常に監視システムに見張られており、例えば店の紙幣を盗んだとしてもデータには登録されず紙幣も自動的に店に戻られてしまう。今ナギが貰った報奨金は達成率により分けられたランクによって貰えるようだ。得られる功績ポイントや内政スキルの経験値にランクは影響しないが、報奨金や報奨品が貰える確率、そしてその金額とアイテムの質は評価ランクに大きく影響されるらしい。69%のDランクと70%のCランクでは報奨金が貰える可能性が大きく違うというわけだ。


 「うわぁ~、日本の1万円札と全く同じ絵柄だ~。円の読み方が英語風になってるけど通貨は全部日本円と同じみたいだね。日当3万円って現実世界だとかなりいい方だよね。やったぁ~」

 「良かったですね、ナギさんっ!」

 「ちょっとぉっ、あんまり調子に乗らんとってくれるっ!。私とあんたの達成率の差は6%しか変わらんのじゃけぇ」

 「ご、ごめんなさい…」

 「ふんっ…」


 どうやら馬子はナギだけ報奨金を貰えたことに納得できなかったようだ。同じ牧場経験者でありながら年下のナギに仕事の達成率で負けてしまったこともあり、ナギに対して不満を露わにしていた。


 「ごめんなさね…、馬子ちゃん。こればっかりは私もゲームの設定従わないと管理者の立場を下ろされちゃうからどうにもできないの。でも管理者には自身の印象によって報奨を出す裁量にある程度の権限が与えられてるから、今度馬子ちゃんがCランク以上だした時はとびっきりのアイテム上げるからね。私の中で馬子ちゃんの印象は最高にいいから。あっ、もちろんメリノのこともよ」


 NPCにはプレイヤーに対する印象度も設定されているらしい。NPCの前でのプレイヤーの行動もそれなりに影響するが、プレイヤーとNPCに設定されている魂質の影響が一番大きいだろう。レイコの魂質は天であるから地の魂質を持った馬子との相性が特にいい。内の魂質を持ったメリノとも相性はいいが、逆に陰や外の魂質を持つプレイヤーやNPCを毛嫌いする性質がある。因みにナギの魂質も地に設定されているようだ。


 「それじゃあ今日はこれで解散…。あっ、話したいことがあるからこの後ナギだけ私の事務室に来てちょうだい。私はアメリーの仕事を見届けたら行くから先に行ってていいわよ。それじゃあ皆、今日はご苦労様」

 「あっ、お疲れ様です、レイアさん。馬子さんとメリノも今日はお疲れ様。一緒に仕事が出来て楽しかったよ。それじゃあ僕はレイコさんに言われた通り事務所に行くから…」

 「お疲れ様です、ナギさん」

 「お疲れ様~…」


 仕事の査定が終わるとレイコはアメリーの元へと戻って行き、ナギはレイコに言われた通り牧場の事務所の方へと向かって行った。馬子とメリノももう自由に行動していいようだったが、馬子はナギのことが気になるようだった。


 「……怪しい…」

 「えっ…、何が怪しいの、馬子さん」 

 「勿論ナギのことじゃけん。さっきの報奨金もそうじゃけど、何かレイコさんのあいつに対する態度が優しすぎる気がするんよ。多分さっき言うとった猫魔族を仲間した評価が影響しとんじゃろうけど、この分だと事務所に呼び出された後もまだ良イベントが発生しとるんじゃなかろうか。私、ちょっと後を付けてみるけぇメリノも付いてきてーや」

 「ええーー…っ!、確かに気になりますけど別に後を付けるほどじゃあ…。後で直接本人に聞けばいいんじゃ…」

 「そんなん話をはぐらかされて終わりじゃろうがっ!。レイコさんが戻ってくる前に話を盗み聞ぎできる場所を探しに行くよ」


 馬子に連れられメリノもナギの後を付けて牧場の事務所へと向かって行った。二人はナギがレイコの事務室に入って行った後、場所を確認すると事務所の外からレイコの事務室の窓の前で身を潜めてナギとレイコの話を盗み聞きしようとしていた。幸いなことに窓に鍵が掛かっておらず、馬子はすでに中にいるナギに気付かれないように少しだけ窓を開けて話を聞こえやすくしていた。


 「はぁ…、何だか盗み聞き何て気が引けちゃうな…。ナギさんならこんな事しなくても正直に話してくれると思うけどな」

 「しっ、ナギに気付かれしまうけぇ静かにしてくれん。正直に教えてくれるかもしらんけどそれじゃあこっちが足元見られてる見たいで嫌やけん。じゃけぇ盗み聞きしておけば下手にでずに済むじゃろ」

 「そんな事気にするなんて馬子さんって意外とプライド高いんですね…。ちょっと幻滅しました…」

 「そんな事言ってると女の子に持てらんよ、メリノ。女の子が年下の男の子にものを頼むのがどんだけ恥ずかしいか分かっとらんみたいやね。あっ…、それよりレイコさんが戻って来たよ。はよしゃがんで見つからんようにしとくんよ」


 事務室の窓の前で馬子達が待っているとレイコがナギの待つ自身の事務室へと戻って来た。どうやらアメリーも無事仕事が終わったようだ。レイコは少しため息をついて自分の机の席に着いた。机の上には書類が散らばっており、レイコは事務系の仕事が苦手のようだった。まぁ牧場の経営は文官NPCが協力してくれているようだからレイコは特に経理などについて気にする必要がないのかもしれない。ナギは自室の真ん中の辺りのテーブルを囲ったソファーの上に座っていた。


 「ふぅ~…、今日も疲れたわ。アメリーったらもう二度とこの牧場には来ませんって言ってさっさと帰っちゃったのよ。プレイヤーってNPCと違ってああいう我儘なのが多いから嫌なのよね~」

 「はははははっ…。(レイコさんも我儘とは違うけど十分気難しいと思うけどな…)」

 「あっ…、それじゃあ本題に入るわね。実はナギにお願いしたいことがあるの」

 「お願い…」


 レイコがナギを呼び出したのは何か特別に頼みたいことがあったからだったようだ。他のプレイヤーの前ではなく、わざわざ事務室にまで呼び寄せて頼みたいこととは一体何なのだろうか。


 「ちょっと今の聞いとった、メリノっ!。これはやっぱりナギ君だけの特別なクエストが発生してるんじゃてっ!」

 「そ、そうみたいですね…。団体賞の入賞といい、猫魔族のことといい、ナギさん序盤から乗ってるみたいですね…」


 馬子達は窓の外からレイコの言葉を聞いてこれはナギに特別なクエストが発生したのだと悟った。このゲームにおいて住民から依頼されるクエストを達成すると、討伐大会の時のように経験値と功績ポイントにボーナスが入る。更に自国の住民達の評判が大きく上昇し、クエストによって多額の報奨金や貴重なアイテムが貰える場合もある。発生には元々ある程度の評判と、何かきっかけになる行動が必要になることが多い。完全にランダムで発生することもあるのだが、今回の場合は内政の仕事の評価ランクが大きく影響しているようだ。


 「実は私を含めたこの牧場の労働者達の多くが元々このヴァルハラ国の建国予定地に集落を作って暮らしていた者なの。それで討伐の時にヴァルハラ国のプレイヤーに集落を発見されて、交渉の末この国に移住することになったの。最も発見された人間の集落はほとんどそうなるんだけどね」

 「は、はぁ…」

 「頼みたいことっていうのはその時交流があった近くの集落のことなんだけど、このヴァルハラ国の一番北のマスから右上に1マス移動したところにあって、実は私達がこの国に入国した時にその集落の人達にもヴァルハラ国に入国しないかって電文を送ったんだけど、一向に返事が来ないのよ。それであなたに様子を見て来てほしいの。勿論さっきとは別に更に報酬も出すわ」

 「えっ…、でも僕一人でですか…」


 レイコの頼み事は連絡の途絶えたヴァルハラ国の集落の様子を見て来てほしいというものだった。これは住民のカテゴリーに分類されるクエストで、主に自国の領内の住民から依頼される。クエストの分類は住民の他に国家、プレイヤーの合計3つのカテゴリーがある。国家からのクエストとは自国の文官や友好国からの依頼、更には自国のトップ、ヴァルハラ国の場合はブリュンヒルデが直接生成して依頼されるものである。プレイヤーからのクエストとは自国のプレイヤーが功績ポイントを使い生成する依頼のことである。報酬やボーナス経験値はゲームのプログラムによって自動で決定されるため、依頼を生成するプレイヤーは自身で報酬を用意せずとも良い。だが多大な功績ポイントを消費し、更に依頼をこなしたプレイヤーにも功績ポイントは入らないため利用するものは少ないだろう。当然国のトップであるブリュンヒルデやプレイヤーが生成するクエストには制限が設けられている。ただし生成の内容によっては固有クエストへと変化にし、報酬にその依頼をクリアすることでしか手に入らない貴重なアイテムが設定される場合もある。住民、国家からのクエストはナギのように直接依頼されることもあれば、自国に設置されている掲示板から募集に応募して抽選によって受けられることもある。プレイヤーの依頼は依頼するプレイヤー依頼を受けるプレイヤーに制限を付けて募集することができる。


 「勿論他のプレイヤーを誘ってもらって構わないわ。その場合は端末パネルのクエスト欄からこの依頼に参加するプレイヤーのところに追加してあげて。そうすればそのプレイヤー達にも報酬が出ることになるから。この依頼は最大で24人、このゲームの1つのパーティは8人までだから3パーティ分このクエストに参加できることになるわ。ただし人数が増えれば自動的に報酬も減額されていくからあんまり増やしすぎない方がいいわよ。まぁ私の依頼は8人、1パーティ分いれば大丈夫でしょう」

 「8人か…」

 「ただしあくまでこの依頼はプレイヤー達の行動を促すためのもので、クエストをこなせるのは依頼を引き受けたプレイヤー達だけじゃないわ。クエストを発生させてなくてもこの依頼に関するイベントはこなすこともできるし、その場合はそのイベントを完了させるのに貢献したと判断されるプレイヤー達に報酬を支払われることになるから注意してね。あんまり知らないプレイヤーに言いふらしちゃ駄目よ。あっ、アイテムの納品とかだったら別に気にしなくていいわよ。その場合は依頼を引き受けてくれたプレイヤーからしか受け取らないから」


 レイコがナギに依頼したクエストは依頼というよりそのイベントの発生を手助けするためのもののようだった。例えばナギ以外のプレイヤーが先にその集落へと行きイベントをこなしたとすると、報酬や経験値は全てそのプレイヤーに与えれるようだ。この依頼は貴重な情報源であるということだ。


 「なるほど…。でもなんで僕に頼むことにしたんですか」

 「実はさっきの仕事の査定で達成率の一番高いプレイヤーに頼むことになってたの。最初馬子ちゃんの達成率を見た時はあの子で決まりだと思ったんだけど、ナギの達成率は更に高かったからね。あなたの牧場の動物達はきっと幸せね」

 「い、いやぁ…」

 「それじゃあ期限は特にないから時間が空いたときにその集落に行ってみてちょうだい。詳細な場所は端末パネルのマップに表示されるようにしておいたから。まぁ別にこの依頼だったら放っておいても他のプレイヤーがこなしてくれるだろうし、別に見に行かなくてもいいものだと思って気楽に受け止めておいて。それじゃあもう行っていいわよ。あっ、今晩の宿のことだけどもし当てがなかったら家にいらっしゃい。連絡先と家の場所も端末に送っておくから」

 「は、はい。ありがとうございます。それじゃあ失礼します」

 「お疲れ様」


 レイコからの依頼の説明が終わり、ナギは事務室を出ていった。特にこの依頼をこなさなかったデメリットはないようだが、得られる報酬のことを考えると是非クリアしておきたいだろう。ナギは討伐の時のメンバーを誘えないかと考えながら事務所の外へ出ていった。


 「ちょっとナギ君。話は聞かせてもろうたよ」

 「う、うわ…っ!」

 「ごめんさい、ナギさん。僕は良くないって止めたんですけど…」

 「えっ…、ど、どうしたの、二人共」


 ナギが事務所の外に出るとそこには馬子とメリノが立ち塞がっていた。特に馬子は馬子は腕を組んで高圧的な態度でナギの行く手を塞いでいた。


 「とぼけても無駄よ。さっきレイコさんからクエストの依頼されてたやろ。ちょっとナギ君ばっかり良イベント起こりすぎなんと違うんっ!」

 「えっ…、た、確かにそう言われればそうかもしれないけど…(やっぱりデビにゃんを仲間した影響なのかな…。このゲームを作っている生命体の意志の一部が宿ってるとか言ってたし、それで普通の人よりゲームの進行が上手くいってるのかな…)」

 「そう思うとるんやったらあんたが今レイコさんから受けた依頼、私も一緒に連れて行って」

 「な、なんでそうなるの…」

 「レイコさんの話を聞いとったらこの依頼は私が受けることになっとかもしれんかったんじゃろ。あんたのせいで私は一つイベントを損したんじゃけぇ連れて行ってもらわんと割に合わんよ。それにこの依頼はこの牧場のレイコさんから頼まれたものなんじゃけぇ同じ畜産の仕事をした中でナギ君の次に達成率の高かった私を連れて行くのは当然じゃろ」


 事務所の外で待っていた馬子はナギに自分もレイコに受けた依頼に連れて行くよう要求してきた。ナギばかり良イベントが発生していることがかなり不満だったようだ。しかもナギがいなければ自分がこの依頼を受けていたのだから当然だろう。ただナギがこれだけ良イベントを起こしているのは熟練のMMOプレイヤーだとも感じていたようで、高圧的な態度の裏にはできればナギと親しくしておきたい気持ちもあったのかもしれない。それを感じたのかナギの馬子に対する口調も敬語ではなくなり親しみやすいものになっていた。馬子もナミと同じく知り合いのプレイヤーは皆抽選に落ちてしまったようでもあるし…。


 「そ、そこまで言うなら別に構わないけど…。でも、僕今日討伐で一緒になった人達も誘おうと思ってたからその人達と一緒でもいいなら…。馬子さんは他にパーティを組んでる人いないの」

 「それが知り合いは皆ゲームの抽選に落ちてもたんよ。最初にパーティになった7人もいい人達じゃったんじゃけどいかんせんゲームの腕前はしょぼくて…。それでできればナギ君とその知り合いと仲良くなっときたいと思って…」

 「そういうことなら別にいいよ。僕も知り合いは少しでも増やしておきたいし。メリノはどうする?」

 「あっ…、僕は遠慮しておきます。他の知り合いとまずは城下町を見て回ろうって約束してるので。でも機会があればナギさんや馬子さんともパーティを組んでみたいです」

 「それはこっちからもお願いするよ。ところで馬子さんとメリノの戦闘職は何なの?。畜産の仕事が始まってからは服装が牧場の作業服に皆着替えてたから見た目からは全然分からないね」


 ナギはレイコの依頼に馬子も連れて行く約束をした。メリノは他のプレイヤー達と約束があるらしくナギには付いて行かないようだった。ナギは折角なので馬子とメリノの他の職も聞いておくことにした。


 「私は祈祷師よ。待っとって、今端末パネルを操作して装備のグラフィックを戻すけん」

 挿絵(By みてみん)

 馬子の職業は祈祷師のようで、端末パネルを操作すると身体が光のエフェクトに包まれて一瞬で戦闘職の装備のグラフィックに戻っていた。肩とへその部分の肌蹴た服を着ていて、腰から下は色鮮やかな長めのスカートのようになっていた。なんとなく踊り子のような格好だった。首や手首には祈祷師を匂わせる数珠をしていた。武器は先端に鈴や玉のような物をぶら下げた祈祷師用のロッドを装備していた。祈祷師とは聖術師のように聖なる現象を引き起こす聖象を使う職業である。たが聖術師とは違い祈祷師の起こす聖象のほとんどは魔法ではなく特技に分類され、物理攻撃に設定されているようだ。当然聖属性が付与されている。物理攻撃には属性が設定されていない場合もあるが、魔法攻撃の場合は必ず何らかの属性が設定されている。


 「はい…、これが私の祈祷師の格好よ。もっと日本の神主のような格好をイメージしてたんじゃけど、何だか東洋の踊り子みたいな服装になってもてね。露出が多くて恥ずかしいんよ」

 「うわぁ~…、何だか凄い格好だね。とても祈祷師には見えないよ…。馬子まこにも衣装とはまさにこのことだねっ!」

 「………ちょっと笑えんね、その冗談…。そう言うあんたは戦闘職の服装がそのまま畜産の作業服になっとるみたいやね。魔物使いって言われても牧場主ですって言われても違和感ない服装やんね。便利でうらやましいね」


 ナギの畜産の服装は戦闘職のものと変わらず、魔物使いのものがそのまま畜産の作業服になっているようだった。因みに服装のグラフィックが変わっていても装備のステータスはそのままのようだ。戦おうと思えばそのままで戦えるのだろう。


 「へへへっ、実はこの服装ちょっと気に入ってるんだ。じゃあ次はメリノ職を教えてよ」

 「はい。僕の戦闘職は魔術師です。じゃあ僕も端末パネルで装備のグラフィックを元に戻して…」


 メリノの戦闘職はカイルと同じ魔術師のようだった。茶色の毛皮のコートを着ていてカイルより上品な格好だった。カイルが流れの魔術師のようなイメージをしていたのに対し、メリノは城で働く王宮魔術師のイメージが強かったようだ。性格も命令に従順そうだったのでその方が合っているのかもしれない。


 「へぇ~…、カイルより上品な雰囲気だね。独学で魔術を学んだって言うより王宮の学校でしっかり勉強した正規の魔術師って感じだよ。真面目そうなメリノに似合った格好だね」

 「ありがとうございます。でも…、何だかちょっと僕には大きすぎるような気がするんですよ。コートの裾が地面についちゃってるし…。まぁ別に汚れたりするわけじゃないし、特に動きにくいわけじゃないからいいんですけどね」


 メリノのコートはメリノの体格に比べるとかなり大きく設定されているようで、上半身はぶかぶかで、裾は地面についてしまっていた。地面を擦っても特に汚れなどが付くことはないようだが、メリノの動きが鈍そうなイメージを表しているのだろうか。


 「ところで…、皆さん副業は何なんですか。僕は鋼鉄技師っていう職業で、錬金術とは違って魔法を使わずにアイテムを作ることができるみたいです。主に爆弾とか内政に使う仕事道具を作れるみたいです。特殊な内政道具を持っていると内政の仕事をした際の効果が上昇するみたいですよ」

 「それは便利そうだね。僕は鍛冶屋なんだけど武器や防具は作れても道具は作れないみたいだから道具を作る時はメリノに頼もうかな」

 「勿論です。僕も武器が欲しい時はナギさんが作ってくださいね。ところで馬子さんの副業は何なんですか」

 「私は絵師やね。自分の書いた絵を市場に出してお金を得られるみたいよ。質のいい絵が描けるようになると街の人の幸福度が上がって功績ポイントも得られるようになるって。場合によっては美術館に飾られることもあるみたいよ。それでここからが凄いところなんじゃけど、魔物の絵を描いた場合、その絵の魔物を自分の仲間モンスターとして召喚できることがあるみたいなんよ。絵の出来がいい時にそうなるみたいなんじゃけど、モンスターの能力や召喚していられる時間、使用できる回数は絵の質によって決まるみたいやね。じゃけぇいい絵が描けたらナギやメリノにもプレゼントしちゃるけぇ楽しみにしといて」


 絵師とはゲーム内の市場に自身の描いた絵を流通させることができる職業で、それによって収入が得られたり、自国の商業を活性化させ国民の幸福度を上げたことにより功績ポイントを得られるのである。更には魔物の絵を描いた場合その魔物を仲間モンスターとして召喚する魔封画まふうがとできる場合もある。かなりメリットの多い職業ではあるが、一つの絵を完成させるのに時間が掛かり、魔封絵画を描こうと思えば高いスキルレベルと相当な絵に対する集中力が必要だろう。更にいくら能力や体の感覚は平等に設定されているとはいえ、現実世界の美術の才能もかなり影響してくるだろうからかなり扱いの難しい職であることは間違いないだろう。ただひつぬりの能力はゲーム内のものが反映されるため、創造力が豊かでありながら現実世界では絵の才能に恵まれず自身のイメージを表現出来なかった者がとんでもなく高価な絵を完成させることもあるかもしれない。


 「私はこう見えても小学校の時は良く絵のコンクールに入賞しとったんよ。実家が牧場じゃなかったら美術の学校に行こうとも思とったぐらいじゃけど、まさかゲームの中でその機会が巡ってくるとは夢に思うてなかったわ」


 馬子は小学校の時は美術が得意だったそうだがそれっきり絵を描くこととは縁がなかったようだ。もしかしたら馬子がこの世界で絵画の技術を習得した場合、ゲームの中だけでなく現実世界でも凄い絵を描けるようになってるかもしれない」

 「へぇ~…、何だか皆別々の副業に就いてて色々と協力し合えそうだね。僕が今日知り合ったプレイヤーの中にも馬子さんとメリノの副業に就いてる人はいなかったよ」

 「お~い、ナギや~。もう仕事は終わったんか~」

 「にゃ~、お疲れ様にゃ~」


 ナギが馬子とメリノの副業について聞き終わった頃、遠くの方からボンじぃとリディがナギに声を掛けてきた。どうやら園芸の仕事も終わったようだ。


 「あっ、ボンじぃにリディだ。それじゃあ僕もう行くね。そうだ、あの依頼のこともあるし出来れば二人とフレンド交換しておきたいんだけど…」

 「あっ…、そうじゃったわね。はい、私の方からフレンド依頼送っといたよ」

 「あっ、僕も今送っておきました」

 「ありがとう。それじゃあ承認しておくね。そういえば二人はこの後どうするの?。良かったら一緒に行動する。向こうに見えるあのお爺さんも一緒だけど…」

 「私は一応今日の組んだパーティの人と仲良くなったからこの後会う約束しとる。ゲームの腕はからっきしの人じゃけど…」

 「僕も知り合いと会う約束をしているので…」


 ナギに一緒に行動するか誘われた馬子とメリノだったが、どうやら二人ともすでに他のプレイヤーとの約束があるようだった。良くこの手のゲームだと一緒に行動するプレイヤーと知り合えずにずっと一人でプレイしている者もいるのだが、ほとんどのプレイヤーは最初に組んだパーティのメンバーと仲良くなれたようだ。あの討伐にはプレイヤー同士を知り合わせる目的もあったのだろう。


 「じゃあね二人共、僕内政の仕事をする時は暫くこの牧場に通うと思うからもし良かったらまた一緒に仕事しようね」

 「あんたもしかしてレイコさんに惚れてもたんとちゃうやろね。そんな事よりちゃんとクエスト行く時連絡してよ」

 「僕も今度ゆっくりナギさんの牧場の話を聞かせてください。僕もこの牧場に通うと思うので」


 こうしてナギは馬子とメリノの別れ内政のチュートリアルを終えた。ナギは待ってくれてるボンじぃとリディの所に向かって行き、これからナミやセイナ達、そしてデビにゃんと合流しようと考えていた。特に自身の仲間モンスターであるデビにゃんがどんな仕事をしていたのか楽しみにしながらナミ達との合流地点を目指していった。

 

  

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